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●アスベスト対策情報 No.26




通商産業省

1999年5月28日(木)13:30〜14:30 通商産業省B1F会議室

通商産業省側出席者

@ 生活産業局住宅産業窯業建材課 課長補佐 丸山清
A 生活産業局住宅産業窯業建材課 建材第2係長 小泉、TEL 3501-9255、FAX 3501-6799
B 生活産業局住宅産業窯業建材課

全国連側出席者
4名: 古谷杉郎、永倉冬史、平野敏夫、内田正子






1. アスベスト禁止に向けた国際的な情勢を踏まえ、日本においてもクリソタイルを含めたアスベスト の輸入・製造・使用等の禁止を早期に実現するようイニシアティブを発揮されたい。国際的な情勢に 関する貴省としての認識もお聞かせ願いたい。

【回答】 EU15か国中すでに9か国が禁止していることなどの国際情勢については、承知している。

われわれは製造メーカーを所管しているわけだが、@安衛法、大防法等を遵守して安全な管理の もとで使用していれば基本的に問題はない、一方で、A今後とも代替品の開発、アスベスト含有量の 低減化に努めていきたい、というのが基本的スタンス。

* この@Aが通商産業省のスタンスという見解は、この間一貫している。

2. アスベスト製品の代替化促進に向けた施策の進展状況についてお聞かせ願いたい。

ユーザー、消費者向けに、代替製品および代替化の状況に対する情報を提供して、代替化の促 進を図られたい。

【回答】 中小企業庁において、中小企業近代化促進法に基づく構造改善支援事業を実施している。

スレート業界について、今年4月から5年間の予定で第3次構造改善支援事業をスタートしたとこ ろ。大きなテーマのひとつとして、無石綿波形スレートの開発を掲げている。スレート業界20社強と大 企業数社の共同研究によって、無石綿波形スレートのJIS規格化をめざす。

これは、第2次構造改善支援事業において、無石綿ケイ酸カルシウム板を開発し、JIS化して、現 在市場に出しているのに続くもの。

建設省の仕様等にもあるように公共事業での無石綿化も求められていたり、建築基準法が性能 規定に改正されるなどの背景もあり、市場に出していくためには、JIS製品であることが必要。

* 第2次―によって、内装材等でどれくらいアスベスト含有製品が減少したか、第3次―で波形スレー トの場合どうなると見積もっているのか聞いたが、データを持ち合わせていないとのこと。

* EUでは、スペイン、ポルトガル、ギリシャのアスベスト・セメント産業の構造転換に5年の移行期間 で対処できるとされているようだがと紹介したところ、疑問?のようであった。

(スレート業界に限らず)無石綿製品について、パンフレットなどでPRしたらどうかと、製造メーカー に言ってはいる。

(昨年ヒアリングを実施したという石綿含有製品を製造する大手2社について)無石綿製品の開発 はしていきたいという意向であったが、その後はとくにヒアリング等は実施していない。

* 建設業を取り巻く経済情勢等についてもやりとりが行われ、コスト低減圧力が厳しくなっているとい う話の中で、アスベスト含有建材の廃棄にかかる費用も含めてトータルでコストの比較をする必要 があること、代替化の促進のためにアスベストの禁止・規制が必要という議論を行った。

建設省と一緒に、建築物解体・リサイクル法の次期通常国会提出をめざして作業を進めている。 これが実施されると、コストの議論や代替化の促進にも効果が期待できるのではないかと思う。

3. フランスのアスベスト禁止措置を技術的貿易障壁(TBT)だとしてカナダが提訴した件に関する世 界貿易機関(WTO)の紛争解決処理機関(DSB)における処理手続の進行状況について承知して いることをお聞かせ願いたい。1999年のDSBの議長は日本のAkao Nobuyuki氏と伝えられているが、同氏の役割についてもご説明願いたい。

【回答】 昨年6(?)月28日にカナダが(当事国間の)協議を要請、11月25日にパネルを設置した。パネ ルの議長はAdrian Maceyという人で、当事者であるカナダ、フランス・EUの他に、サード・パーティー として、ブラジル、アメリカ、ジンバブエが入っているということだけは聞いている。パネルの作業は終 了するまで第三国に情報が出ることは少ないということである。

DSB議長の役割は、全体の統括であって、パネルの設置やパネルの報告の採択のとりまとめ等 を行うもの。Akao氏については知らないが、少なくとも通商産業省の人間ではない。

4. 上記WTOにおけるアスベスト禁止をめぐる紛争解決手続に対して、日本政府として、カナダの主 張に反対し、フランス、EUを支持する姿勢を明確にされたい。

【回答】 前述のとおり、パネルの作業は終了するまで外に情報が出ることは少ないということでもあり、 「現時点では何とも言えない」。

* これは昨年と同じ。パネルの報告が出されてDSBで採択等という時点でなければ、まだ立場を問 われる状況ではないということのようであるが、日本政府の立場が未決定なのかどうかは判明しな い。

5. 国会で審議中の「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法 律」の第1種指定化学物質(PRTR―排出量等の把握・届出等の対象)にアスベストを指定されたい。

6. 上記法律の「指定化学物質等の性状及び取り扱いに関する情報の提供」(MSDS)の対象にアス ベストを含めるとともに、提供する情報に以下の内容を含むようにされたい。

・ 肺がん、悪性中皮腫等を引き起こす発がん性があることを明示すること。

・ アスベストの含有率を表示させること。

【回答】

* 環境庁の回答と基本的に同じで、現在の国会で審議中なので、国会を通った後、政令で対象を決 めるために、関係審議会およびパブリック・コメント制度も活用して検討することになる。現時点で はそれ以上のことは言えないとのことであるが、環境庁の説明ではアスベストがPRTRの対象にも なる可能性はあるのではないかと質したのに対しては、首をひねっていた? 環境庁と同様、諮問段階でアスベストが対象とされるよう要望していることを、担当部署に伝えるよう要請した。

* (社)日本石綿協会も機関誌でPRTRに取り組むことを述べていることについては、同協会から勉 強会をしたいという要請があったので、講師を紹介したとのこと。





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