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対策情報 アスベスト対策情報

●アスベスト対策情報 No.26




労 働 省

1999年5月27日(木)13:30〜14:30
合同庁舎第5号館1F共用第2会議室

労働省側出席者

@ 労働基準局庶務課 係長
A 労働基準局監督課 係長 小島
B 労働基準局補償課 係長 成毛
C 労働基準局安全衛生部化学物質調査課 係長 鈴木
D 労働基準局安全衛生部化学物質調査課
E 労働基準局安全衛生部化学物質調査課

F 窓口: 労働基準局安監督課労働事務官 中村雅和、TEL 3502-6742 FAX 3502-6485

全国連側出席者
7名: 古谷杉郎、老田靖雄、西田隆重、永倉冬史、飯田勝泰、佐藤、名取雄司






1. アスベスト禁止に向けた国際的な情勢を踏まえ、日本においてもクリソタイルを含めたアスベスト の輸入・製造・使用等の禁止を早期に実現するようイニシアティブを発揮されたい。国際的な情勢に 関する貴省としての認識もお聞かせ願いたい。

【回答】 化学物質調査課

ヨーロッパなどで禁止する国が増えていることは承知している。

可能な限り情報収集に努めたうえで、総合的に判断し、適切に対応してまいりたい。

* 典型的な官僚答弁で、少なくとも現在禁止を導入する考えではないということのようだが、議論の中 で、「未来永劫使用し続けるという方針ということではない」、「時期というものがあるのかなと思っ ている」という発言があった。

2. 1995年改正労働安全衛生法令によるアスベスト使用建築物の解体・改修工事対策の施行状況 (年度別の石綿等除去作業の計画の届出件数等)についてお聞かせ願いたい。

【回答】 この項の回答は、次の監督課を除いて、すべて化学物質調査課

計画の届出件数は、平成7年度―470件、平成8年度―953件、平成9年度―882件。

また、以下の点を含め、今後さらに対策の強化を図るようにされたい。

・ 届出違反等に関する申告・通報等に対して、迅速かつ適正に対処すること。虚偽の報告等に対 する対応を是正すること。

【回答】 監督課

通報があれば労働基準監督署において速やかに対応し、必要な場合には直ちに是正を求める ようにしている。また、上記計画の届出はその内容をチャックし、問題があれば改善するよう指導して いる。また、この問題に限ったことではないが、適宜、臨検監督を実施することによって対応している。 今後とも迅速、適正に対応していきたい。

・ 1980年以降に施工された「岩綿吹き付け等」でもかなりアスベストを含有するものがあるので、そ の旨を周知・徹底して厳格な法令の適用を図ること。

【回答】 回答なし?

・ 石綿吹きつけの除去作業だけでなく、石綿含有保温材、成形板等使用建築物の解体等作業を、 また、建築物だけでなく船舶等も含めた同様の作業を、使用状況の調査、届出、作業場の隔離等

の対象に含めること。

【回答】 使用状況の調査に関しては、吹き付けだけでなく、石綿含有建材すべてが対象とされている。

船舶等における作業でも、特定化学物質等障害予防規則第38条の8(湿潤化)、第38条の9(呼 吸用保護具・作業衣の着用)等は適用されている。

* 適用対象の拡大については回答なし。

・ アスベスト除去・解体作業に係る特別の作業資格要件を導入すること。

【回答】 アスベスト製品を製造または取り扱う作業については、作業主任者を選任しなければならない ことになっている。

(規制緩和の流れの中で)新たな資格の導入は難しい。

・ 代替製品および代替化の状況に対する情報を提供して、代替化の促進を図ること。

【回答】 今回の労働安全衛生法改正でMSDS(化学物質等安全データシート)の法制化を図っている。 代替化の促進といっても情報がなければ始まらないわけで、このMSDS制度をしっかり徹底させて いきたい。

