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いわゆる神経症

1.神経症とは?

  もともと「神経症」という言葉は、心理的な原因で神経的な症状(「どうき」や「めまい」、不安発作、意識消失発作、麻痺、など自律神経系やその他の神経系が不具合を起こしているかのような症状や、不安・抑うつなど非精神病性の(=現実との適切な接触を失わない)精神症状)を生じてしまうものを指します。

  このため、「神経症」という言葉には、どうしても心理的な原因によるものという原因論がついてきます。しかし、現在の精神科診断分類では、原因論を排除して、純粋に客観的に表現できる症状だけで分類していこうという基本的な考え方があるため、いわゆる神経症は、国際分類では「F4 神経症性障害、ストレス関連障害、および身体表現性障害」という分類に入ってきますし、米国精神医学会分類では「不安障害」、「身体表現性障害」、「解離性障害」などの中に分類されてきます。ただ、いわゆる神経症は、もともと症状によって分類されるものという発想がないため、このような症状ベースの分類に合わないところがあり、多くの専門家がいまだにこうした分類に対して不満感を抱いています。

 「いわゆる神経症」の中には以下のようなものが含まれてきます。

●いわゆる不安神経症(パニック障害、広場恐怖、全般性不安障害、など。)

●いわゆる恐怖症(クモ恐怖、高所恐怖、先端恐怖、などなど)

●いわゆるヒステリー神経症(身体表現性障害、転換性障害、解離性障害)

●強迫神経症(=強迫性障害)

●社交不安障害(=対人恐怖、社交恐怖、あがり症)

●いわゆる抑うつ神経症(現在では感情障害の中の気分変調症に分類)

●適応障害、ストレス関連障害(急性ストレス障害、心的外傷後ストレス障害)

 これらの「いわゆる神経症」は、その表だって見えてくる症状の背景に、何らかの心理的な葛藤があることが想定されることで共通しています。そしてその葛藤は、何かに対する不安と、その不安に向き合うことを回避しようとして起こしている非適応的な精神的・行動的なパターンで形成されています。このため、基本的には症状を直接的に軽減するだけではなく、背後にあると思われる「何らかの心理的な葛藤」をしっかりと認識し、より適応的に解決していくことが治療上重要になってくる点でも共通しています。また、「いわゆる神経症」以外の精神科疾患においては、その問題の克服のために患者がすごく努力しなくてはいけないことはあまりないのですが、神経症の治療においてだけは、患者が積極的に、能動的に、問題の克服に向けてかなりの努力をしていくことが要求されてしまう点でも共通します。つまり、非適応的な精神的・行動的対処パターンをやめ、問題に向き合い、より適応的なやり方でとり組み直す努力が必要になってくるのです。この点で、ただゆっくり休んでいれば症状が改善してくるタイプの問題とはずいぶん違うのです。

 現在の疾患分類では、「いわゆる神経症」の名前は、そのほとんどが、患者さんが主に辛いと感じる症状・問題に「障害」をつけてつけられています。例えば、繰り返すパニック発作とそれが起こることへのとらわれが辛い神経症は「パニック障害」と呼ばれていますし、強迫観念と強迫行為が辛さの中心になっている神経症は「強迫性障害」と呼ばれています。以下に、ごくごく簡単に、いわゆる神経症のいろいろについて、解説してみます。


2.パニック障害と広場恐怖
 パニック障害とは、パニック発作とよばれる突発的で強烈な不安の発作が繰り返されること、そしてその発作が再び起こることの不安にとらわれてしまうものを指します。つまり、不安になることへの不安が症状の中心です。不安になることが不安なため、不安が不安を呼び、そのうち本当に不安発作が引き起こされてしまうのです。

 不安発作は、たいてい、予期せぬ時に突然にやってきます。ドキドキと鼓動が強く感じられ、呼吸が苦しくなり、冷や汗をかき、「このまま死んでしまうのではないか?」「発狂してしまうのではないか?」といった強烈な不安におそわれるものが典型です。あるいは、「急に吐いてしまうのではないか?」「急にトイレにいきたくなってしまうのではないか?」「急に倒れてしまうのではないか?」などの身体的コントロールを失うことへの不安という形で不安発作が現れることも少なくありません。

