ポールがまだ白い頃 大里はまだ一軍で
マウンドを登るたび いつもため息をついた
ため息つけばそれですむ 大里だけは見ちゃ駄目と
回ってた奴の手は とても許せなかった
運がいいとか悪いとか 人は時々口にするけど
そういうことって確かにあると あなたを見ててそう思う
偲ぶ偲ばずポール際 かみしめるような
ささやかな 彼の 野球人生
いつかしら大里も 姿見せなくなった
知らぬ間に彼の名も一軍から消えていた
彼はあの時勝利を誤審で流してきたのだろう
7回で2点差はきっとあったはずなのに
あれはフェアとかファールとか ひとは未だに口にするけど
めぐる疑惑は 季節の中で 漂いながら消えていく
偲ぶ偲ばずポール際 かみしめるような
ささやかな 彼の 野球人生
<解説>
巨人−ヤクルト開幕戦のこと(どんなときも残照)。
誤審した大里は、その後もう1度誤審をして、いつの間にかに2軍落ち。
運がいいとか悪いとか、あれはフェアとかファールとか人は未だに
口にしますが、ささやかな野球人生を送ったのは、もしかしたら、
投手の内藤尚行ではなく審判の大里晴信のほうだったのかもしれません。
−以上−