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2002.1.3 
業界  業界の取り組み



今後のアスベスト使用等に関する緊急質問
 2001年3月

                                   2001年3月

(社)日本石綿協会加盟各社御中


                  石綿対策全国連絡会議
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     今後のアスベスト使用等に関する緊急質問


私どもは、日本におけるアスベストの早期全面禁止の実現、アスベスト被害の根絶と既存アスベストに対する抜本的対策の確立のための取り組みを進めてまいりました。

先般、(社)日本石綿協会宛てに、同封の別紙のような要請[2頁参照]をさせていただき、2月9日に、10名の私どもの代表と6名の協会の代表でお話し合いをさせていただいたところです。

その場では、「協会として、アスベスト使用中止を決定するという英断を」との要望に対しては、協会としては議論も決定もしていないとのことでしたが、ご案内のとおり、3月6日付け朝日新聞夕刊に、クボタと松下電工が使用中止を決定という報道がなされました[22頁参照]。

一日も早く日本におけるアスベスト輸入・使用の中止を確実なものにさせたいという願いは、私どものみならず、国民全体のものであり、今後の動向に大きな注目が注がれていることから、この緊急の質問をさせていただきました。お伺いしたい点はほかにも多々あるのですが、上記趣旨および先日の協会との話し合いの内容に関連した事項に絞っています。

ご多忙中のことと存じますが、3月20日までに、同封の返信用封筒にてご回答いただきますようお願いいたします。なお、日本石綿協会の平成12年3月31日現在の会員名簿に基づいて発送させていただいていることをお断りしておきます。


※ この緊急質問は、2000年3月31日現在の(社)日本石綿協会会員名簿記載の78社(正会員67社、輸入・販売業者11社)に発送したが、回答があったのは10社にとどまった。うち1社は、「販売会社で製造等は一切ない。7〜8年前からほとんどアスベストの販売はない。現在、わずかにグランドパッキンの販売があるのみ」としただけ。別の1社は、直接のアンケートへの回答というよりも(「石綿の害について自然科学的な判断の基準を今の段階では断定できないために回答を留保」)、見解を表明したものであった(石綿問題というグレーゾーンの問題のために、無理やり舞台から引きずり下ろされるのは納得できない。有害性がはっきりしているタバコの禁止を最優先に…等)。なお、同社では、主としてけいカル板とフレキシブル板を生産しているが、前者については、「皆様を中心とする反アスベストキャンペーンが徐々に浸透し、無石綿を希望するユーザーが増え、その結果、扱い店も無石綿製品販売の要望が高まったため、やむを得ず」、2000年から全面的に無石綿に切り換えたとのこと。

したがって、残る8社(すべて製造会社)の分の回答の概要を、質問項目の後に紹介する。

なお、「平成12年度経済産業省委託・石綿含有率低減化製品等調査研究報告書(平成13年3月 (社)日本石綿協会)」が、「石綿含有製品及び無石綿製品の将来動向に係わる国内調査」の結果をまとめており、59頁以下に紹介してあるので、合わせて参考にしていただきたい。




今後のアスベスト使用等に関する緊急質問及び回答の概要


会社名:
担当者氏名・肩書または所属:
住所:
電話番号・Eメール等:



(1) 貴社では、アスベストの輸入・使用を今後中止されることを決定ないし検討されていますか。

1. 決定している。
1.の場合→( ア. 年 月までに中止の予定、 イ.時期は未定、 ウ.その他: )
2. 決定していないが検討はしている。
3. 検討もしていない。
4. すでに輸入・使用していない。
4.の場合→ 年から 年まで輸入・使用していた。
5. その他 (具体的にお書きください)。

※ 「1. 決定している」が、「ア. 時期も決定済み」の2社(2001年5月及び同年10月までに中止予定各1社)、「ウ. 時期は未定」の1社、の合わせて3社。「2. 決定していないが検討している」が2社、「4. すでに輸入・使用していない」が3社(S33〜H12、?〜H9―「近日中に廃業の予定(スレート)」、?〜H12)。


