第114号(1998/03/14)
「新しいことにチャレンジ 来年度の北中生への期待



 少しばかり、難しい話になりますが、この1月に文部省から、「公立学校におけるインターネットの利用について」という通知がありました。ご承知のように、中学校は、平成13年度までにインターネットへの接続をするようにという趣旨のものです。もちろん、接続しただけでは、子どもたちの学習に役立ちません。「インターネットの利用環境の計画的整備に努めるとともに、その積極的な教育利用に努める」ようにせよというのです。
 実際に、先進校や研究指定校など財源が確保できている学校では、いろいろな取り組みが進められています。インターネットを活用して、教科の調べ学習をしたり、学校間で子どもたちが意見交流や共同研究をしたりしています。また、そうした学習の成果を子どもたち一人ひとりが、ホームページとして発信している学校もあります。


 先般、情報教育に関する研究集会に参加しました。その際、私の提案した北中の「インターネットに関する校内規約」が、その講師の増田祐司教授(東京大学社会情報研究所)から大変な評価を受けました。
 前述のようにインターネットの利用が本格的に実施されようとしていますが、ハード面(設備や機器)は予算措置でそろえることができます。しかし、ソフト面(利用規約や活用方法)は、これからの大きな課題です。
 そうしたソフト面でもとりわけ、子どもたちの安全や人権を守りながら、どう活用していくのかといったことが課題になりつつあります。北中の取り組みは、そうした方向をめざす価値ある基礎研究だとお褒めいただいたのです。


 もう一つ、その研究会で気になったことがありました。それは、アメリカでは、情報処理の学習体験に関わって就職差別が行われている事実があるというのです。つまり、学校でパソコンやインターネットの処理に関する学習をしていない子どもたちが就職しようとしたとき、門前払いを受けるケースが増えているというのです。これに関して、日本の実状はどうなのか調べてみたところ、一部では、すでにそれに近い状況が生まれているようです。例えば、学生個人のメールアドレスにだけ、企業からの就職試験日などの情報が入るとか、会社案内の請求をインターネットでしか受け付けない会社があるとか、さらには会社訪問のアンケートにどのようなソフトが使えるか答えさせる会社があるとかいった情報を得ました。
 しかし、ただコンピュータが操作できるというだけでは、情報活用能力があるとはいえません。情報活用能力には、(1)情報機器活用能力、(2)情報処理能力、(3)情報発信能力などがありますが、コンピューター操作は、主として(1)に当たるといえます。
 広い意味での情報活用能力は、一生涯必要でしょうし、また、人の一生の課題でもあると思います。学校では、「生きる力」としての情報教育を進めていく必要があるように思います。


 新しいことに取り組んでいく場合には、往々にして恐怖心が伴います。旧秩序に依存している場合には、安心感があります。しかし、いつまでも恐れて「守り」ばかりでは、疲れてしまいます。先日、近所の50代半ばの方が、パソコン教室に通い始めたことを生き生きと話してくださいました。楽しいのは「攻め」。新しいことに向かってチャレンジしてみる方が楽しくやりがいも生まれます。
 今、パソコン部の子どもたちは、Windows95やインターネットなどにチャレンジし始めました。この輪が、来年度には、全校の子どもたちに広がることを期待しています。


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