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2001.2.25

安全センター情報


1998年5月号



アスベスト禁止をめぐる世界の動きが今年に入ってから一層目まぐるしくなっている。連日(は大げさにしても)E-mail等による情報が届けられている。逐次、最新情報をお伝えするようにしていきたい。
昨年のフランスに続き、今年になってベルギーもアスベストの法律による禁止に踏み切ったようだ。EU内で9番目―他はオーストリア、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、スウェーデン。スイスとノルウェーを含めると、ヨーロッパで禁止している国はすでに11か国。
1・2月号で紹介した後の動きをお伝えする間もなく、イギリスが激動している。実は3月10日のHSC(安全衛生委員会)の会議で、来年1月からの禁止提案が公表される予定だったものが、突然覆されたというのである。イギリスがEU閣僚会議の議長を務める1998年前半中にEUレベルでのクリソタイルの禁止ももくろまれていたようで、若干の後退をしたことは明らかだが、まだまだ事態は進行中である。 背景には、カナダなどによるEC科学検討委員会やWTO(世界貿易機関)等々を利用したなりふり構わぬ激しい抵抗がある。



アスベスト禁止: 回り道か挫折か?


British Asbestos Newsletter, Isuue 30, Spring 1998



経済的脅迫と政治的圧力が、過去2年以上にわたりイギリスおよびヨーロッパにおいて増進されてきたアスベスト禁止に向けた勢いに悪影響を及ぼしている。今年初めに、ロンドンの安全衛生員会(HSC: Health and Safety Commission)およびブリュッセルの欧州委員会(EC: Euro-pean Commission)で起こった事態の突然の展開には、アスベスト・ロビイストたちと緊密に組んだカナダ政府の代理人たちの責任があるとみられている。「ECは、クリソタイルおよび代替品による近い将来のリスクについての科学的証拠に基づいて、ヨーロッパ規模での禁止を調和させる提案を提出するだろう」という、HSCが1997年にたてていた予測は、不確かなものになりはじめてきた。

勢いを得てきた昨年以来、(イギリスの)労働党政府は様々な機会に、アスベストの禁止を明言してきた。政府のスポークスパーソンは、「アスベスト問題を実際に処理する」、「アスベストによる死亡者数を減少させる」と約束した。6月には、若き環境大臣 Angela Eagle が下院において、「イギリス国内でのアスベストの輸入、供給、使用の禁止を導入するための手法」について、政府に助言する責任を負った独立機関である、HSCが研究を行っていると述べた。2月17日に、下院におけるアスベスト専門家、労働組合幹部、健康活動家、下院議員および関係政党との会合において、Eagle は政府の意向について繰り返した。3月13日にテレビ放映されたインタビューで、Eagle は、ヨーロッパにおける白アスベストの禁止は、「イギリスのEU(閣僚会議の)議長任期中の中心的な優先事項である…私はもちろん、議長任期の終わり(1998年6月)までに禁止を実施(決定 in place)できるだろうと期待している」と語った。4月1日には、環境大臣は、「政府はすでに白アスベストを禁止する意向を発表しているが、白アスベストの禁止のためには大きな問題がある…」と書いている。

HSCの公式の刊行物によれば、クリソタイルを禁止する提案は1997/98年中に行われるはずであった。3月の初め、3月10日のロンドンでの会議に先だって、HSCは各委員に対して、アスベスト規則に関する協議用文書の草案を配布した。この文書は禁止を要求し、「イギリスでクリソタイル(白)アスベストを使用し続ける賢明さ」に異議を唱えていた。それは、「他の種類のアスベストによる健康リスクを歴史的に軽視してきたことの悲劇的な遺産が、クリソタイルの全般的な禁止が将来の長期間にわたる潜在的な犠牲者の数を確実に減少させる唯一の慎重な方法であるという議論を増強していること」を思い出させていた。3月10日の会議のちょうど前日、草案の改定版が出されたが、そこからは禁止に関する全ての言及は削除されていた。ロンドンでの会議に出席した人々は、HSCのスポークスパーソンが、今回は禁止は勧告されなかったと発言するのを聞いて唖然とした。HSCは「クリソタイル・アスベストおよび代替品によるリスクについての現存する、また、明らかにされつつある証拠は、より広範囲の禁止を正当化する強固な科学的根拠を提供していると確信している」としていたものが、いまでは、代替品に関する科学的証拠は、「安全性を見極めるのに不十分」であると主張しているのである。

