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2005.7.7 

2005年7月6日

日本石綿協会宛 要望書

日本石綿協会からの回答はこのページの下の方にあります



石綿対策全国連絡会議
〒136-0071 東京都江東区亀戸7-10-1 Zビル5階 全国安全センター内
TEL((03)3636-3882/FAX((03)3636-3881

2005 年7 月6日
日本石綿協会御中
石綿対策全国連絡会議
代表委員山口茂記(自治労労働局長)
佐藤正明(全建総連書記長)
富山洋子(日本消費者連盟運営委員長)
天明佳臣(全国安全センター議長)
〒136-0071 東京都江東区亀戸7-10-1 Zビル5階
PHONE(03 )3636-3882 FAX(03)3636-3881
Email: banjan@au.wakwak.com
URL: http://park3.wakwak.com/?banjan/
(連絡担当: 事務局長 古谷杉郎)


 貴下、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
 貴協会とはこれまで、立場の違いを超えて、真摯に情報・意見の交換等を行うことができてきたものと信じております。
 とりわけ、2001 年2 月9 日、2002 年9 月5 日と、意見交換の場を持つことができ、協会としてアスベスト使用の早期中止の英断をという要請には同意いただけなかったものの、私どもの要望に応じるかたちで、「石綿建築材料等の製造時期等一覧表」を作成、公表(http://www.jaasc.or.jp/)していただいたことは、貴協会の社会的責任を果たそうという意欲の一端を示すものと受け止めております。また、現在この一覧表について、「平成13 年8 月の時点の調査結果をまとめた資料であり、現状と異なります。平成16 年10 月1 日以降は石綿含有建材の製造は行っていませんので、現在、再調査を行って本資料の改訂作業中です。(平成16 年12 月1 日)」とされていることについても、改訂資料の早期公表を期待しているところです。
 一方で、アスベスト被害に関する社会的関心が高まるなかで、貴協会の中心的企業が相次いで、その企業責任に基づいて、過去のアスベスト使用の実態およびその労働者のアスベスト健康被害の状況を公表しつつあるという状況にかんがみ、以下の要請をさせていただく次第です。
 何卒真摯にご検討いただき、可能な部分から順次、速やかにご回答いただければ幸いです。また、回答に対する話し合いの場を設定していただくよう合わせて要請させていただきます。

1. 貴協会(および貴協会傘下団体)の現在および過去に所属したことのある企業・事業所のリストを公表していただくこと(加盟最後の時点の住所・電話番号およびご存知であればその後の状況や連絡先等を含む)
※ホームページ掲載の2004年5 月31 日時点の社員名簿では33 社・団体ですが、例えば、1974年1 月現在の名簿(「石綿」紙No.337・338)では約250社・団体が記載されており、過去にアスベストを輸入・製品製造等を行っていて、現在は廃業・退会等している企業・事業所の情報を、現時点で明らかにしておくことはきわめて重要と考えられます。

2. 貴協会加盟以外のアスベスおよびアスベスト含有製品の輸入・製造・取扱・使用等をしたことのある企業・事業所のリストを公表していただくこと。

3. 上記1.2. の企業・事業所に対して、過去のアスベストの種類別使用量、アスベスト含有製品の製品名・製造期間・製造量・含有率等の情報を開示するよう働きかけるとともに、貴協会として集約・公表することを検討されたい。

※私どもは、今回の各社による情報開示の発端となった、クボタ旧神崎工場周辺に居住し中皮腫に罹患された患者と支援団体に対して同社が開示した各種資料を承知しておりますが、「石綿取扱い事業の履歴」、「環境改善対策の履歴」等が示されており、少なくともこれに習うべきです。残念ながら他社の開示情報はきわめて不十分です。

4. 2005 年4 月に貴協会が発行された「既存建築物における石綿使用の事前診断監理指針」中の、過去の石綿含有製品に関する情報(とくに「石綿含有建築材料の商品名と製造時期一覧表)は、前述の「石綿建築材料等の製造時期等一覧表」の内容を拡充させたものであり、同指針の他の内容と合わせて、将来の回避可能なリスクを避けるために国民に提供すべき重要な情報であり、貴協会の社会的責任を
踏まえて、現行の有償提供(定価2,000 円)を無償提供とするとともに、今後、その内容の一層の充実を図られたい。

5. 上記1.2. の企業・事業所に対して、過去のアスベスト吹き付け工事の施工記録(施工場所、吹き付け面積、アスベスト含有の有無およびアスベストの種類別含有率等)を開示するよう働きかけるとともに、貴協会として集約・公表することを検討されたい。

6. 上記1.2. の企業・事業所に対して、アスベストおよびアスベスト含有製品の納入先リストを開示するよ
う働きかけるとともに、貴協会として集約・公表することを検討されたい。

7. 上記1.2. の企業・事業所に対して、過去アスベスト曝露の可能性のある業務に従事していた労働者の総数、および、そのうちのアスベスト関連健康障害の発生件数を把握ないし追跡調査し、その情報を開示するよう働きかけるとともに、貴協会として集約・公表することを検討されたい。その際、関連・下請会社等の労働者についても、可能な限り含められたい。

※クボタの場合には、在籍1 年以上の従事者数および石綿疾病患者については、疾病別(胸膜中皮腫、腹膜中皮腫、肺がん、じん肺(管理区分、合併症の有無別)、その他(癌性悪疫質、良性石綿胸膜炎))、年齢別、死亡・療養中の別、死亡年度別、年齢別、石綿作業従事年数別、労災適用状況等のデータ、さらには構内協力会社における状況に関するデータが開示されており、少なくともこれに習うべきです。労働安全衛生法に基づく退職後の健康管理のための健康管理手帳の交付状況に関しても開示してください。残念ながら他社の開示情報はきわめて不十分です。

8. 上記1.2. の企業・事業所に対して、アスベスト対策の経緯および過去に行われたすべての濃度測定結果を開示するよう働きかけるとともに、貴協会として集約・公表することを検討されたい。

※クボタの場合には、そのような情報も開示されており、少なくともこれに習うべきです。

9. 上記1.2. の企業・事業所に対して、労働者のアスベスト関連健康障害に対する労災認定支援および上積み補償制度を確立するよう働きかけるとともに、貴協会として集約・公表することを検討されたい。
その際、関連・下請会社等の労働者についての制度も明らかにされたい。

※クボタの場合には、そのような情報も開示されており、少なくともこれに習うべきです。

10. 上記1.2. の企業・事業所に対して、事業所周辺住民のアスベスト関連健康障害の実態把握に努めるよう働きかけるとともに、貴協会として集約・公表することを検討されたい。

※すでに周辺住民の中皮腫発生が報告されているクボタの場合を考えてみても、患者等からの報告を待っているだけでは実態を把握することはできません。関係自治体等に働きかけて、事業所周辺住民における中皮腫や肺がん等の発生状況を確認するなどの企業努力が必要と思われます。

11. 上記1.2. の企業・事業所に対して、事業所周辺住民のアスベスト関連健康障害に対する何らかの補償制度を確立するよう働きかけるとともに、貴協会として集約・公表することを検討されたい。

※企業・事業所においては、相談窓口の有無・内容、クボタと同様に見舞金の支払い等の対応をする用意があるかどうかを明らかにしてください。

12. 労働者に対する労災補償のような法的補償制度の整備されていない、事業所周辺住民等のアスベスト関連健康障害に対する補償制度を確立するよう貴協会としてイニシアティブを発揮されたい。

※国への働きかけや、すでに廃業してしまっている企業・事業所の問題も含めて、貴協会のイニシアティブが求められています。



日本石綿協会からの回答
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