カウンセリングルーム等コンピュータ設置活用調査研究



実践事例

[5] 不登校生徒とのメール交換(自宅)

不登校傾向にありほとんど全欠している生徒と学級担任とのつながりを強めたり、関係者間の情報交換を密にするために、昨年度からメールによる交流の実践を図ってきた。

<対象>

<実践事例1>

■対象生徒:平成11年度卒業生 女子

(1) 状況について
    1年生の2学期以降、不登校状態となった。もともと、言葉も少なく、友達との交わりも少なかった。長浜市の青少年センター適応教室「ひまわり」に通所することになった。「ひまわり」では、読書すること・イラストを描くことを中心に過ごしたが、通所する他の生徒や職員と交わったり、自分から話しかけることができない状態だった。そこで、「ひまわり」では、「自分の意志を、相手に伝えること」を目標に、通所することになった。
    3年生になったのを機に、登校刺激を与える指導に切り替えた。学級ではクラスメイトから、何回か手紙を送る取り組みを行った。
    7月になり、卒業後の進路を意識し始め、別室登校を始め、担任が教科の指導に当たったが、会話は成立しなかった。
    夏休みは、本人の意思で14日ほど登校したが、このときから担任との交換日記の取り組みを開始した。
    3年生の2学期になり、センター職員から、本人とメール交換しているとの情報を得たため、9月から、担任とのメール交換を開始した。
    2学期後半、進学のために高校の体験入学に参加してみたが、車から降りることができず、それ以降、精神的に不安定になり、登校日数も減少した。
    しかし、無事受験を終え、高校に合格したことがきっかけとなり、自分に自信が持てるようになり、個人のWebページづくりに挑戦し始めた。
    進学後は、現在も通学できており、Webページも、随時更新されている。

(2) メール交換の視点(メールでどういった関わりを)
    本人が別室登校しても、担任が授業などで出会うことができない場合や、本人が登校できなかったときに、次の学習の予定や励ましの言葉などを、直接確実に本人に伝えることができた。

(3) 成果と課題
    他者とのコミュニケーションに課題を持つ本人にとって、時間も場所も気にせず精神的に安定できる自宅で、リラックスして自分の気持ちを表せるとあって、「木の部屋」で書く交換日記よりも、生き生きとした交流を引き出すことが出来た。
    また、本人は、得意なイラストをもとにWebページの作成にも挑戦することで、メールによる交流の幅が広がって友達もでき、自信を持つことが出来きるようになった。


<実践事例2>

■対象生徒:1年生 女子(携帯メールによる)

(1) 状況について
    小学5年生の時より欠席が多くなり、中学校入学後は、全欠状態である。現在は、青少年センター適応教室「ひまわり」に通っている。
    両親が共働きで、帰宅時間は、深夜になることもある。また、兄弟は、すでに独立していて、家庭内でコミュニケーションが成立しおらず、本人が放置されているかに見受けられる。
    1月末、携帯電話を取り上げられたことから、両親と早朝まで口論した。
    翌日の午後、頭痛を押さえるため解熱剤を16錠服用し、救急入院する。
    担任が、本人が携帯電話を所持していることを知り、入院中の本人に、体調をメールで尋ねたところ、返事が返って来た。それをきっかけに、携帯電話でのメール交換をするようになった。

(2) メール交換の視点(メールでどういった関わりを)
    センターで会うことができないので、夜にその日にあったことや、日曜日にしていたことなどを聞いている。

(3) 成果と課題
    メールを打つと必ず返事が返ってきて、その日の様子などを打ってくれるので、担任とのコミュニケーションツールとして活用している。


<実践事例3>

■対象生徒:2年生 男子(保護者への支援)

(1) 状況について
    中1の3学期から不登校になり、2年生の11月より、青少年センター適応教室「ひまわり」に通っている。家庭の事情で、現在は、祖父母の家で起居している。
    母親が、かなり精神的に追いつめられた状態であったため、たびたび電話等で支援を行ってきた。しかし、1回の通話が2時間にもなることもあり、担任の負担も増していた。
    そうした折り、母親がインターネットを始め、担任とそのことで話が弾み、メール交換が始まった。

(2) メール交換の視点(メールでどういった関わりを)
    母親が大変不安定で、精神的な支援に必要性に迫られている。母親の相談相手、あるいは精神的な不安の受け皿として、メール交換を行っている。

(3) 成果と課題
    母親からの返事は、毎回返ってくるわけではないが、メールを綴ることにより気持ちの整理ができているようで、生徒に対して登校を強要したりすることもなくなり、落ち着いた対応が見られるようになってきている。








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Last modified 2001/02/27