HSCの「独立した立場からの助言」がこのような短期間のうちに変化したのには、何が起こったのだろうか?労働党下院議員の Michael Clap-ham(Barnsley West and Penistone選出)は、「協議用文書から輸入禁止を抜け落とさせるという指令は、労働党政府の高いところからもたらされたもので、私はNo.10からもたらされたのではないかと疑っている」としている。一般・自治体ボイラー製造労働組合(GMB: General and Munici-pal Boilermakers Union)書記長で労働組合会議(TUC: Trades Union Congress)議長でもある John Edmonds は、「最も高いレベルからの政府の干渉しか、このHSCのU-ターンを説明できない。何がこのような無責任な変心を引き起こしたのか神は知っている」と抗議した。Edmondsは、「政府が禁止を引き延ばした真の理由は、イギリスの牛肉のBSEによる輸入禁止を引き合いにした、アスベストの大生産者であるカナダの働きかけが功を奏したということだ」と示唆した。 カナダのアスベストとイギリスの牛肉を取り引きしたという疑惑は蔓延している。3月5日と6日、カナダの食品検査機関は、カルガリーの2つの専門の小売商から輸入された、バクスターの高地肉汁、アトラ(牛脂肪)、ビスト顆粒肉汁、ボブリル、ハインツ焼豆とポーク・ソーセージ、ハインツ・オックステイルスープ、スパン(缶詰ハム)、ビスタ焼麺を含むイギリス製の加工食品および他の27種類の食品を大量に押収した。カナダ当局は、「これらの製品は適切な検査証明書なしに輸入され…(また)カナダの食品安全基準に適合しているか確かめられていない」と主張している。これらの製品の多くは定評のあるイギリスの食物であり、カナダのイギリス専門家が「delicacies」とみなしている。これらの商品は重要な時期にカナダで販売されたようであり、理解しやすい疑問は、HSCがクリソタイル禁止の計画を発表する予定だった日のわずか1週間たらず前に、カナダ当局がこれらの品を差し押さえることを選んだのはなぜか、ということである。 3月11日のHSCのプレス・リリース(前頁囲み)は、ECの毒性・環境毒性および環境に関する科学委員会(CSTEE: Scientific Committee on Toxicity, Ecotoxicity and the Environment)のレポートによって、アスベストの方向転換を弁明している。驚くべきことに、公衆衛生と労働安全全般に関するECの責任者である W. J. Hunter 博士は、このレポートは「白アスベストは禁止すべきではないと勧告したものと解釈」されるべきではないと信じていた。CSTEEは、Directorate-General(DG) XXWの賛助による独立機関として1997年7月に設置されたもので、「共同体の役割に関する立案および勧告のために質の高い科学的助言」を提供するためにBSEの失敗の後に設立された、たくさんある消費者の健康保護に関する委員会のひとつである。CSTEEの任務は、「その使用が人間の健康および環境に対して有害な影響を与える可能性のある化学物質、生化学的、生物学的合成物質」を調査することである。昨秋、DGV(産業)が、以前に委託した「環境資源管理(ERM:Environmental Resources Manage-ment)による、アスベストと代替品繊維によるハザーズとリスクの最近のアセスメントおよび世界におけるそれらの繊維の規制」(ERM、1997年6月)と題した文書に対する委員会の意見を求めた。Terracini 教授が議長を務め、4名のCSTEEのメンバーからなるワーキング・グループが、ERM文書のピア・レビュー(専門家同士の検討)を実施し、2月9日に最終意見が発表された。これは、インターネット上でみることができる(次頁囲み記事参照、30頁にアドレスも記載)。

その検討中、CSTEEワーキング・グループが参考にした文書は、国際化学物質安全評価計画(IPCS: International Programme on Chemical Safety)の文書の草稿、および、Graham Gibbs 博士(カナダのアスベスト産業と強い関係を持つことで知られている)、ケベックのアスベスト研究所の元衛生環境部長の Jacques Dunnigan、その他によってERM文書について書かれたものだけであった。ERMレポートは、「市場で入手できるクリソタイル・アスベストによる曝露は、量反応関係をもって、石綿肺、肺がん、中皮腫のリスクの増加を引き起こしており、それ以下ならばクリソタイル・アスベストは発がんリスクをもたらさないという曝露の閾値は確認できない」と判定したが、CSTEEの意見では、「肺がんまたは中皮腫に関する真の閾値があるかどうかを確認することは不可能である。推測するための決定的な情報が欠如しているため、クリソタイルの安全水準はないと仮定することが適当であろう」という結論になっている。ERMが、「これらのタイプの繊維(代替品)の各々は、クリソタイルよりも人間の健康に対するリスクが小さいと思われる」としているのに対して、CTSEEは、「特定の代替物質が…現在使用されているクリソタイルよりも、人間の健康に対するリスクが実質上少ない」かどうかは明確でないと言い切っている。CSTEEメンバーの清廉さと委員会がアスベストに関してほとんど完全に専門性が欠如しているのではないかという疑いが持ち上がっている。委員会に提出された資料の欠如、あるいはその調査手続の不適当さも、また非難されている。とりわけ、ローマのカナダ大使館を通じてカナダおよびケベック州政府によって進んで提供された資料に信を置いたことは、疑問視ないし最悪とみられている。あるEU関係者は、CSTEEはERMレポート自体よりもERMレポートに対するカナダの批判に対して寛容であるようにみえる。なぜなら、後者がより物語調の文体で書かれているのに対して、前者は科学的文書のように組み立てられているから、と皮肉に語っている。そのうえ、カナダの協力の別の見本として、「世界規模でのアスベストの安全な使用を擁護・促進する協同の努力によって現存の資源の利用を最大化すること」を目的に設立された団体である、アスベスト研究所がアルゼンチンの雑誌: 労働衛生に提出した、中皮腫に関する5つの論文がある。昨年出版されたこれらの論説は、クリソタイルの安全性を支持しているが、緻密なレビューの証拠はまったく示されていない。