 不安発作は、電車、地下街、エレベーターの中、高速道路を走行中の車の中、など閉じこめられた空間で引き起こされることが多いため、多くの患者さんは不安発作におそわれた時に「逃げ場のない」(逃げたからといってどうにかなるものでもないのですが)場所にいることを極度に不安がり避けるようになります。これを「広場恐怖」と呼び、パニック障害にきわめて頻繁に伴われている問題です。急行電車のような一度ドアが閉まったらなかなか開かない状況に入ることを避ける。(各駅停車は比較的乗れる。)映画館や美容室に行くのを避ける。外出するのにいつも誰かをお供にしていないと不安で外出できない。車に乗っても高速道路は避けてしまう。などなどいろいろなパターンの「回避行動」を伴います。

 問題はここです。実はこれまでの調査研究で、不安発作自体はそれほど珍しいものではなく、いわゆる健常者も時々起こすことがわかっています。ただ、いわゆる健常者と比べて、パニック障害になってしまう人は、パニック発作を極度に恐れその不安にとらわれてしまうことにその違いがあるであろうことが指摘されています。

 パニック発作を極度に恐れるために、それを避けようと「回避行動」を生じます。「回避行動」をしているうちは、一見パニック発作を回避できている感じがします。しかし、逆に言うと、パニック発作へのとらわれを克服する機会をも失っていることになるのです。こうしてパニック発作へのとらわれという不安症状は慢性化することになり、いわゆる「パニック障害」ができあがってしまうのです。

 パニック障害の治療は、現在通常は選択的セロトニン再取り込み阻害SSRIなどの薬物療法を中心に組み立てていくことが多くなります。まずは薬物療法によってある程度症状を軽減しておき、そのうえで不安の克服に向かうようにする、というのがオーソドックスな考え方です。

 パニック障害に伴われるパニック発作の起こる頻度も、その強さも、そして発作への不安なとらわれも、抗うつ薬でもあるSSRIsによってかなり軽減できることがわかっています。パニック障害に対する抗うつ薬としてはパロキセチン(パキシル)が有名ですが、それはメーカーが宣伝に力を入れていたからというだけであり、実質的にはフルボキサミン(ルボックス、デプロメール)、サートラリン(Jゾロフト)、ミルナシプラン(トレドミン)などは、どれもほぼ同程度効果が見込まれると考えて良いでしょう。うつ病に対する薬物療法と同様に、パニック障害に対して抗うつ薬を使用するときも、その治療効果はすぐにあがるものではありません。たいてい数週間は様子をみなくてはならなくなるでしょう。

 このため、最初のうちはベンゾジアゼピン系抗不安薬(デパス、ソラナックス、ワイパックス、レキソタンなど)が即効性のある不安軽減に併用されることがあります。ただ、抗不安薬の併用はしばしば後に不安の克服を邪魔することにつながるおそれが強いため、あまりお勧めできるものではありません。特に、内科医などは、比較的安易に、抗うつ薬による治療を併用することなく、抗不安薬のみを頓服的に処方したりしますが、これはあまりお勧めできません。「頓服を持っていることが安心」という変な「回避行動」を形成してしまい、下手をするとずっと頓服薬なしでは行動できないようになる可能性があるからです。

 不安発作の頻度が少なくなり、もし不安発作が起こったとしても、それほどひどいものにはならなくなってきた時点で、少しずつ不安の克服作業に入ることになります。行動療法的には、よく「曝露療法 」と呼ばれるものです。つまり、これまでは不安だからという理由で避けていた行動を、少しずつするようにしていき、生活の幅を少しずつ広げていくのです。このとき、かならず不安は起こります。しかし、不安になることを防ごうとするのではなく、生じてきた不安をただただあるがままに見てゆき、不安が高まって、やがて退いていくのを見続けるようにします。こうして不安は抱えられるものであること、何としても避けなくてはいけないものではないのだということを身をもって体験していく練習を繰り返すことになります。