・ 関係地方自治体と労働基準監督署で定期協議を実施し、現場レベルでの情報交換、連携を強化 すること。

【回答】 この問題に限らず、地方局と関係自治体との間では一般的に情報交換が行われていると聞い ている。

* 新聞でも一部報じられた埼玉県のスーパー・ニチイ行田支店の解体工事の事例(27頁参照)を取 り上げながら、議論を行った。回答は建て前どおりだが、現場では様々な問題が起こっていること をしっかり把握するよう強調した。

3. 労働安全衛生法第57条(表示等)の表示内容の例示通達を廃止または改正し、同条および国会 で審議中の同法改正第57条の2(文書の交付等)の「人体に及ぼす作用」として、すべての種類のア スベストについて、肺がん、悪性中皮腫等を引き起こす発がん性があることを明示させること(クリソ タイルを第57条の2の適用対象とすることはもちろん)。

また、誤った内容については、それを是正させ、悪質な場合には罰則をかけられる仕組みを整備 されたい。

【回答】 化学物質調査課

* 回答は新たなMSDS制度の法制化に関する解説で、質問の趣旨が誤解されていた(MSDSにつ いては、おそらく各物質ごとの内容の例示は行わないだろうとのこと)。

発がん性等の有害性がとくに高い物質として、とくに92物質に表示が義務づけられているのに、 表示内容を例示した通達が、「健康を損なうおそれがあるので注意しましょう」といったお粗末な内 容であるため、発がん物質であることすら表示されていない。一方で、この間行政指導で実施され てきたMSDSの方がはるかに対象物質も広いし、有害性の種類も含めて提供する情報の質と量 も比べ物にもならない。そのような状態の中では、表示義務の現在の例示通達はかえってマイナ スの効果しかもたないことを、数年来指摘してきた。

今回、MSDS制度が法制化され、実施にあたっての指示通達をこれから出すわけであるから、 この機会に表示の例示通達は廃止するか、改善されたいという要請であると説明すると、理解は したようで、検討はされることと思われる。

議論の中では、MSDSと表示(ラベル)は性格も情報量も異なるという議論から、国連やEU等 にモデルがあるような発がん物質等の有害性の種類がひと目でわかるようなマークとラベルを合 わせた表示を考えることや、含有量の表示、色分けによる区分等も提案した。

4. アスベストに係る管理濃度を0.1繊維/cm 3以下に引き下げられたい。

【回答】 化学物質調査課

日本産業衛生学会の許容濃度の勧告やアメリカ産業衛生専門家会議(ACGIH)の曝露限界等の @医学的根拠、A測定の精度、B工学的技術等についての状況を総合的に判断して設定されるこ とになる。

* 日本産業衛生学会の許容棒度委員会がアスベスト粉じんの許容濃度を勧告したら、上述の観点 から(すなわち、それだけで決定するわけではないということ)、見直しの検討を行う気はあるようで ある。

5. ILO第162号石綿条約早期批准に向けた見通しを明らかにされたい。批准に必要で現行法令が 満たしていない要件について明らかにされたい。

【回答】 化学物質調査課

主な点は、@すべての職場での曝露基準(第15条)、A石綿除去作業は資格を有する使用者、請 負業者によってのみ行われること(第17条1項)、B作業衣等の自宅への持ち帰り禁止(第18条1項) 等である。

* これですべてではないことは確認。労働省は以前はILO石綿条約の批准に前向きであったはず であるが、現時点では見通しを持っていないようである。

6. アスベストに係る健康管理手帳の1997年度以降の新規交付件数および年度末所持者総数、検 診受診状況をお聞かせ願いたい。

【回答】 補償課

年度 新規交付件数 年度末所持者総数 健診受診者数
平成8年度 14 14 0
平成9年度 113 127 98
平成10年度(速報値) 67 194 ?

