S.O.さん(造船所に30数年間勤務、悪性胸膜中皮腫)

被害者の声
目次

Oさん

 私の夫S.O.は、横須賀じん肺被災者の会の会長を長年にわたり務めていました。何時も患者さんのお見舞いに行って来ると「胸膜中皮腫にだけはなりたくない。苦しむんだぞ・・。」と言っていました。

 その悪性胸膜中皮腫に自分がおかされ、さぞ無念だった事でしょう。造船に30数年、狭い所で塵や埃を吸いながらの仕事、さぞ大変だったと思います。潜伏期が長く病魔に襲われた時には、手の施しようが無く、進行を少ししかおさえる事が出来なかった様です。悪くなりだしたら病気が進み、知人に「この薬が良い」と聞けばそれを呑み、「免疫注射が良い」と言われればそれを打ち、ただ生きる事を目標にやってきました。

 表に一歩出るにも酸素をつけなければ苦しくて歩くことが出来ません。この世の中には酸素がいっぱいありながら自然に吸うことが出来ない事が悲しかったです。酸素をつけて5ヶ月、本人も「外が歩けなくなっては・・」と、ベットの所で足踏みをして、体を鍛え迷惑を掛けないようにと一生懸命でした。

会社でのアスベストの使用と病気を怨みます。
せめてもう少し、長生きをしてほしかったです。
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