 こうして治療期間は短い場合はだいたい半年、長い場合は1年程度続くことになるでしょう。

 少なからぬパニック障害の背景には、何らかの生活上、対人関係上のストレスがあることがあります。この半年間〜1年間で、そうした背景の問題や無理を見直し、必要があれば修正していく努力も必要になるかもしれません。

 (ただ、診断的には若干の注意が必要です。パニック発作には疾患特異性が低いところがあるため、「パニック発作があればパニック障害だ」とは言えないのです。パニック発作のような不安発作は、その他の神経症でも生じることがありますし、うつ病でも、パーソナリティ障害でも、統合失調症でも伴われることが少なくありません。)


3.全般性不安障害

 現在「全般性不安障害」と言われているのは、いろいろなことがいちいち不安に感じられ思い悩んでしまう問題の総称のようになっており、やや何でもありのゴミ箱病名のようになってしまっています。全般性不安障害は経過の中でうつ病を合併することが多いことでも知られています。

 いろいろな問題の総称、ゴミ箱的病名になってしまっていることから、若干この病態は単一の疾患とは思えないところがあり、それゆえ特にこの治療が良いというような治療があるわけでもないです。しかし対症療法的に抗不安薬や、「考えすぎ」「とらわれすぎ」を抑えるための少量の抗精神病薬(ドグマチールなど)が使用されることは多い印象です。

 背景に何らかの心理的・対人関係的葛藤があることが示唆される場合には、その問題の解決を目指していくことは助けになるかもしれません。


4.単純恐怖症

 単純神経症と呼ばれるものの中には、高所恐怖、クモ恐怖、など特定の物事に対する恐怖のみを示すものが入ってきます。しかし、これらの恐怖症は、あまり日常生活に大きな支障を与えることもないためか、あまり患者さんが精神科の治療を求めてくることもありません。

 単純恐怖症については「曝露療法」と呼ばれる行動療法的なアプローチがもっとも確実に効果を発揮できるであろうことが、これまでの研究で示されています。つまり、文字通り不安・恐怖の対象と向き合い、不安を克服していくという、大変ではあるけれども単純な訓練によって改善しうるものではあります。薬物療法の出番はほとんどありません。



5.いわゆるヒステリー神経症

 現在「ヒステリー」という概念のわかりにくい「病名」は次第に使われないようになってきました。過去に「ヒステリー神経症」と呼ばれていたものは、その主な症状によって国際分類などでは「身体表現性障害」、「転換性障害」、「解離性障害」などと呼ばれるようになっています。しかし、これらの症状は重複する傾向があるうえに、非常にしばしば「ヒステリー性格」と呼ばれる独特の葛藤を抱えた性格に伴われることもあり、今でも「ヒステリー」という概念は臨床家の中では残っています。

 「身体表現性障害」や「転換性障害」と呼ばれるのは、心理的な葛藤が身体の症状(身体的な不具合、痛み、麻痺、しびれ、声がでない、歩けない、目が見えにくい、のどがつまる感じがする、など)として表れてくるものです。やや女性に多く、何らかの(職場での、夫婦関係での、家族関係での)対人関係の葛藤が背後にあることが多く、心理的なストレスの強弱によって身体的な症状も変化する傾向があります。(ですから、例えば夫婦間に葛藤の中心がある場合には、夫が帰ってくる時間が近づくと身体的な具合の悪さが悪化し、朝になって夫が出社して家からいなくなると具合が良くなったりすることがあります。)

