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全体会議セッション3
2004年11月19日(金)
17:00 - 19:30, 井深大記念ホール

全体会議セッション3
被災者・家族のエンパワーメント
座長:名取雄司、アニー・デボモニ


発展途上国におけるアスベスト被災者の状況と取り組み:ブラジル―ABREA
フェルナンダ・ギアナージ
労働安全衛生監督官、アスベスト曝露者協会[ブラジル]

スライド1−ブラジルのアスベスト被災者の状況と活動

スライド2−我々は1995年にアスベスト曝露者協会(ABREA)を産業都市、大サンパウロにある産業都市に設立した。それは私のアスベストの活動に対する懲罰として私が労働省における私の監督区域から横暴にも異動させられた時のことであった。ブラジル政府は、その時点ではオザスコの全てのアスベスト工場は既に閉鎖されていたので、私の活動を中止できると考えていた。アスベスト工場は社会的圧力や抵抗のない他の場所に移されていた。

スライド3−当初の我々の目的は、1939年〜1993年までブラジルで最大のアスベスト工場を保有していたスイス系のエターニット社(スライド4及び5)で働いたことがあり、医療検査を受けなくてはならない人々を見つけることであった。

スライド6−ABREAの他の目標はこのスライド中に示されているように、アスベスト関連疾病を目にみえるようにすること、医療検査と積極的な患者の発掘、補償、アスベスト・リスクの情報提供、アスベスト禁止、そして環境的に破壊された地域の修復である。

スライド7−ABREAが設立されるまではブラジルにはアスベスト関連疾病公式な統計はなかった。医学文献によって1990年から1998年までの間に100以下の症例が報告されていたに過ぎない。我々が探し出した最初の1200名のもと従業員のうち、60%の人々がアスベスト関連疾病に罹患していた。

スライド8−ABREAはブラジルにおけるアスベスト関連疾病を社会的に目に見えるものとするためにアスベストに曝露した人々の情報を整備した。サンゴバンの元従業員の、あるグループから作成したデータシートを例に示す。175のデータシートの中から私はセバスチョの情報を選んだものである。彼は昨年10月に死亡したこのグループのリーダであるが、皆さんは21日の閉会式における授賞式において、この被災者のことをもっと知ることとなるであろう。
最近、保健省は、アスベスト曝露労働者の国としての登録を整備するために全国でDATASUS/VIGIAMIANTOと称する疫学調査プログラムを展開している。それは単に疾病の登録だけではなく、フォローすべき全ての曝露労働者を含んでいる。我々が期待する非常に野心的なこのプロジェクトは成功するであろう。彼らは情報を構築するために我々にデータの照会をしてきている。オザスコのモデルは他の地域にも波及している。我々はすでに3州で活動的な6団体を有している。

  1. オザスコ(エターニット社元従業員 )
  2. サンパウロ(サーモイド社自動車部品工場元従業員)
  3. サンカエタノドスル(サンゴバン/ブラジル元従業員)
  4. リオデジャネイロ(ジョーンズ・マンビル/アスベリト/ティーディット元従業員+エターニット元従業員)
  5. バイア−アベア−シモエス・フィルホス(エターニット元従業員)
  6. バイア−アベア−ポコエス(サマ/サンゴバン元アスベスト鉱山労働者)(スライド10, 11, 12, 13, 14

サンゴバンが1939年から1967年までクリソタイル・アスベストを採鉱した鉱山のあるバイア州ポコエスでは、被災者たちはまた、環境的にそして社会的災害として破壊された700ヘクタールの土地を糾弾し、修復するよう求めている。(スライド15, 16, 17, 18, 19

スライド23−補償のための闘い

フランス系サンゴバンの関連会社であるエターニットとブラジリットに対する500件の訴訟の後に、彼らは1996年に法廷外和解として1300米ドルから5000米ドル及び医療介護支援を申し出た。
バイア州では、彼らは貧しい人々のアスベスト関連疾病に対する補償として時計と帽子を贈った。(スライド24

ABREAメンバーが排除されるという状況の下で、約1500人の元エターニット従業員はこれらの哀れな見返りを受け入れた。エターニットは今日でもアスベスト鉱山を所有し、世界で第5位の生産高を上げている。エアターニットは合計2500人の被災者がいることを公式に認めている。
ABREAと告発者は4年間、この法廷外和解を改善するために取り組んだ後、2500人の被災者を代表して公式の法的措置として訴訟を起こした。遅くて堕落したわが国の司法制度にあって我々が驚いたことには、今年の8月に裁判所はエターニットに対して2500人全ての被災者を補償するようにとの判決を下した。(スライド25)

  1. 被害レベルに応じたクラスT(0.5最小給与)からクラスX(4.0最小給与)の生涯年金−1.0最小給与は月額約90米ドルである。
  2. 被害レベルに応じたクラスTからクラスXにわたる50〜300最小給与の"精神的苦痛"補償
  3. 支払い方法の保証。支払い対象として考慮されるべき有効時期は被災者が疾病を知った時。
  4. 診断の後、アスベスト曝露した人々が受ける医療介護
我々はこの判決でエターニットは1億6000万ドルの出費となると見積っており、被災者たちは1996年以来、会社が申し出ていた金額の10倍の補償金を得ることになる。

その他のABREAの活動

  1. アスベストは既に3つの州で禁止された。(リオデジャネイロ、リオグランデドスル、ペルナンンブコ)
  2. 2つ州の法律が最高裁で違憲であると差し戻された。
  3. 15の州がアスベスト禁止の法案を採択した。
  4. 70以上の法案が下院で審議待ちである。
  5. 全国で公聴会が開催される予定である。
どうもありがとうございました。