CSTEEの検討にとって重要でありながら軽く扱われているのは、IPCSの枠組みのなかで国連環境計画(United Nations Environment Pro-gramme)、世界保健機関(WHO: World Health Organisation)および国際労働機関(ILO: Inter-national Labour Organisation)が1996年に委託した、「クリソタイル・アスベストに関する環境保健クライテリア」と題したレポートである。IPCS計画のために選ばれた14名の世界の専門家が、1996年7月に文書を仕上げるためにジュネーブに召集された。 John Dement 教授(副議長)、Julian Peto 教授、Arthur Langer 教授、Leslie Stayner 博士を含め、出席者のほとんどがアスベスト問題を直接に熟知している人々である。WHOによると、「140以上のコンタクト・ポイント―開発国および開発途上国双方の、共同研究センター、研究所および個人―が、クリソタイルの評価の準備作業に関与しており、オーストリア、カナダ、中国、クロアチア、フィンランド、ドイツ、イタリア、日本、イギリス、アメリカの10か国の17名の専門家によってレビューが行われた」。結論部分の1998年の草案では、「クリソタイル・アスベストの曝露は、量反応関係をもって、石綿肺、肺がん、中皮腫のリスクの増加をもたらす。発がんリスクの閾値は確認されていない。クリソタイルのより安全な代替品が入手可能なところでは、それら(代替品)の使用を考えるべきである。アスベスト含有製品は一定の影響をもたらすものであり、代替品へのクリソタイルの使用は勧められない。…建材は特に重要である」。IPCSの作業が完了していないため、このレポートはまだ発表されていないが、1998年夏には入手可能になると思われる。 CSTEEの物議をかもす調査結果にもかかわらず、ECにおけるアスベストの流通と使用に責任を持つ部門(DGV)は、「共同体規模の除外品目つきのクリソタイル・アスベストの禁止(a Commu-nity wide ban on chrysotile asbestos with exemptions)」を支持し続けている。欧州連合(EU)のメンバー15か国のうち現に9か国が国内でのアスベスト禁止を実施しているのに、他のやり方をとるのは困難であろう。ベルギーの閣僚評議会は、1998年1月30日に、アスベストを禁止する法律を通過させた。アスベストを禁止しているEUの他の8か国は、オーストリア、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、イタリア、オランダおよびスウェーデンである。残る6か国のEUのメンバーのうち、スペイン、ポルトガル、ギリシャは強固に禁止に反対しており、ルクセンブルグは禁止を支持することを示し、アイルランドは過渡期の措置が受け入れられるならば禁止を支持するかもしれないとほのめかしているという状況のなかで、イギリスは結果的な禁止について根本的な責任がある。3月19日の欧州議会において、DG XXW部長の Reichenbach は、彼の理事会はできるだけ早くEU規模の禁止の実施を支持することを確認した。Reichenbach は、進歩を妨げるCSTEEの見解は認められないと確信している。EUにおける禁止を実現する2つのプロセスが存在する。メンバー諸国の当局者たちは、現在のクリソタイルの流通に関するEUの法律(指令 91/659/EEC)を、科学技術の進歩に基づいて、あるいは、閣僚たちが新しい理事会指令を通過させることによって、最新のものにすることができる。最初の選択肢の方がはるかに回りくどくなく、手っ取り早い。 3月3日、DGVのアスベスト・ワーキング・グループは、CSTEEの見解の意味を討議するために集まった。グループは、このレポートはクリソタイルの禁止を支持するものでも、その土台を侵食するものでもないと結論を下した。この日の最後に、ワーキング・グループは、CSTEEの助言は様々な情報のひとつとなるものであり、経済的、政治的問題などの他の要素も考慮する必要があると決定した。これはひねくれているがもっともらしく、EUのクリソタイルの禁止を採用しないでいることのひとつの影響は、アスベスト製品の輸入を拒否しているメンバー諸国を自由貿易を侵害しているとして処罰できるかもしれないということである。科学的疑問が解決できないとしても、DGVが入手可能なすべての情報に基づいて物事を決定するところまできている。DGVのスタッフは、フランスの研究者たちや(イギリスの)HSEの職員と連絡し合って、4月24日の次のCSTEEの会議に提出するための代替品に関するさらなる情報を収集している。これらの情報はたぶんその時までには間に合わず、その次の6月15日の会議まで延期されるだろう。