 「解離性障害」と呼ばれるのは、何らかの心理的な葛藤・ストレスが背後にあり、意識が飛んでしまったりするなど何らかの意識変容体験(いわゆる「トランス状態」)が頻発する問題です。特にストレス下で解離を起こす頻度が増す傾向があります。時には、意識変容している間に別人格になってしまうこともあり、この場合は「多重人格」とか「解離性自我同一性障害」とか呼ばれたりしますが、これも解離性障害の一種です。やはり、やや女性に多く、何らかの対人関係的な葛藤が背後にあることが多いと見られます。

 こうした「いわゆるヒステリー神経症」は一般に通常の薬物療法はあまり効果を発揮しません。またヒステリー葛藤・ヒステリー性格の問題が背後にあり慢性的な抑うつ状態になっているときも、この抑うつ症状は抗うつ薬などへの反応が悪い傾向があります。こうした場合、非常にしばしば「慢性・難治性のうつ病」だと言われることになります。

 症状の要因には、すでにお話ししましたように、何らかの対人関係上の葛藤があることが一般的です。しかし、その葛藤は本人が気づくことも向き合うことも嫌であるために、最初のうちは全く気づかないでいることも少なくありません。多くの場合、その人が生まれ育ってくる過程で形成してきた性格要因も強く絡んでいます。このため、本当の意味で治療を進めていくためには、こうした性格要因も含めて対人関係の葛藤をしっかり見直し解決していく必要があり、この目的のために「カウンセリング」や「精神療法(心理療法)」は有効なことがあります。


6.強迫神経症

 強迫神経症は、他人から見たら(場合によっては患者さん本人も些細でばかばかしいことだとわかっていることもあります)些細でばかばかしいこと、起こる確率がきわめて低いために恐れる必要性の乏しいこと、などについてあれこれ不安なこだわりや、不安を打ち消すための儀式的行動をせずにはおれない問題です。例えば、「手が汚れているのではないか?」と不安になり、何度手洗いをしても気が済まないとか、「身体に細菌などの悪いものがついてしまったのではないか?」という不安から、外出先から帰ってきた時に「汚れ」を落とすためにシャワーを浴びたり着替えをしたりしないと気が済まない、などがあります。「鍵を閉め忘れているのではないか?」と不安で外出前に何度も確認したり、「ガスの元栓を閉め忘れているのではないか?」と気になり、何度も確認に戻ってしまったりすることもあります。あるいは、部屋の片づけをきちっと左右対称にしていないと気が済まないとか、そうしていないと何か良くないことが起こるのではないか、と気になったりすることもあります。あるいは、完全に心の中で行う儀式的行為として、嫌なことが思い浮かびそうになったときに、決まった数まで数を数える、などの癖がやめられないということもあります。入浴や就寝の前に行う「儀式行為」がしっかり決まりすぎているために、そのために数時間もかけてしまい生活が回らなくなってしまう人もいます。「何か大切なものを一緒に捨ててしまうのではないか?」という不安のためにゴミが捨てられずどんどんゴミがたまってしまう主婦もいます。

 強迫神経症の原因はよく分からないことが多いです。背景に何らかの心理的なストレスがあることもありそうですが、それが強迫という症状にでてしまうのは、かなり体質的な要因が関係しそうではあります。

 強迫神経症は、放っておいてもなかなか治らないことで知られますが、強迫行為を無理無理やめていくという比較的簡単な行動療法が効果的であることも知られています。ただ、不安であるからやってしまっている強迫行為を無理無理やめていく努力が大変であるため、行動療法的な治療は実際にはあまりなされていません。

 薬物療法的には、いわゆる選択的セロトニン再取り込み阻害薬SSRIが効果的であることが知られており、一般的な精神科の治療ではしばしば使用されます。メーカーの宣伝では、フルボキサミンが有名ですが、基本的にすべてSSRIが同程度に効果的であろうと見られています。

 (ただ、診断的には若干やっかいなところがあります。つまり、強迫症状は疾患特異性が低いところがあり、強迫症状があったら強迫神経症だとは言えないところがあるからです。例えば、統合失調症には約4割程度に強迫症状が伴われていると見られていますし、発達障害にも強迫症状に類似した症状が伴われていることがあります。さらに、チックに関連した強迫やゴミ集め強迫は通常の強迫神経症とは別物であろうと見られてもいます。このため、患者さんの自己診断で「強迫性障害だろう」「だからSSRIが効くだろう」と早合点してしまうのは危険です。)