* 都道府県別の状況では、神奈川と兵庫が多く、ゼロのところもあるとのこと。(神奈川労災職業病 センターの調査では、神奈川が34件、その内横須賀労働基準監督署関係が23件(平成9、10年 度)ということである。)

まだまだ制度が知られていないので、宣伝に一層努めることを要請した。

7, アスベストによる肺がん・中皮腫の1997年度以降の労災補償状況をお聞かせ願いたい。

【回答】 補償課

1997年度は21件。

8. 貴省が所掌または関係する都道府県労働基準局、労働基準監督署の施設・設備におけるアスベ スト使用状況および除去、改修、新築にあたっての方針(仕様)等についてお聞かせ願いたい。

【回答】 庶務課

工事については、他省庁と同居の合同庁舎は建設省に依頼。労働省単独のものでも、規模の大 きいものは建設省に依頼しており、独自でやるのは小規模で木造の場合が多い。


ニチイ行田支店の解体工事でアスベスト除去をしない
工事が行われたことについて

1999年4月21日 アスベスト根絶ネットワーク
地元での記者発表資料

1999年2月25日

・ アスベスト根絶ネットワーク(アスネット)に、埼玉県行田市の行田駅前の「ニチイ行田支店」で、解 体工事が行われているが、吹き付けアスベストが除去されないままに解体されており、違法工事では ないかとの問い合わせがある。

・ アスネットは、県と行田労働基準監督署に連絡をする。

・ 県は、東部環境管理事務所大気水質課が対応。事実関係の調査に入る。

・ 行田労働基準監督署は、安全衛生課が対応。担当官は、「吹き付けアスベストがあっても、水を かけて除去すれば問題ない」と発言。アスネットは、労働省が作成した「石綿のあらまし」(パンフレッ ト)をもとに反論。(行田労働基準監督署のアスベストに対する認識不足は、看過しがたい。)

2月26日

・ 県の東部環境管理事務所大気水質課より回答がある。それによると、昨年11月に吹き付け材の 調査をしたが、アスベスト含有率が1%以下であり、市役所に届けられているとのことであった。その ため、ニチイは吹き付け材の除去は行わず解体工事に入る。

(たとえ含有率が1%以下であっても、膨大な量の吹き付け材が使用されていれば、アスベスト粉 じんが発生し、解体作業者、近隣住民に被害が出ることが考えられます。)

・ アスベスト除去業者から、情報提供がある。それによると、実は「ニチイ行田支店」は、昨年の4月 に吹き付け材の分析調査を行っており、その結果はアスベスト含有率は4%であり、さらに他の調査 でもアスベスト含有率は4%であった。したがって、解体工事に先だってアスベスト除去工事をしなけ ればならないことを知っていたはずであるという。

・ アスネットは、その分析の報告書を送ってもらい、東部環境管理事務所大気水質課と行田労働基 準監督署に転送する。

3月3日

・ 行田労働基準監督署に問い合わせたところ、2月26日から解体工事をストップさせ、吹き付け材 の再調査を本日(3月3日)に行うとのこと。

翌週

・ 再調査の結果、アスベストが %含有であることがわかった。この時点でニチイは初めてアスベス ト除去工事を発注。残りのむき出しになったアスベストの除去に着手する。

しかし、工事がストップされるまでに、すでに8,000m 2の半分以上が、野放しに解体されており、解体工事業者、近隣住民のアスベスト曝露は避けられない。ニチイ行田支店が、解体工事が始まる10か月 前には膨大な量の吹き付けアスベストがあることを知っていながら、労働安全衛生法も、大気汚染防 止法も無視して、解体工事を行ったことは、被爆者に対し重大な責任がある。解体工事を担当した労働 者、近隣住民の名簿を作成し、30年間保管し、被災者が出た場合には、速やかに補償に応じる必要が ある。

また、吹き付け材の分析をなぜ2度行ったのか。また、最初の分析で4%のアスベストが検出されたに もかかわらず、2度目の分析結果にしたがったのか、明らかにする必要がある。






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