手続がいまだ進行していないにもかかわらず、世界貿易機関(WTO: World Trade Organi-zation)が解決策について議論して、カナダの代表を明らかに動揺させた。昨夏、カナダは、1997年のフランスのクリソタイル禁止に対して、WTOの貿易の技術的障害(TBT: Technical Barriers to Trade)委員会に異議を申し立てた。この問題はペンディングされてきて、次回の意見陳述は3月27日のTBTの会議になると予想されていたが、事態はそれらの手続を追い越している。WTO関係者によれば、ジュネーブでの3時間のTBTの会議のなかで、討論さえされなかったという。カナダは、ブラジルの支持を得ながら、ベルギー政府の新たなアスベストの流通、製造、使用を制限する基準について、手続上の不備に異議をとなえてWTOに通告した。ベルギーのために発言した欧州委員会のある代表は、3月3日にこの件に関する王令(royal decree)がすでにベルギー政府によって承認されていることを確認した。WTOはしかるべき時に、TBTでこの問題の討議をオープンにするだろう。
ブラジルがTBTにおいてカナダの動きを支持することは驚くべきことではない。世界の上位5か国のアスベスト生産者になると同時に、ブラジルはまた主要な消費国のひとつでもある。ブラジルのアスベストのほとんどが、スイスの Eternit グループとフランス企業 Saint Gobain をバックとしたコンソーシアムによって採掘されているが、そのスイスとフランス両方でアスベストは禁止されてしまっている。Saint Gobain の完全な子会社である Carborundum が提訴されたときに、いまではフランスで違法とされている物質を下取りに出す不均衡を、テキサスの陪審員がなくさなかったことは怪しむべきことである。2月に、石綿肺に罹患した21名の鉄鋼労働者が陪審に、「メッセージをはるばるフランスとブラジルまで届ける」よう求め、陪審たちは原告に2億1,500万ドルを裁定することでこれに応えた。アスベストの使用を禁止する法案は、1993年にブラジル議会により退けられた。その後、アスベストの継続使用を保証する法案が通過した。1997年10月、ブラジルにおけるクリソタイルの探査の拡大を認める新しい規則が承認された。ブラジルの労働省は、1,219,389事業所を監督するために628名の監督官を雇用しているが、これは毎年各事業所を訪問するのに必要な監督官の4分の1に相当する。近年、アスベスト工場の監督によって様々な状態がみつかっている。ある監督官が率直に語ったところによれば、「3月に、労働省のサンパウロ事務所からきた職員が Paraiba Valley 地区の Tonolli アルミニウム会社の3つの施設を抜き打ち検査したところ、現行の労働規則と消費者の権利を侵害し、不法な、ラベル表示がされていない容器が、溶解したアルミニウムを保管し、輸送するために使用されていた。この会社は警告を受けたが、起訴されてはいない。ブラジルでは、アスベストの「管理された使用」が実際には悪夢となっており、どこかよそのところの話のように思われている。 カナダ当局にとっては、いまだにクリソタイルのの採掘と加工が問題化されていないようにみえる。北アメリカで配布されているパンフレットでは、観光客を、「現在も操業中のアスベスト鉱山のガイド付きツアーのかけがえのない機会」に誘っている。4月初旬に、イギリスのジャーナリストのグループは、その経験を得る幸運に恵まれるかもしれない。カナダの高等委員会(?、High Commi-ssion)が、選びだした全国マスコミの記者および安全衛生ジャーナリストたちを、アスベストに関する事実調査団としてカナダに招待したのである。この旅行のスポンサーが、イギリスのメディアがフランスの同僚のように、クリソタイルに関する「政策」に理解をもつようになることを期待していることは明らかである。初期のフランスのジャーナリストたちの旅行は、フランスのメディアのなかにアスベスト支持派を生み出すという成果をもたらした。観光客やジャーナリストたちがアスベスト産業の探検に招待されているのと同じ時期に、カナダ労働会議(Canadian Labour Congress)は、カナダ人のなかでのがんの高い発生率を減少させることを目的としたがん予防全国キャンペーンを支援する。1998年に、3人に1人のカナダ人ががんに罹る生涯リスクに直面している。1970年代にはこの数字は5人に1人、1930年代には10人に1人であった。カナダ自動車労働組合(CAW: Canadian Autoworkers Union)では、地域の労働組合の活動家たちに、労働現場におけるハザーズを確認し、除去し、また、労働と環境に関連したがんの発生率を減少させるための地域における取り組みを支援するよう促している。 2月の全員一致の決定によりカナダ最高裁判所は、Succession Guillemette v. J.M. Asbestosの事件で、ケベックのスペリオル裁判所およびケベック控訴裁判所の判決を覆した。正義を忘れた決定の基礎をなす決定的な疑問のひとつは、明確でない科学的証拠の結果をだれが我慢するのかということである。最高裁判所は、肺がんで死亡したアスベスト鉱山労働者の妻に、たとえ彼が石綿肺と診断されていなかったとしても、労災補償(の支給)を裁定した専門委員会の判定を支持した。疫学的データが決定的でなかったとしても、法廷は、とりわけ石綿肺、肺がん、中皮腫はケベックの産業アスベスト関連疾患リストに掲載されており、証拠は十分であると確信した。1998年2月23日に最高裁判所は一致した。カナダの労働組合と最高裁判所が一方の側にあり、観光局とカナダおよびケベック州政府がもう一方の側にあるようにみえる。 4月中の事態は、イギリスとEUにおけるクリソタイルをめぐる論争の行方に影響を与えるだろう。4月7日、EUの雇用・社会問題評議会は、アスベスト曝露によるリスクからの労働者の防護に関する評議会の結論の草案について討議するため、ルクセンブルグで会議を行う予定である。この会議に関する要点を記した文書では、「これらの結論の目的はアスベストを取り扱い、曝露する労働者の防護の問題を処理することであるが、代表団の大多数は、アスベストの使用を禁止する必要性についての言及もなされるべきであると感じている。これがすべてのメンバー諸国に受け入れられなかったとしても(評議会の結論は満場一致によってのみ承認される)、関係した代表団はおそらくそのポジションを説明した声明を出すことになるだろう」。ドイツとオランダは禁止派勢力をリードするものと予測されている。4月22日には、ストラスブルグでの欧州評議会に向けた、Tom Cox 氏の手になる、労働者および環境に対するアスベストの危険性についてのレポートが提出される予定である。このレポートは昨年、社会、健康、家族問題委員会によって承認されたものであるが、「ヨーロッパは、将来のアスベストの使用を根絶するという共通の目的を持つべきであり、(関係者は)法令による禁止がアスベスト問題の効果的な解決方法であるという見解をとるべきであろう」という文章を含んでいる。EUのすべてのメンバーおよび多くの東ヨーロッパ諸国を含む40か国からの代表たちは、このレポートを容認し、拒絶し、または承認することができる。カナダとロシアによるロビイングが激しくなることが予想される。この評議会によってクリソタイルの禁止が採用されることは、ヨーロッパにおけるクリソタイルの将来を決定するうえで重要なことである。
Compiled by Laurie Kazan-AllenBRITISH ASBESTOS NEWSLETTER, Issue 30: Spring 1998
* これは筆者から4月3日にE-mailで届けられたものの翻訳であるが、原文はインターネット上で入手することができる。
http://www.lkaz.demon.co.uk/ban30.htm
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HSCがアスベスト規制に関する答申発表に同意



