

膠原病って?
筋炎って?
検査、データについて
薬剤について




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膠原病の検査・データ
国立療養所宇多野病院リウマチ科 柳田英寿先生の講演会でのお話を元に作成しました
おもに外来での検査を中心に紹介します。
検査の目的は以下のようなものです。
・リウマチ性疾患のスクリーニング(どのグループに入るのか)
・膠原病が悪くなっているのか、他の病気の合併か、鑑別
・疾患活動性、病態の把握(部位、程度、治療の必要性等)
・治療薬の副作用
いずれも検査だけでわかるのは一部分で、全てというわけではないです。
なお、文中における正常値というのはあくまで目安で、キチッと決まったものではありません。
尿検査(病態・副作用をみる)
糖 :ステロイドによる糖尿病。
食後の血糖の上がり方を見られるため、朝食をとってからの方判断しやすい。
タンパク :腎障害
潜血 :腎障害 タンパクと潜血は片方のみの異常だとそれほど心配無し
沈さ :腎障害 尿路感染症
NAG :腎臓の尿細管の障害(薬剤、シェーグレン症候群)
便検査(病態、副作用をみる)
潜血 :疾患や薬の副作用により消化管の粘膜に傷がつくと陽性になる。
血液検査
末梢血検査(活動性、副作用をみる)
赤血球数 :炎症、自己免疫による溶血、薬剤などで減少 基準値430〜570μl
少ないと病状が治まっていないととれる
血色素量 :赤血球とほぼ同じように動く 正常は12〜17g/dl
7以下は一般的に輸血の適応
白血球数 :感染防御の役割 正常値3000〜9000/μl 2000まで減っても大丈夫
細菌・真菌(カビ)による感染症、慢性関節リウマチ、血管炎症候群
ステロイド(服用すると何もなくても)によって増加
ウイルスによる感染症、全身性エリテマトーデス(リンパ球が減少するので)
薬剤によって減少
血小板 :止血 正常値12万〜34万 2万までは大丈夫
炎症により増加 自己免疫、薬剤により減少
血清学検査(炎症マーカー、病気の勢いをみる)
血沈 :炎症(全ての膠原病、特に慢性関節リウマチ)、感染症、貧血により増加
CRP :炎症(全ての膠原病、特に慢性関節リウマチ)、感染症により増加
血清アミロイドA:慢性関節リウマチでは血沈・CRPより鋭敏に病勢を示す
シアル酸
フェリチン:成人発症スティル病で特に高値
なお、これらのデータは、筋炎・SLEでは変化が出にくい。
炎症マーカー以外では
STS :抗リン脂質抗体症候群では陽性
TPHA :抗リン脂質抗体症候群では陰性
抗リン脂質抗体症候群は抗GP1抗体でみることのほうが多い
抗リン脂質症候群・・・SLEに比較的よく合併。血の固まりができる。流産しやすい。
出血凝固検査(診断、副作用をみる レイノー現象への影響もみられる)
プロトロンビン時間 :血が固まるまでかかる時間 薬剤(ワーファリン)により延長
部分トロンボプラスチン時間:血が固まるまでかかる時間
薬剤(ワーファリン)、抗リン脂質抗体症候群により延長
FDP:体の中に血栓ができている事を示す
TAT:血栓の存在だけでなく、血管炎の炎症マーカーとしても利用。
(血管炎があると増加)
生化学検査(病態、副作用をみる 一番頻度多くする検査)
肝機能障害 :GOT GPT γ-GTP ALP(骨の病気でも増加)
LDH(様々の病気で増加)
腎機能障害 :尿酸 尿酸窒素 クレアチニン ナトリウム カリウム
骨・関節破壊:ALP カルシウム ヒアルロン酸
筋肉破壊 :アルドラーゼ CPK ミオグロビン(CPK正常でも他2つが異常の場合あり)
唾液腺障害 :アミラーゼ(膵臓の病気でも増加)
(↑シェーグレン症候群)
肺病変 :LDH KL-6(鋭敏な検査)
(↑間質性肺炎)
脂質 :総コレステロール HDLコレステロール 中性脂肪
(↑動脈硬化のリスクを高める) (↑善玉コレステロール。高くても心配無し)
免疫学的検査(活動性、診断のため)
蛋白分画
炎症があると血液の中の蛋白質の一部が増える。
炎症の有無がわかるだけでなく、最近起こってきた炎症(例えば感染症とか)と、
慢性の炎症(膠原病)を、パターンをみることで区別できる。
免疫グロブリン(IgG IgA IgM)
抗体ともいう。
抗体は異物にだけにくっつき、異物と体の成分とを区別しやすくする。
抗体がくっついた異物は免疫の仕組みで処理される。
・IgG...特にシェーグレン症候群、しかしどの膠原病でも勢いが強いと上がる
・IgM...自己免疫性肝炎。普通の肝炎では上がらない
免疫複合体(C1q)
本来は異物に抗体がくっついたものをいう。
ただし自己免疫疾患では、自己の成分に抗体がくっつく事がある。(自己抗体)
免疫複合体ができると、白血球が食べたり、
補体(SLEでは測る)によって壊されたりして、異物は処理される。
全身性エリテマトーデス、血管炎で陽性になる。
補体(C3 C4 CH50)(腎臓にたまりやすい)
炎症があると増加
免疫複合体があると、それを壊すために消費され、減少する。
この破壊の時に、周辺の正常組織も破壊されるようである。
増加:慢性関節リウマチ 血管炎症候群 筋炎 感染症
減少:悪性関節リウマチ
全身性エリテマトーデス(補体が関係している病気なので。
頻繁に測るのはそのため。)
自己抗体(自己の成分に対する抗体。自己免疫がおこっていることを示す)
抗核抗体:20.40.80.160...と倍々で数値が出るらしく、
40倍までの軽度の陽性なら膠原病でなくてもありうる
疾患標識抗体(特定の膠原病と相関する抗体)
抗DNA抗体:全身性エリテマトーデス
(↑高いと腎障害のリスクが高まる)
抗Sm抗体:全身性エリテマトーデス
抗SS-A抗体:シェーグレン症候群
抗SS-B抗体:シェーグレン症候群
抗RNP抗体:混合性結合組織病
抗SCL-70抗体:強皮症
抗セントロメア:強皮症
抗JO-1抗体:筋炎(半数、もしくはそれ以下の人にしか見られない)
抗白血球細胞質抗体:(p-ANCA c-ANCA):血管炎症候群
RF(リウマチ因子)
変性した抗体(免疫グロブリン(IgG IgA IgM))に対する抗体。
慢性関節リウマチの診断に重要。
RAHA
慢性関節リウマチの人の約8割で陽性に。
(リウマチでなくても慢性の炎症があると陽性になる事がある)
2560倍以上の時は悪性関節リウマチの可能性がある
抗ガラクトース欠損IgG抗体
慢性関節リウマチの人の約9割が陽性になる
*自己抗体、免疫複合体と組織破壊について
1 自己に対する抗体が作られる
2 自己の成分に自己抗体がくっつき、免疫複合体が作られる
3 補体が免疫複合体を破壊(補体の消費)
この時、周辺の正常組織が破壊される
免疫複合体は自己の成分によるものでも、異物によるものでも、
補体によって破壊される。
患者説明会で聞いた事をもとに作成しました。
人によって差もありますし、あくまで参考程度にしておいて下さいね。
膠原病じゃない方でも、血液検査の結果を見る時少しは楽しくなる、かな?
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