インターネットを活用した実践のできる日を待ちこがれつつ
かつて、インターネットが一般にこれほど普及し、そこから多くの情報が得られるようになるなどとは、予想だにしていなかった6年前の実践です。
その時点では、ようやく「情報活用能力」の定義づけがなされた段階でした。それを読んだとき、コンピューターの最も有効な活用方法は、データーベースにあると考えました。データーベースの構築と活用が大きな課題だと感じていたのです。鉛筆と原稿用紙などの代わりにパソコンを使うだけでは、余りにもマシンがもったいないと思いました。
インターネットこそ、待ちに待っていた無限とも思えるデーターベースでした。すでに、先進校では、取り組みが進んでいることとは思いますが、今、こうして、再度この実践を掲載したのは、こうしたかつての作文指導とインターネットを活用した作文指導との比較検討を図りたいためです。
私の勤務校では、まだ、環境がそこまで整備されていないので、インターネットを活用した作文指導は、まだ数年先のことになりますが、準備は早過ぎるに越したことはないでしょう。
とりあえずは、思いつくままの記述ですが、少しずつ検討を加えて、加筆していきたいと思います。
(1997/09/13)
情報活用能力育成の場としての作文指導の試み (平成3年6月実践)
(「山東教育(研究紀要28集)」所収 平成4年度 滋賀県坂田郡山東町教育センター:刊)
1.はじめに
「情報教育」の大切さが強調されているが、国語科において情報活用能力をどのように育成するのかといった課題についての取り組みは、今始まったばかりの観がある。この情報について考えると、大別してその「受容」と「発信」とに分けられると考える。国語科においては、それぞれ「受容」が「理解」との、「発信」が「表現」との結び付きが強いように思われる。
文部省『情報教育の手引き』には情報活用能力として「情報の判断、選択、整理、処理、創造、伝達」の能力があげられている。こうした能力の育成を考えるとき、情報の「受容」から「発信」への一連の流れの指導の場として、表現(特に作文)の指導が見直されてよいのではないかと考える。
情報の「発信」としての表現と直接結び付くのは、先に挙げたもののうち「創造」「伝達」の能力であろう。しかし、情報の「受容」としての「判断、選択、整理、処理」の各能力は、「発信」に至るまでの過程において必要な能力として位置付けてもよいのではあるまいか。
つまり、読み手にとって必要で価値ある情報を発信(作文)するために、
テーマの価値を検討して決定し(主題)、
関連する情報を探し出して(取材)整理し、
分かりやすいように伝達順を考えて処理し(構成)、
相手が納得できるように表現する(叙述)
といった過程をたどれるのではないかと考えたのである。
このように、表現過程と情報を活用する過程との相関関係をとらえると、従来の作文指導のあり方を情報化に対応する視点で見直すことが大切だといえよう。
そこで、今回の実践では、作文指導の内容として、確かな根拠(情報)に基づいて論理を展開する文章を書く学習として意見文を取り上げた。また、指導の方法として、作文の表現(情報の発信)過程に即して表現能力を身につけさせる指導法の工夫を試みた。
2.題材名
第3学年 表現 意見文 「出会いを生かす───考えを明確に───」
3.指導目標
(1) 興味・関心を持って適切な題材・主題を求め、意欲的に自分の意見をまとめる。
(2) 自分の立場、読み手、目的、主題などを明確にして書いていく態度を身につける。
(3) 構成を工夫し、根拠を明確にした説得力のある意見文を書く。
4.指導計画 (7時間)
5.おわりに
今回、表現過程と情報を活用する過程とに相関関係があると考え、従来の作文指導のあり方を情報化に対応する視点で見直してきた。
しかし、作文の「主題、取材、構成、叙述」といった表現過程と「情報の判断、選択、整理、処理、創造、伝達」の情報活用能力との相関関係の分析が短絡的であった。また、情報操作力の分析が不十分で、その力を付けるための手立てを工夫するという意識が弱かった。このため、指導法の工夫といいいながら、従来の実践の枠から出ることができなかった。
発信される情報の価値は、作文ということでいえば、読み手が読んで役に立つ文章を書いて初めて生じる。表現は、相手に何らかの目的と意図をもって働きかける活動である。自分の考えを適切に展開するためには、情報を収集し活用することが大切である。このため、今後は、根拠として確かな情報を選択し活用する能力の育成を一層重視して、実践研究を深めていきたい。
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