中部電力への公開質問状

1997年9月29日     


   中部電力株式会社
     社長 太田宏次 殿 

「浜岡原発を考える静岡ネットワーク」   
「浜岡町原発問題を考える会」   
「浜岡原発をとめようネットワーク」   


公開質問状



 三会派の内「浜岡原発を考える静岡ネットワーク」は、去る9月7日、会名の趣旨に沿って県全域での広範な活動を展開すべく発足した会であります。

 我々は電気エネルギーを否定するものではありませんし、電気エネルギーの有要性や、貴社の社会的役割とその重要性は十分認識しております。電気エネルギーは大変貴重なものであり、他のエネルギーと同様、無尽蔵に手にすることは不可能なものでであります。

 私達も、未来に生きる人々のために、資源を大切にし、省エネの実践とその普及に努めてゆく所存であります。

 他方、国のエネルギー政策はその需要予測をつり上げ、大量消費を煽り、限りなく発電量を助長させる方向性を持つものであり、決して賛同できるものではありません。特に原子力発電の推進は、国内外において多くの問題をもたらし、現代社会のみならず、地球存続の面からも危機的状況を生みつつあります。

 住民は、原子炉による壊滅的事故や、日々排出される核廃棄物の恐怖と同居させられ、原発立地は、地方自治を札束で崩壊させ、さらに地元住民の心の繋がりをも、ずたずたに切り裂いてしまいました。健康を犠牲にしても働かざるを得ない被爆労働者達の人権は軽視され、地元反対者への生活をも脅かされております。

 使用済み核燃料等、核廃棄物の管理は人間社会の時空を超えるものであり、未来に何等責任を持てるものでありません。核物質による地球環境の汚染が生命存続をも危うくする日が目に見えるようです。

 電気エネルギーの大量生産は、大量消費を誘起し、エネルギー問題の解決をかえって困難にしております。原子炉は軍事的にも危険な標的であり、核爆弾製造の元凶でもあるのです。

 原発は、もはやエネルギー問題の解決手段ではなく、政界・官界・財界・御用学者達の金と欲との泥沼に、市民が否応なしに投げ込まれた、大きな社会問題と言っても過言ではありません。

 本会の設立主旨は、一刻も早く原子力発電を停止させ、未来永劫に渡って持続可能な、安心して暮せる社会を築くことにあります。

 浜岡原発は、東海地震震源域の真っ直中に位置し、切迫する大地震に対する原発の危険性について、多くの科学者が指摘をしております。私達は、原爆以上の大惨事に遭遇する可能性に怯えながら生活をしているのです。大災害は人の予想をはるかに越えるものであり、人間の英知が自然を克服出来るなどとは、傲慢そのものと言えましょう。

 現在稼働中の原子炉がすべて廃止されるまで、耐振性を含め、その安全性に関、国や電力会社だけに管理をゆだねる気持ちにはなれません。第三者による公平な審査機関を作る必要を強く感じております。

 今回は、特に原発の安全性を中心にした質問状をお送りいたしますので、誠意を持ってお答え下さいますようお願い申し上げます。



<質問事項>

  1. 浜岡原発の耐振性について

    1、2号機は建設当初、安全余裕確認用基準地震動の最大値を300ガルにて申請し、その後1980年12月、資源エネルギー庁の指示により450ガルに設定し直され、さらに1995年には600ガルにも耐え得るなどと正式に記載されております。

    しかし、300ガルで設計されたものが、600ガルに耐えうるかの説明は何一つありません。補強工事もせず、設計書の審査だけで安全だと断定された事は、実に不可解であります。

    さらに、3、4号機についても想定される直下型大地震に耐え得るという論拠は何一つ示されておりませんし、耐震設計の基準そのものも根拠に乏しいものと言えます。

  2. 2号機定期検査シュラウド補修につき

    2号機は今年3月より定期検査に入り、その際圧力容器の予防保全工事がなされました。その工事はシュラウド全体の溶接線全てについて行われたのか、一部分なのか、金属玉の吹き付けはどのような目的で行われたのか、予防保全工事で安全性は保たれるのかなど、住民が納得できる情報は何一つ公開されておりません。

    福島原発ではシュラウドの交換が計画されております。福島と同質のSUS304を使用した浜岡原発のシュラウドもその老朽化により、当然ひび割れが発生しているはずであります。是非とも詳細なる説明をお願いしたい。

  3. 96年、3号機火災事故について

    96年1月21日、地下雑固体廃棄物エリヤより出火、さらに9月7日には非常用ディーゼル発電機の電源室より出火、管理のずさんさを大きく非難された事故がありました。

    特に9月7日の出火について、その原因・対策に関する詳細な情報がほとんど得られておりません。県民の立場からこの件をうやむやにすることは出来ません。
    事故の状況と解析、解決方法などは町、県、国に報告することは当然でありますが、それを持って、一般住民への説明になったなどと、判断されないことを強く望む次第であります。


  4. 5号機増設に関しその安全性について

    5号機増設計画は、地元および周辺住民の賛成同意を得られないまま、密室にて進められてしまいました。私どもは今回の非民主的なやり方に怒りを覚えると同時に、原発政策の本質がエネルギー問題にはないことを痛感した次第です。

    ABWRの再循環ポンプは、原子炉の底に垂下するように取り付けられ、再循環ポンプはその重量、取り付け方法から、地震に最も弱く、かつこのポンプや配管の破損は冷却水喪失事故、反応度事故など、重大な事故に直結するものであり、我々が最も危惧するところであります。 


  5. 使用済み核燃料プールの貯蔵状況

    原発がクリーンな発電方法だと宣伝する一方で、最も危険な使用済み核燃料が大量に溜まってまいりました。
    青森県民の立場から、使用済み核燃料は、迷惑危険物としてその搬入が歓迎され得るものではありませんし、再処理の危険性、再処理による核廃棄物のさらなる増加、プルトニウムの需要見通しの無さ等、様々な現状を考えますと、使用済み核燃料が浜岡原発敷地内に漏れ出る日が、遠からず来ることが想定出来ます。


  6. プルサーマル計画について

    プルサーマル計画により、2000年以降、浜岡にもMOX燃料が持ち込まれると聞いております。プルサーマル計画は、ただ単に余剰プルトニウムの消費を図るだけの意味しかなく、さらに、プルトニウムの核反応は、今以上に原子炉に負担をかける大変危険なものであります。この計画が秘密裏に進まないためにも、情報の公開を要求する次第です。


  7. スタックモニタの測定値公開について

    8月26日科学技術庁と通産省は、原発の排気筒から排出されている放射能の連続測定値をリアルタイムで立地県に公開する方針を決めました。すでに、福井県は関西電力、日本原電と折衝に入り、福島県、新潟県も追従すると伝えられてお ります。


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なお、ご回答につきましては、内容がかなり専門的になり、双方で質疑応答が必要かと思います。当方より貴社に出向きますので、浜岡町浜岡原発にて「説明会」の開催を是非ともお願いしたいと思います。


〒420 静岡県静岡市昭和町チサンマンション207号
TEL/FAX 054(253)1924
「浜岡原発を考える静岡ネットワーク」


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質問状原案は「浜岡原発を考える静岡ネットワーク」にて作成いたしましたが 三団体同調ということで、連名にて提出させていただきます。

以上     
 

  
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注:

 シュラウド・・原子炉内部の炉心を覆っている部分。
    内側にウランの炉心がある。(英語、経帷子の意味)
    落下すると、緊急時に制御棒が入らなくなるなどの
    危険性が指摘されている。

 ABWR・・沸騰水型炉(BWR)の改良型の炉

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