Press Release C07:98 ― March 1998



安全衛生委員会(HSC: Health and Safety Commission)は、本日(3月10日)アスベスト曝露から労働者を一層保護するための規制案を定めた答申を発表することに同意した。
本答申は、1983年のアスベスト(認可=Licensing)規則および1987年のアスベスト作業管理規則(CAW)を強化することを提案している。HSCはまた、最もリスクの高い労働者に対して必要不可欠な指針を提供するため、補足的な2つの実践コード(ACoPs: Approved Codes of Practice)を改訂、改編することを提案する。

主たる規則の変更案は、以下のとおりである。
・ 認可対象作業にアスベスト断熱ボードを含めること。
・ クリソタイル・アスベストの曝露限度を厳しくすること。
・ 呼吸用保護具(RPE: Respiratory Protec-tive Equipment)が必要な作業環境では、合理的に実行可能なかぎりアスベスト曝露を減少させるものを選択する義務を雇用者に課すこと。
・ 労働者にリフレッシャー講習を受けさせる義務を雇用者に課すこと。
・ アスベスト曝露の原因となりうるすべての労働が、CAWの規定を遵守しなければならないことを明記したこと。

答申は、4月中旬に公表され、アスベストによるリスクを摘出し、適切に管理するための要員を職場に配置することを求める規制を導入するという原則、ならびに、こうした職務を満たす最良の方法の指針となる新しい実践コード(ACoP)を策定することについての見解を各方面から求めることになる。

こうした提案は、一体となって将来のアスベスト疾患の可能性を低減するHSCの戦略に大いに貢献するだろう。 白アスベスト(クリソタイル)に関するかぎり、CAWの規制は合理的に可能なかぎり曝露を防止し、どの製造工程であれ、どの製品の設置であれ、合理的に可能なかぎりより安全な代替品を使用することを規定している。HSCは、こうした措置の完全実施に懸念を抱いており、クリソタイルの輸入、供給および新規の使用を禁止する追加の提案を検討している。
しかしながら、こうした規制が施行される前に、代替品の安全性を確認する必要がある。この点について第三者の立場にあるEUの科学研究委員会は最近、中間意見書として、同委員会が入手できる代替繊維に関する科学的データからは、それらの相対的安全性を判定するには不十分であるという見解を出した。確固たる科学的論拠がないかぎり、イギリスが白アスベスト使用の規制強化に踏み出せば裁判等で負ける懸念があることから、HSCは関係大臣に、代替品の科学的知見について判断が明確になるまでアスベスト禁止(Prohibition)規則修正案の公開審議は延期すべきであるとの勧告を行った。