(2) 輸入・使用の中止を決定されていない場合は、その理由を具体的にお書きください。

輸入・使用の中止を決定されている場合には、決定に至った理由を具体的にお書きください。

※ 使用中止を「決定していないが検討している」と答えた1社―「抄造性、防火性、コスト性で代替商品を検討している」。「決定していないが検討している」と答えた別の1社―「顧客要求、環境汚染等に配慮する」。「2001年5月までに中止を決定済み」と答えた1社―「基本的には中止を前提としてきたが、アスベストフリー化による競争力の低下(コストアップ)が単独実施を妨げてきた。PRTR、MSDSの導入をひかえ、企業としての社会的責任とイメージを考慮した」。


(3) 輸入・使用を決定されている場合、原料アスベスト、アスベスト含有製品の在庫品については、どのようにお考えですか。

1. 使用中止後は在庫品の販売等は行わない。
2. 使用中止後も在庫品がなくなるまでは販売等を行う予定である。
→その他の場合も含めて、具体的な方針をお聞かせください。

※ 使用中止を「決定していないが検討している」と答えた1社、「決定しているが、時期は未定」と答えた1社(受注生産のため使用中止決定以降数か月間の受注を受け、その後は受注せず)、「2001年5月までに中止を決定済み」と答えた1社、「2000年まで使用していた」と答えた1社の、計4社が「2」と回答。


(4) 貴社は海外の子会社、関係会社等でアスベスト含有製品の製造を行っていますか。行っている場合には、その状況および(1)と同様の今後の使用中止の方針についてお書きください。

1. 行っていない。
2. 行っている。
2.の場合、その状況および(1)と同様の今後の使用中止の方針についてお書きください。

※ 「1. 行っていない」が8社。


(5) 貴社は以下のどれに該当しますか(該当するものが複数の場合はすべてに丸をしてください)。

1. アスベスト含有製品を製造している。
2. かつてはアスベスト含有製品を製造していたが、現在はしていない。
3. アスベストを輸入している。
4. かつてはアスベストを輸入していたが、現在はしていない。
5. 1-4のいずれにも該当しない。
5.の場合石綿協会会員資格のいずれに当たるか具体的にお書きください。


※ (1)の回答内容と同じ。


(6) 貴社では、アスベストを直接輸入されていますか、国内企業から購入されていますか。

1. 直接輸入している。(輸入元国: 企業名: )
2. 国内企業から購入している。(企業名: )
3. その他 (具体的にお書きください: )
4. 両方該当する場合には両者の割合は? (輸入:購入:その他= : : )

備考:
※ 5社が「国内企業から輸入」と回答。3社は未記入。


(7) アスベスト含有製品を使用されている場合には過去10年間の原料アスベストの使用量を、輸入されている場合には過去10年間の輸入量をお書きください。

1991年 kg 1996年 kg
1992年 kg 1997年 kg
1993年 kg 1998年 kg
1994年 kg 1999年 kg
1995年 kg 2000年 kg

※ 数字を記入していただいたところが4社(概要は次項参照)、「資料なし」が1社、未記入3社。


(8) アスベスト含有製品を製造されている場合には、製品名、製品の種類、アスベスト含有率等をお書きください(別表のようなかたちでもけっこうです)。

※ 使用中止を「決定していないが検討している」と答えた1社が、パルプセメント板(含有率2.9%)、スラグ石膏板(含有率4.5%)(前項の回答―1991年350t→2000年200t)。「決定していないが検討している」と答えた別の1社が、スラグ石膏板(含有率4.8%)、パルプセメント板(含有率4.4%)、繊維混入セメント炭酸カルシウム板(含有率5.2%)(前項の回答―1994年300t→2000年280t)。「決定しているが、時機は未定」と答えた1社が、グランドパッキン(含有率60-70%)、ジョイントシート(含有率60-70%)(前項の回答―1991年280t→2000年50t。「2001年10月までに使用中止決定済み」と答えた1社が、含有率のみ「平均4%使用」との記載(前項の回答―1991年1,100t→2000年1,000t)。「2001年5月までに使用中止決定済み」と答えた1社が、ブレーキライニング(大型・中型トラック用)(含有率45-55%)(前項の記載なし)。


