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2002.1.3 
業界  業界の取り組み



アスベストの早期全面禁止の実現に向けた要請
 2001年1月

 
                                     2001年1月

(社)日本石綿協会
会長 音馬 峻 殿


                             石綿対策全国連絡会議
                             代表委員 加藤 忠由 (全建総連委員長)
                             佐藤 晴男 (自治労副委員長)
                             富山 洋子 (日本消費者連盟運営委員長)
                             広瀬 弘忠 (東京女子大学教授)
                             〒136-0071 東京都江東区亀戸7-10-1 Zビル5階
                             PHONE(03)3636-3882 FAX(03)3636-3881
                             URL: http://homepage2.nifty.com/banjan/
                             Email: banjan@nifty.com



      アスベストの早期全面禁止の実現に向けた要請


私どもは、日本におけるアスベストの早期全面禁止の実現、アスベスト被害の根絶と既存アスベストに対する抜本的対策の確立のための取り組みを進めてまいりました。過去、何度か様々なかたちで貴協会とも意見交換の機会等をもたせていただいているところです。

さて、「発がん物質・アスベスト」の国際的な命運はもはや定まったかのように見えます。昨年夏にEUが2005年までのヨーロッパにおける全面禁止を決定し、アスベスト産出=輸出国であるブラジルをはじめ、ラテンアメリカやペルシャ湾岸諸国、オーストラリア等々においても、EUの決定にならう意向の表明ないし検討が進められていると聞いています。カナダが、1996年のフランスのアスベスト禁止決定を自由貿易の原則を侵害する「非関税貿易障壁」であるとして世界貿易機関(WTO)に訴えたケースでも、昨年9月には、カナダの訴えを退けるWTOの紛争解決パネルのレポートが公表されました。同じ9月に、世界中30か国以上から300名をこす様々な立場の人々が集まってブラジルで開催された世界アスベスト会議には、私たちの代表4名も参加しましたが、あらためて世界的なアスベスト禁止こそが唯一の解決の道であることを実感してきたところです。

そのような中で、日本は1999年のアスベスト輸入量も117,143トンと、10万トンを割るにいたらず、国際的な孤立状況をますます深めていると認識しています。

不幸なことに、しかし予測どおりに、日本においても被害の顕在化が明らかになってきました。新聞報道もされているように、「アスベスト被害の指標疾患」とも言われる中皮腫による死亡件数が1995-99年の5年間に2,890人にのぼっていること、1999年には647人と前年比で14%の増加、1995年からの5年間では約30%も増加していることが明らかになりました。肺がん等も含めたアスベストによる死亡者数はすでに年間数千人になっているものと予想でき、日本におけるアスベスト使用の歴史的経過を考えれば、今後も増加し続けることは必至であると推測できます。

私たちは、日本においても一日も早く、アスベストの全面禁止を制度的に導入しなくてはならないと確信しているところであり、貴協会におかれましてもぜひそのためのご協力を賜りたいと要請いたしますと同時に、以下の点について率直な意見交換の場を設定していただきますようお願い申し上げる次第です。


1. アスベスト全面禁止に向かう国際的な流れについて、どのように理解されているか、お聞かせ願いたいこと。

2. 日本のアスベストおよびアスベスト含有製品の新規の輸入、製造、使用等の現状および今後の見通しについて、お聞かせ願いたいこと。

3. 貴協会を含めた関係業界、業者において、アスベストの新規の輸入、製造、使用等を期限を定めて中止される意向がないか、お聞かせ願いたいこと。

4. 中小零細等一部の業者においては、アスベストの新規の輸入、製造、使用等を中止するにあたっても、制度的な裏づけや補償なども必要なのではないかと考えますが、その点についてのお考えもお聞かせ願いたいこと。

5 その他、貴協会が考えられている今後の取り組みの方針等について、お聞かせ願いたいこと。


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