1. アラビアンナイトは9世紀頃シェラザードという娘が暴君であったアラビアの王様におもしろい話を千一夜にわたって聞かせた結果、王様は改心し、賢い娘を王妃にしたという物語である。

良く知られている話に、アリババと40人の盗賊、バクダットの盗賊、アラジンと魔法のランプ、船乗りシンドバットの冒険等々の話を子供の頃、大人から聞かされたり、本で読んだとき、その面白さと冒険物語に心ドキドキ、わくわくと魅了されたものです。


2. アラビア語の千一夜物語には、よくアリババという言葉が出てきますがこれは盗賊と言う意味です。イラクの首都バクダットにある大きな十字路はアリババ広場と呼ばれ、「アリババと40人の盗賊」に出てくるモルジアナという少女が盗賊が隠れている沢山の壺に熱い油を注いでいる像があります。(詳細はイラクのバクダット編でお伝えします)

そんな少女が今にも左の家から出てきそうな街並みです。


3. これらの物語にかってふれた人はカブールのこの風景に接したときはこの物語が思い起こされ、自分はあの物語のあの場面に身を置いているものと錯覚し、向こうの角には民族衣装を身にまとい、頭にターバンを巻いて半月刀を持った盗賊が待ちかまえているとか、右手の家では切り裂かれたカシムの体を縫い合わせた靴屋のじいさんが仕事をしているとか想像と物語の世界にまるで魔法のカーペットで運ばれて来たようなところです。

まぎれもない「アラビアンナイトの世界」です。 誰もが昔の冒険物語にタイムスリップすること請け合います。

4. カブールは周りを険しい山岳に囲まれた盆地にあり、交通の難所でもあるところから、中世の昔の姿を今にとどめている。ちなみに「もう一つのアラビアンナイトの世界」はアラビア半島の左下にある「北イエーメン」です。

5. ところが一歩目を転じれば、そこは民族衣装を身にまとい頭にターバンを巻き、自動小銃やバズーカ砲を携えた山岳ゲリラです。
  この世界は厳しい。
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