編集者への注

1.答申は4月には入手可能になり、要約とともに刊行される予定である。要約はHSEのウェッブサイトから入手できる。
2. Julian Peto のレポート「イギリスにおいて増加を続ける中皮腫による死亡」が Lancet 誌(第345巻1995年3月)に発表された。このレポートは、アスベストの主要なリスク集団は、配管工、電気工などアスベストと定期的に接触し、必ずしもアスベストについての知識を持っていない労働者であるとしている。
(下線は編集部)
*この原文は、http://www.open.gov.uk/hse/press/c980007.htm で入手できる。*



EC: 毒性、環境毒性および環境に関する科学検討委員会 討議結果


European Commission, 9 Feburuary 1998



欧州委員会(European Commission)の Directorate General V(産業)より委託された、アスベストおよび代替繊維の有害性とリスクの最新の評価および世界の繊維性物質に対する最近の規制状況についての研究(環境資源管理(ERM: Environmental Re-sources Management)、オックスフォード)についての見解(見解公表日:1998年2月9日)クリソタイルの健康リスクについてのCSTEEの立場 ERMレポートには、クリソタイルのリスク評価の変更を相当とするような新たな知見はない。

クリソタイルについては、高曝露レベルのものであるが、歴史的に相当量の資料が存在している。疫学データも動物データも、現在のヨーロッパにおける曝露状況である低曝露量における量反応関係の性格を指摘できるほど十分ではない。したがって、肺がんや中皮腫の真の閾値が存在するかどうかを判定することはできない。決定的な情報がない場合、クリソタイルには安全な曝露量はないと仮定することが適当であろう。

ガラス繊維は別として、代替物質にはヒトの健康リスクを判定するだけの量の疫学的根拠がない。いまのところ、そのための根拠は、動物毒性と繊維の持続性との組み合わせに置く必要がある。こうしたデータは決して網羅的なものではなく、閾値レベルをそれら代替物質に適切に適用できるという前提に立つことはできない。したがって、個々の代替物質のヒトの健康、とくに公衆衛生に対するリスクが現在使用されているクリソタイルよりも格段に低いという結論は、最終的には正しいと証明されるかもしれないが、現在のところは十分な根拠に基づいていない。

SCTEEの勧告

i)許可されているクリソタイルの用途における代替物質の、一般公衆の健康リスク、職業性、近職業性(para-occupational)の健康リスクの適切な評価
ii) 現在の一般公衆および近職業性のクリソタイル曝露レベルの評価
iii) クリソタイル代替物質の判断に際しては、同物質の環境影響も考慮されなければならない。

ERM報告書についてのコメン

1.背景
1997年11月17日の総会の場において、CSTEE事務局は、クリソタイル・アスベストに関する見解についての依頼はCSTEEに提出するようにとの通知を行った。ワーキング・グループ(以下「同グループ」という)がCSTEE内に設置され、調査事項が明確になった段階で、この問題に取り組むこととされた。
1997年12月16日、CSTEEのメンバーにひとつの通知と報告書(以下「ERMレポート」という)のコピーが送られてきた。各メンバーは、CSTEEが上記の通知に記載された調査事項にもとづいてこのERM報告書をピア・レビュー(専門家同士の検討)し、同グループの選任された座長にコメントを送付するよう委託されていることの通知を受けた。

同グループが利用できた最近のそれ以外の関連文書は以下のとおりである。
a) クリソタイル・アスベストに関する環境健康クライテリア文書についてのIPCS報告書の草案1通。この1996年7月付け文書は部外秘であり、CSTEEが知るかぎり、まだ公表されていない。
b) ERMレポート案(1997年6月付)についてのコメント(1997年9月6日付け)。この批判的なレビューは、G. W. Gibbs、J. M. G. Davis、J. Dunnigan および R. P. Nolan によって作成された。カナダ政府とケベック州政府がコメントを委託し、カナダのローマ大使館を通じて同グループの座長の許に正式に届けられた。

2. 調査事項
CSTEEに対する本見解依頼の調査事項は、欧州共同体委員会 Directorate General V によって明示されたように、以下のとおりである。
(i) 研究の結論は妥当か。
(ii) 副次的問題として、CSTEEとしてこの研究の内容全般についてのコメントも求められている。

