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●アスベスト対策情報 No.33
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(2003年3月15日発行)
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アスベストの全面禁止の実現
及び抜本的な既存アスベスト・健康影響
対策の確立に向けた要請
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2003年6月
関係大臣殿
石綿対策全国連絡会議
代表委員 加藤 忠由 (全建総連委員長)
竹花 恭二 (自治労副委員長)
富山 洋子 (日本消費者連盟運営委員長)
広瀬 弘忠 (東京女子大学教授)
〒136-0071 東京都江東区亀戸7-10-1 Zビル5階
PHONE(03)3636-3882 FAX(03)3636-3881
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日頃の貴職のご活躍に敬意を表します。
昨年6月28日の坂口厚生労働大臣の「アスベスト原則禁止導入」方針表明を受けて、12月12日に「石綿の代替化等検討委員会」が設置され、本年3月にその報告書がまとめられました(4月4日公表)。これを踏まえて、厚生労働省は5月2日、アスベストの新規使用等の禁止に関する、労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令案を公表し、その実施に向けた作業が現在進められています。政令案は、現在市場にでまわっていることが確認されたアスベスト含有製品10品目(建材5製品、非建材5製品)のうちの、7製品(建材5製品、非建材2製品)について、アスベスト含有製品の製造、輸入、使用等を禁止するとしており、代替品が存在するにもかかわらずアスベストが大量に使用されていた建材すべての使用等を禁止するとした点では評価ができますが、不十分な点も多く、将来のアスベストの健康影響を懸念して活動してきた私たちは、以下の5点を要望します。
第1に、アスベストを原則全面禁止とし、使用許可製品を限定すること。
安全等のリスクを起こす可能性からやむなく使用を認める限定的な製品を除き、将来の健康リスクを重視し、アスベストの新規使用を原則全面禁止とする観点にたつことが何より重要と考えます。政令案では、現在市場に存在する製品に限定した禁止の規制のため、過去に使用された様々な有害なアスベスト製品が今後も使用可能という、法的には抜け道の多い案となってしまっています。一例を挙げれば、今回の規制案では、アスベスト含有量が1%以下で、一定の要件さえ守れば、(クロシドライト、アモサイト以外の)アスベストの吹き付けすら可能です。今後の健康影響が最も懸念される建築材料では、5種類の建材製品の禁止の列挙にとどめず、アスベスト含有建材製品の全面禁止とすべきです。非建材では、経済的コスト等別の観点から非建材のアスベスト製品の継続使用が可能な案とせず、物理的条件・工程を限定したジョイント・シール材等に限定した使用許可とすべきです。
第2に、2005年までに、アスベスト禁止を実行に移すこと。
諸外国の禁止に合わせ2005年禁止の実行を明示し、継続使用が認められる限定的製品も代替製品の開発状況を考慮して、3年ごとの見直し条項を明定することが必要です。
第3に、アスベスト含有製品の定義を含有率0.1%以上と改めること。
石綿は他の鉱物に混入していること、及び、化学物質管理促進(PRTR)法では発がん物質の規制は0.1重量%以上含有する製品を対象にしていることをふまえ、アスベストを0.1%以上含有する製品全体を規制の対象とするように改めることが必要です。
第4に、代替化促進策と同時に、アジア等の地域への生産やリスクの移転を防止すること。
代替化促進の経済的施策の実施とともに、経済的に恵まれた国での有害製品の製造禁止が、他の諸国での製造の代替と健康影響の輸出及び製品の輸入とならないように、国際的な健康影響を考えた施策の実施が必要です。
石綿対策全国連絡会議絡会議としては、すでにパブリックコメント手続に応じて意見を申し述べたところです(添付資料参照)。なお、昨年度、私たちは、アスベスト除去業者に対するアンケート調査に加え、聞き取り調査を実施しており(添付資料参照)、その結果、吹き付けアスベストとアスベスト含有建材に対する早急な対応が行われないと、今後の健康影響は一層深刻なものになると考えられ、ひいては政府の責任問題にも発展しかねないと考えています。
アスベスト対策は、前述した、@新規使用等の規制のみならず、A既存のアスベストからの飛散の防止対策等、B生じうる健康影響への予防、生じた健康影響の早期発見、手厚い治療と補償等、の3点が総合的に必要です。
