平成11年度 滋賀県教育研究奨励事業 研究成果報告書
反省と考察
1. コンピュータリテラシーと情報リテラシーについて
生徒の実態を見ると、コンピュータを活用した学習活動を十分に体験していない段階の生徒の意識は、コンピュータはゲーム機の延長線上に近いところにあるように思われる。しかし、授業での活用を通して、徐々にその意識の変容が見られるようになってくるように感じられる。
とりわけ、3年生は、今までコンピュータを活用した学習活動を体験しておらず、そのため、学習の当初は物珍しさから、マウスをいじくったり、OSの設定を変えてみたりする生徒が数多くいた。しかし、徐々に機器の操作に慣れ、目的を持ってWebを探索したり、メールで交流をするようになると、機器の取り扱いも丁寧なものになり、無駄な時間を過ごさなくなってきた。そして、その次の段階では、時間を惜しんで取り組む姿が見られるようになってきている。
コンピュータリテラシーの伸長に伴って、情報リテラシーも身に付いていっているのであろうか。
2.メディアの効果的な活用について
インターネットを初めて体験する生徒には、Webにはあらゆる情報があるような錯覚に陥りがちである。しかし、課題を解決しようと取り組んでいく内に、インターネットの限界にも気づき始めるようである。そして、次に、従来彼らが用いてきた調べ学習の原点ともいえる書籍に目を向けるようになる。
これは、今回実践した2年生の取り組みでも、3年生の取り組みでも見られた傾向である。3年生ともなると、学校の図書室だけではなく公立図書館にも足を向け、書籍を探し出して来ている。このことは、メディアの活用という観点から言えば、彼らが体験の中で見つけた方法であり、多いに評価できる点であると考える。
3.各教科等の年間指導計画の調整
大規模校における情報教育推進のネックになるのが、1クラスあたりのコンピュータ室の利用頻度である。この問題は、教育の機会均等にも関わるものであるが、財政当局の英断を待つ間、そうした悪条件の中で、いかにして少しでも生徒の力を伸ばすかという問題と取り組む必要がある。
本校では、来年度からスタートする新教育課程への移行措置の中で、1年生から計画的にコンピュータの基本操作を訓練する計画を立てているところである。
これを実施することにより、上級学年での各教科における活用も従来よりは、スムーズに実施できると考えている。
そのために、必要な条件の一つに、指導者の問題がある。全職員が一定の指導力を備える必要があるし、また、機会をとらえて、各教科の授業実践の中で活用する必要がある。 このための職員研修は、今後必須である。
4.ネットワークによるクライアントマシンの集中と分散
これからのコンピュータ活用のあり方は、「情報活用能力」の育成を目指したものでなくてはならないと考える。
そのためには、環境整備、教育課程の整備、教職員の指導力の向上、機器の管理など、多くの課題がある。
第1段階のコンピューター活用は、「どの生徒も、使えるように」ならなくてはならない。
そのために、「情報機器活用能力(コンピューターリテラシー)」の育成を中心とした授業を計画する必要がある。
次に、そうして身につけた力を生かして、「情報処理能力」「情報発信能力」を伸ばす学習も、教科(領域)の学習の場面で、進めなくてはならない。
そのための環境整備として、まずは、コンピュータ室に十分なクライアントマシンを配置する必要がある。
理想のコンピュータ活用は、「使いたい生徒が、使いたいとき、使いたいように使える」ものでなくてはならないと考える。
生徒は、様々なコンピューター利用の体験を通して、よりよい活用方法も身につけていくと考えるが、それとは逆に、コンピュータ利用の限界にも気づいていくのではなだろうか。
習を進める上で、生徒が主体的にコンピューターだけでなく、様々なメディアの中からその方法を選択し、活用していくことが理想である。つまり、個に応じた学習方法の選択である。
そのためにも、「使いたい生徒が、使いたいとき、使いたいように使える」環境を準備しておくことが必要である。
そのためには、校内ネットワークを張り巡らし、全ての教室からインターネットが出きるような環境を整備する必要がある。
本校では、今後の展開として、少しずつでも上記の環境を整えていきたいと考えている。
以 上
(2000/01/06)
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Last modified 2000/02/06