7.社交不安障害(対人恐怖)

 社交不安障害は、最近になって製薬会社による熱心な宣伝活動のために一般にも有名になっています。よく「対人緊張」、「対人不安」、「あがり症」などと呼ばれていることもあります。

 要するに対人関係に伴う不安が強すぎるものです。相手からネガティブな評価をされること、恥をかかされてしまうこと、など対人関係場面での嫌なことを避けたいために、対人関係を必要以上に避けたがってしまったり、極度にあがってしまったり、人前で話すときに異常に緊張したりします。多くの患者さんでは、この「緊張」がさらに不安を高めます。つまり、緊張して人前でうまく喋れなくなったり、ぎこちなくなってしまうこと、赤面やふるえといった症状が出てしまうこと、などを「相手に気づかれ恥ずかしい思いをしてしまうのではないか?」と不安になるのです。パニック障害でもそうであるように、ここでも、不安が不安を呼ぶという悪循環が起こります。

 治療法としては、本来的には対人関係での恥ずかしさを克服することを目的に、避けている対人関係の中にあえて身をおくことを繰り返す「曝露療法」を基本にすべきです。そうはいってもあまりに不安が強すぎ人前にでることがひどく困難であったり、職務上ゆっくり治療をしている余裕がない場合は、薬物療法を併用することになるでしょう。

 これまでの研究ではSSRIが対人関係にともなう不安やそれに対するとらわれを軽減する作用があることが分かっており使用されることが多いです。また、普段の生活にはほとんど何も不便がなくても、大勢の人前で講演をするなどの場合にだけ不安を感じる人がおり、その場合には壇上にあがる10分から30分前に少量のベンゾジアゼピン系抗不安薬や交感神経遮断薬(インデラルなど)を使用して症状の軽減を図ることもあります。ただ、この場合でも、パニック障害の治療においてそうであるように、あまりに安易に抗不安薬に頼ってしまうと、不安の克服の妨げになることがあるので注意が必要です。


8.いわゆる抑うつ神経症


 いわゆる「抑うつ神経症」とは、慢性で持続的な抑うつ症状が続くものであり、たいていは対人関係の葛藤に関連して症状が悪くなったり、少し良くなったりしながら経過します。ただ、「抑うつ神経症」と呼んでしまうと、そこに「心理的な葛藤が要因にあること」という原因論がついてきてしまうため、原因論を排除しようとしている現在の精神科疾患分類では、「持続性気分障害」とか「気分変調症」と呼ばれています。

 対人関係の葛藤が持続的に存在するということは、その患者さん本人の対人関係のスタイルや「性格」と呼ばれるものと少なからず関連しています。こうした背景もあり、この慢性持続的な抑うつ状態である「気分変調症」は症状的には比較的軽めではあっても、なかなか抗うつ薬などの薬物療法への反応も悪く、うつ病に対しては高い効果を期待できる認知行動療法の効果も今ひとつである傾向が知られています。

 いわゆる「神経症的な性格」は、それが「パーソナリティ障害」と呼べるほど重度で広範な問題になってしまっている場合、たいていは「C群パーソナリティ障害」に分類されてくることになります。そして、C群パーソナリティ障害に対しては、これまでの研究では、精神力動的精神療法(精神分析的精神療法)や一部の特殊化した認知行動療法がある程度の効果を発揮することが示唆されており、本当の意味でしっかりとした治療を行うのであれば、これらの長期にわたるフォーマルな精神療法(心理療法)が適応ではあります。ただ、対症療法的に抗うつ薬を使用したり、対人関係での葛藤に伴う「考えすぎ」、「気にしすぎ」を軽減する意味で少量の抗精神病薬(ドグマチールなど)や抗不安薬が使用されることはあります。