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    第4回 役に立つ【注意 極めて下品】


    恥ずかしい事に慣れること。
    それは普通に病院生活を送るうえでもある程度必要になるのではなかろうか。
    まして自分で何も出来ないとなればなおさらである。

    幸いな事に、慣れるまでの苦労はなかった。
    恥ずかしいだとか考える事も、そんな事でいちいち不満を述べている余裕もなかったから。
    余裕が出てきた時にはなんともなくなっていた。
    しかし冷静に振り返ってみると、さすがに恥ずかしい事もある。


    寝たきりだからといって、当然そのまま放置されているわけではない。
    看護師が1日に1回、必ず体を拭いてくれる。
    この時間がとても心地よい。
    きっと、動けなかったからこそ心地よかったのだと思う。
    “痒いところを掻く”そんな行動も大変な重労働だったため、貴重な時間だった。

    しかし当然、陰部も拭いてもらう事になる。
    これはいつも看護師共々無言の時間。
    体は正直に反応してしまうから妙に気まずいのである。
    誤解を招かないように書いておくが、風呂へ入ってさっぱりという類の気持ちよさはあったものの、
    いやらしい考えや性的な快感というものは一切無かった。
    あえて意識しないようにしていたとかそういう話でもなく、素でだ。
    若い看護師が多かったので、客観的に見たら羨ましい話なのかもしれないが。

    ただ、ベテランの看護師主任はさすが。
    若い看護師相手に拭き方指南を始めたのだ。
    大きくなった我が息子が教材である。
    恥らう年頃の少年を目の前にしてのこれにはさすがにまいったが、
    よくよく考えてみれば、その看護師が勉強になるのはもちろん、
    今後同じような人が居たらスムーズに事が運ぶだろう。
    つまらないものですが、と言いたくなるようなこんなモノがたくさんの人の役にたてたのかもしれない。
    たてられたのが、たてたのか。
    そんなしょうもない事を考え始めたので今回はここまで。



    続く


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