不良審判白書

詩 さだまさよし

 

内藤はあの日悲しいくらいのミスジャッジで
秦のかたわらでうずくまってた
誰かが自分を救いにくるのをじっと待っていたら
池山が来て笑ってた
人には切れて見える打球があいつにはフェアに見えてしまう
ファールにしようと努力している人が大里に聞いている

何故フェアですか 何故フェアですか
左ですか右ですか(ポールの)
ああ聞こえない ああ届かない
大里の目が分からない ああ

あいつはいつも自分のジャッジに強がって見せるけど
実はとても うそつきや
時折ジャッジをミスっては一人で愚痴をこぼしながら
また時々誤審をする
少し立場に思い上がり
うそつくほうが楽だと思え
本当は何も見てないくせに
うそをつき通すだけの意地っぱり

何が正しくて何が嘘ですか
ファールじゃなければフェアですか
ああ聞こえない ああ届かない
大里の目が分からない ああ

自分に正直に生きるなら
風に逆らって生きるのなら
居直ることが勇気だなんて
自分に甘えるのはおよし

何故フェアですか 何故フェアですか
左ですか右ですか
ああ聞こえない ああ届かない
大里の目が分からない ああ

何が正しくて何が嘘ですか
ファールじゃなければフェアですか
ああ聞こえない ああ届かない
大里の目が分からない ああ


<解説>
元唄はさだまさしの不良少女白書

例によって疑惑のホームラン事件を扱ったものです。
ピッチャーは内藤、キャッチャーは秦。
池山がショートです。
ノムさんが監督で、ファールじゃないのか?と大里に聞いていました。


不良少女白書(さだまさし)

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