3. クリソタイルアスベストに関する研究の結論についてのコメント

3.1. CSTEEは、ERMレポートの61頁末から62頁はじめにかけて列挙された7点が、現在の知見を反映しており、妥当であると判断する。
3.2. とはいえ、「クリソタイルには発がんリスクの曝露閾値レベルが存在しない」という見解および「(1繊維/ml未満の濃度のクリソタイル曝露によるリスクは非常に小さい)ことを確認するためにはなおデータが必要である」という見解は、具体的に述べる必要がある。
というのは、閾値という言葉には、ある一定の曝露量レベルまたはそれ以下では影響が生じないことを実証することが含意されている。「(影響)なし」を一点の曇りもなく実証すること(すなわち、明確にすること)は、不可能に近い。大規模で、適切に設計、実施された疫学、毒物学研究の場合であっても、2番目の種類の統計的誤差をゼロにすることはできない。しかし、膨大な量の優れた科学的情報から、影響なしとする説得力のある示唆が一貫して得られることはありうる。
これは単に閾値という語の語義にとどまらない。ERMレポートの見解には、著者らが閾値が同定されたとみなす仮定的条件の表示が付記されていない。著者らは、イギリス安全衛生局(HSE)が唱える「実行可能な閾値」という考え方に対して同意しているのかどうか、1繊維/ml未満の濃度なら無視できる程度のリスクであると確認するには、なおどれだけのどのような種類のデータが必要か。この点についての明言がなければ、同報告書のこうした2つの見解は、科学的というより儀礼的な印象を拭えない。
3.3. クリソタイルの中皮腫発症能力に関する結論があるとして、その結論が角閃石アスベスト(通常はトレモライト)が混じったクリソタイルへの曝露というしばしば見られる状況に適用できるとは限らない点を強調する必要がある。

4. 代替繊維に関する結論についてのコメント

4.1. 62頁には、「残りの用途におけるクリソタイル・アスベストに代わる主たる繊維質の代替材料としては、ポリビニルアルコール繊維、セルロースおよびパラアラミド繊維などがある」と指摘されているが、これには、これらの材料を「主たる代替材料」と言うための根拠となるそれらの物質の技術的特性に関する十分な情報による補足がない。
4.2. 同じ頁で、ERMは、MMMF(人造鉱物繊維)群を除いてクリソタイルに代わる代替候補物質の有害性やリスクについてほとんど研究が行われていない(ポリビニルアルコール繊維の発がん性実験研究がまったく指摘されていない点は顕著な例である)ことを認めている。にもかからず、「…こうした種類の繊維はいずれもクリソタイルよりもリスクが小さいと思われる」と結論づけている。事実、同報告書は、クリソタイル、MMMF群、その他代替繊維の有害性(すなわち害を与える潜在的能力)を比較する基準を提示していない。
4.3. 繊維の耐久性については、生体内(および試験管内)での生物難溶解性試験の有害性予測可能性は、従来の毒物学的試験の予測可能性よりもかなり低いことを指摘すべきである。「動物について耐久性と発がん性の定量的関係が…現在作成中である」というERMレポート3頁の指摘は少なくとも尚早である(これはまた、がん以外の影響も無視している)。

5. ERMレポートの質全般についてのコメント

ERMレポートの主要な関心事は次のとおりである。
5.1. この報告書は、関連性があるとみなされる「加盟国から提出された」資料に基づいている。こうした資料の網羅性や関連性を担保するための基準の明示がない。さらにそのため、参考文献リストには、非科学的な資料や利害団体からの提出資料の割合が高いという結果になった。
5.2. 利用できる科学的文献を追跡するための積極的かつ系統だった努力が行われていない。
5.3. 本報告書は、他の研究者(機関)による文献検討にもとづいている。それらの文献検討のうち一部は、文句なしに質が高く、著明な研究機関によって作成されたものである。しかしながら、ERMは、長期的に見てその結論の根拠となる毒物学、疫学研究の方法や設計を系統的、批判的に評価する独自の基準を作成(少なくとも指定)しなかった。そのため、同報告書の情報源に著しい不均質性が生じることとなった。
5.4. 本文、結論、要約の各所で、指摘があらゆる状況下のあらゆるタイプのアスベストに該当する指摘なのか、それともクリソタイルだけに該当するのか不明な個所が数多くあった。例えば、要約では、「曝露レベル」の項(4頁)で、アスベスト含有建材を使用した住居の居住者のリスクは無視できる程度であるとみなされると書かれている。われわれの知る限り、良好な修理状態にあるクリソタイル含有材の場合、この指摘はおそらく当てはまるが、セメントアスベスト工場からの廃物で建てた住居には当てはまらない。
5.5. ERMレポートは、アスベスト代替物質がアスベストと同じ有害な影響を及ぼしうるということが前提となっている点でも均衡を欠いている。事実、代替物質の物理化学的特性(溶解性など)は、他の影響の根拠となっているのももっともである。したがって、各代替候補物質は、完全な毒物学的評価が必要である(この点に関して、セルロース繊維についての情報は不満な点が多い)。
5.6. アスベストを「禁止」するかどうかの設問および「より安全な」代替物質(および「閾値」モデルか「非閾値」モデルかの議論は別として)の使用に関する勧告の他に、重要な目的は、潜在的な有害性に対する曝露を可能な限り低いレベルにまで下げ、それを利用者に知らせることである。
* 原文は、http://europa.eu.int:80/comm/dg24/dg24old/scientif/ncomm8/out05.html で入手できる。
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欧州連合(EU)はアスベストの禁止をまだ…