(9) 日本でアスベストを全面的に使用中止するためにはどのようなことが必要とお考えですか(複数回答可)。

1. アスベストを代替化する技術の開発(具体的に: )
2. アスベスト製品と代替製品との価格差の解消(具体的に: )
3. ノン・アスベスト製品に対する消費者のニーズの高まり(具体的に: )
4. 業種転換等に対する助成措置(具体的に: )
5. 法令等による規制措置(具体的に: )
6. その他(具体的に: )

※ 記載のあった7社中、「1. 代替化技術」が3社、「2. 価格差の解消」が2社、「3. 消費者ニーズの高まり」が2社、「5. 法令による規制」が2社(2.について、「10〜15%のコストアップ」、4.について、「規制され石綿が使用禁止になれば本腰で研究開発する」(使用中止を「検討はしているが決定はしていない」会社)等の記載があった)。


(10) 私どもは、日本においても、法令等によるアスベストの全面使用禁止措置の導入が必要であると考えておりますが、いかがお考えでしょうか。いずれの場合も具体的な理由もお書きください。

1. 必要だと思う。
2. 必要だとは思わない。

理由:

※ 「1.」が3社、「2.」が3社、未記入2社。未記入の1社は、「『環境のためにはコストアップも受け入れる』という消費者の意識改革が不可欠」と記載。「2.」の回答者では、「クリソタイルアスベストの有害性の根拠が不明」、「吹付けとは違い板状だから指導通り使用すればよい」、「用途により使用されても良い部分があると考える」の記載あり。


(11) 貴社では、「環境報告書」またはそれに類したものを発行していらっしゃいますか。発行している場合には、アスベストに関する記述があるでしょうか。記述がある場合には、ぜひ提供してください(入手方法を知らせていただくのでも結構です)。記述がない場合には、その理由をお書きください。

1. 発行していない。
2. 発行している。
i. アスベストに関する記述がある。
ii. アスベストに関する記述はない。

理由:

※ 「1.」が7社、「2.」は0社、未記入1社。


(12) さる2月9日の石綿協会との話し合いにおいては、製品に「a」マークを付けるだけでなく、一般消費者向けのカタログ等に、アスベスト含有の有無、含有率、危険有害性、廃棄を含めた取り扱いの注意等の情報を掲載するように、協会としての検討を要望したところですが、この点の対応に関して貴社ではいかがでしょうか。


1. すでにカタログ等に記載して情報提供している(見本を同封してください)。
2. 対応する方向で検討する。
3. 対応はむずかしい。
3.の場合→具体的理由もお書きください。

※ 「1.」は0社、「2.」が4社、「3.」は0社、「一般消費者向けのカタログ等はない」が1社、未記入3社。


(13) さる2月9日の石綿協会との話し合いにおいては、過去に製造・販売等されたアスベスト含有製品について、時期ごとの(時期によって同一製品名であってもアスベスト含有率等が異なるケースがあるため)、アスベスト含有の有無、アスベストの種類、含有率等に関するデータベースを構築して情報提供できるように、協会としての検討を要望したところですが、この点の対応に関して貴社ではいかがでしょうか。

1. すべての時期のすべての製品について、情報提供できる。
2. 情報がない部分もあるが、情報のあるものについては提供できる。
1.または2.の場合→一覧表のようなかたちで提供できれば、同封していただくか、後日、送付していただけると幸いです。
3. 情報はあるが、提供できない。
3.の場合→具体的理由もお書きください。

※ 「1.」は0社、「2.」が4社、「3.」は0社、「わからない」が1社、「有無調査等の労力もあり困難」が1社、未記入2社。


(14) その他、特記すべき事項がございましたら、お書きください。


※ 記載なし

* ご協力ありがとうございました。同封の返送用封筒で下記宛てご返送下さい。


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