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全体会議セッション2
2004年11月19日(金)
13:30 - 16:00, 井深大記念ホール

全体会議セッション2
環境曝露・危機管理・リスクコミュニケーション
座長: マリ・クリスチーヌ、大島寿美子


世界貿易センター・スクリーニングプログラム応答者にみられた健康影響
ステファン・レービン(発表者)1、ロビン・ハーバート1、ジャックリーン・モーリン1、アンドリュー・トッド1、レベッカ・スミス1,3、グエン・スクルート1,2、クレイグ・カイツ1,3,4、ポール・ランドスベルギス1
1世界貿易センター作業者ボランティア医学的調査計画、マウントサイナイ・アービングJ.セリコフ労働環境医学センター、ニューヨーク、アメリカ
2マウントサイナイ医科大学医学部呼吸器・救急医学科、ニューヨーク、アメリカ
3マウントサイナイ医科大学精神医学部、ニューヨーク、アメリカ
4災害精神医学支援、ニューヨーク、アメリカ


 世界貿易センター(WTC)災害現場またはその周辺で救援・復旧活動に従事した、労働者とボランティアは潜在的に以下のものに曝露した。
  1. 粉砕されたセメントやガラス、アスベスト、ファイバー・グラス、その他の吸入可能性物質、それより大きめの粒子状物質(その多くは強いアルカリ性)、鉛その他の重金属、PCB類、ジベンゾフラン類、揮発性有機物質、その他、燃焼製品などの、一定範囲の環境中の毒性物質
  2. 心理的トラウマ
  3. 火災、ビル倒壊、破片の落下、騒音、高温などの物理的ハザーズ
 9/11WTC災害に対応した労働者やボランティアたちが職業性の疾病にかかっている証拠が早期に得られたため、国立労働安全衛生研究所(NIOSH)は、WTC労働者及びボランティアの医学的スクリンーニング・プログラムに対して資金を提供した。このプログラムの主な目標は、WTC応答者たちに対して、11,000件を超える無料の標準化された検査を提供するためのプログラムを、速やかに策定、実施することであった。
 最初の500人の参加者のうち250人の調査記録についてさかのぼったレビューが行われた。88%が、少なくともひとつのWTCに関連する上気道症状を訴え、78%が現場にいる間に、少なくともひとつWTC関連の肺の症状を経験したと報告した。2001年9月11日から10か月以上経過した後も、73%に上気道症状または異常な鼻の症状、またはその双方の症状を有していた。さらに、57%の人に、肺の症状か肺機能の低下、またはその双方の症状が見られた。52%は、さらに詳しい検査を必要とする精神的症状を訴え、21%が外因性ストレス障害(Post Traumatic Stress Disorder)と一致する症状を報告した。健康への影響に関する最新のデータを発表する予定である。
 ニューヨーク市保健局及び有毒物質疾病登録機関による2001年12月の調査では、13%の住宅の粉じんサンプル中に重量で1%以上のアスベストが含まれていた。他の表面付着粉じんのサンプルからは重量で4%のアスベストが検出された。人間の健康に対する将来のリスクに関するこれらのデータの意味するところと公衆衛生政策について論じる予定である。