E-mail from Rory O'neil, Hazards magazine, 4 April 1998



欧州連合(EU)中から参加した閣僚たちによる社会問題評議会の会議は、EUにおけるアスベスト法制を強化し、新たなより強い法律に焦点を当てた意識的なキャンペーンを維持することに同意したが、それ以上にはアスベスト禁止に向けて踏み込まなかった。 厳密に言えば、雇用と安全衛生の問題を所轄する社会問題評議会では、禁止に関する検討を含めることができなかった。それは「貿易」の問題であるとみなされた。
しかし、EU規模での禁止に賛成する諸国は、オランダを先頭にこの会議の場で、禁止の問題を促進していくと表明した。 この会議の後、(イギリスの)環境大臣 Angela Eagle は次のように語った。「アスベストに関する取り組みは、イギリスの(EU)議長任期中の最優先事項である。われわれは、労働者を保護するためのより強い基準を促進するために、強い指導力を発揮する。現在の基準はこの問題を部分的に扱うだけで、私は新しい基準こそが、アスベストの破壊的な影響にストップをかけるうえで最も重要であると信じている」。
「イギリスは、白アスベストの輸入、流通、使用に新たな制限を実現する立場を崩してはいないが、科学的合理性を考慮する必要がある。イギリスは、科学的論拠が強固なものになるようにあらゆる援助を惜しまない」。
* これは4月8日にE-mailで届けられたものの翻訳である

しかし、労働組合や報道関係に発表された Hazards 誌の調査では、委員会の審議は、カナダ政府のイタリア大使館経由で委員会にもたらされた「独自」の文書によって大きな影響を受けたことが判明している。
イギリスの安全衛生委員会(HSC: Health and Safety Commission)は、3月9日のHSCの会議の協議用文書草案にもられた、新たなアスベスト禁止規則に関する表現を承認する予定である。
しかし、Hazards 誌の調査によって、EC科学委員会のレポートが発表されたことに狼狽した Tony Blair 首相事務所の指示により、この草案は大あわてで差し替えられたことが明らかになっている。ダウニング街に近い筋が Hazards 誌に確認したところによると、政府はカナダによるWTOへの異議申し立てについて警告を受け、また、EC科学委員会のレポートが禁止の根拠の土台を侵食するかも知れないと心配したようである。
Hazards 誌がこれらのことを明らかにした後、イギリス政府のアスベスト問題に対するいらだちとカナダの政治的策略、の双方から反応が示された。 3月の終わり、環境大臣 Angela Eagle は、政府は禁止に向けて速やかに取り組むという新たな約束をした。「イギリスの欧州連合(EU)議長任期中の主要な優先課題であり、ヨーロッパ全体における白アスベストの禁止の立場を固めている」。
「WTOとの間のいかなる問題も避けることができるように、また、法的な禁止を実施すること及びその科学的正当性を、確実なものにしなければならない」。 Eagle は、「私はもちろん、(イギリスのEU)議長任期が終わるまでに禁止を実施(決定? in place)したいと希望している。われわれは、ヨーロッパの単一市場において白アスベストが一切輸入できないようにすることが重要な問題であると考えている」と付け加えた。
イギリスのEU議長任期は6月30日に終了するから、政府はいまではEU規模での禁止を7月までに実施(決定? in place)することを希望していることを示しているもので、これは当初のスケジュールよりも6か月遅れることになる。 それから、4月7日にルクセンブルグで開かれたイギリスが議長を務めたEUの社会問題評議会の会議であるが、会議の関係者は Hazards 誌に対して、「イギリスは、オランダの詳細な報告に賛成して、アスベストの流通と使用の禁止は継続するアスベスト問題に取り組むためのより効果的な方法であると発言した」と語った。
彼は、(環境)大臣は「メンバー諸国のなかでのEUにおける白アスベストの禁止に向けて迅速に取り組むということに言及して、評議会の討議の結果に満足しており…彼女は、EUの同僚たちの力強い支持が、欧州委員会(European Commi-ssion)に可能な限り迅速に適当な禁止の提案を提出させる進行信号になると信じている」と付け加えた。
カナダのアスベスト支持派ロビイストたちは、その間も攻撃的な働きかけを続けてきた。安全衛生関係および全国版の報道関係のジャーナリストたちが、ロンドンのカナダ高級委員会(?、High Commission)の費用持ちでアスベスト支持派の主張を聞くために、4月5日にカナダに飛んだ。 イギリスのアスベスト除去産業に関する安全基準は、引き続き関心を呼んでいる。2月に安全衛生局(HSE: Health and Safety Executive)は、就学年齢の少年をアスベスト除去作業のために雇用したことで安全衛生法令違反を申し立てられていた、West Yorkshire、Guiseley の Medleys Ltd 社の元経営者と Medley and Son のパートナーである Andrew Craig Medley と Neil Peter Medley は、起訴されるべきだと発表した。少年たちは、保護機器を与えられていなかったと訴えられている。
また、シェフィールドのヘルス・ワーカーたちは、イギリスおよび海外でアスベスト除去作業に従事させるためにヘロイン常用者を狩り立てて募集していた複数の企業を見つけ出してる。
Rory O'Neill,Hazards magazine, No.62, April-June 1998
* これは筆者から4月8日にE-mailで届けられたものの翻訳であるが、掲載誌は4月17日発行の予定とのことである。
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