第1に、既存アスベスト対策に関しては、吹き付けアスベスト対策、アスベスト含有建材対策、その他の製品の対策、の3点が必要と考えます。現在の吹き付けアスベスト対策は不十分であり、吹き付けアスベストの存在する環境で過ごした労働者や住民の中皮腫例(疑い例)が出現しつつあります。現行の吹き付けアスベスト対策は、主として通達レベルであり、劣化を含めた調査や除去対策が法的に十分とはいえない面があります。吹き付けアスベストに接しうる作業の原則的禁止、建物所有者に吹き付けアスベストの劣化状況の定期的観察の義務づけ等が求められています。とくに天井裏に吹き付けアスベストのある際に、アスベストを除去せずリフォームを行い、アスベストを飛散させる例が現在も見られます。天井裏に吹き付けアスベストのある区画の改修・改築時には、吹き付けアスベストの事前除去を原則とすることが法的に必要でしょう。また、吹き付けアスベストのある区画で除去工事を行う場合には、天井材の除去時から飛散することを考え、あらかじめ飛散防止の養生を行うように、対策を強化することを、私たちは求めます。
第2に、アスベスト含有建材に関しては、国土交通省が「建築改修工事共通仕様書(平成14年版)」等で述べているように、吹き付けアスベスト対策と同等の配慮が必要であり、今後、民間の工事にもこの対策を広げていく必要があります。少なくとも多くの民間工事で何の対策もないままで、天井のバール破砕が行われている現状を考えると、最低限開口部養生を行うか、施主に手ばらし解体ができるだけの十分な改築費を出すように義務づけたり、国が助成したりすることを行わないと、アスベスト飛散は減少しないと考えます。現状では、他の建材にもアスベストが付着したまま、リサイクルが行われることになっている疑いも高いわけです。
第3に、その他のアスベスト含有製品に関しては、アスベスト含有製品の特定自体が十分行われていない場合も多いのです。アスベストを使用した製品を製造した会社名、製品名と製品の写真やカタログ、製造年代と市場に流通した年代(製造中止後もメインテナンス含め数年以上流通する例が多いため)を明らかにすることは、まず、製造した会社の当然の責任ですが、国も強力に製造した会社を指導監督する必要があります。アスベストは飛散しやすく、工場等の一定範囲に拡散するが気づかないため、一定の割合の被災者が、自分がアスベストに曝露したことすらわからないでいる場合も多いからです。製造会社と流通過程を明らかにすることは、同時に、曝露労働者の退職後の健康対策の実施とも関係する重要な点です。
いずれの場合も、既存アスベストの所在の確認、その管理・処理から廃棄に至るまでの首尾一貫した対策の確立と、住民・労働者を含めた関係者のリスク・コミュニケーションが適切かつ十分にはかられることが決定的に重要です。私たちはまた、健康対策として、過去の中皮腫の全数調査を実施することにより、職業性曝露対策、環境曝露対策の確認をはじめ、十分な治療環境の実現と、医師へ労災認定基準を十分周知徹底すること等を求めます。行政の不作為を起こすことなく、省庁を超えて総合的に、今後のアスベストによる健康影響を最小化するよう努力されることを強く要望します。
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国土交通省交渉 |
2003年7月23日(水)10:30〜11:45
国土交通省1階共用会議室
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国土交通省側出席者
@ 住宅局建築指導課 課長補佐 高見
A 総合政策局国土環境・調整課 課長補佐 松野
B総合政策局建設業課 係長 灰差
C官庁 営繕部建築課 課長補佐 佐藤
D官庁 営繕部建築課営繕技術管理室 室長補佐 澤永
E海事局舶用工業課 係長 岡本
F海事局安全基準課 課長補佐 山田
G 海事局造船課 課長補佐 礼田
(窓口: 大臣官房総務課総務係 川上、TEL 5253-8181/FAX 5253-1523)
全国連側出席者
13名: 古谷杉郎、永倉冬史、名取雄司、西雅史、大内加寿子、林充孝、宇野林蔵、外山尚紀、古川和子、大森華恵子、大森美華子、宗像正男、村上博子
1. 全省共通項目
@ 厚生労働省「石綿の代替化等検討委員会報告書」に関する、貴省の認識をお聞かせいただきたい。
【住宅局建築指導課回答】 住宅局建築指導課としては、厚生労働省における作業の詳細を認知しているわけではないが、この報告書を受けて厚生労働省が進められている政令改正作業等を連携しながら、わが方としてできることに努めていきたいと考えている。
【古谷】 厚労省が禁止すれば、自動的に建材へも使えなくなる。建築基準法関係の告示等からも言わば自動的に削除されることになると思うのだが、その際には、削除することに賛成か反対か意見を求めるパブリックコメント手続など行なわずにやってしまうのか。
【住宅局建築指導課回答】 規制の新設・改廃に関しては何であれやる必要があるので、あらためてパブリックコメント手続を行なうことになる。
A 厚生労働省の、労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令案に関する、貴省の認識をお聞かせいただきたい。
【回答なし】
B 要請書まえがきで述べた、労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令案に対する石綿対策全国連絡会議絡会議の意見(別添)に関する、貴省の認識をお聞かせいただきたい。
【回答なし】
C アスベスト禁止の導入に関して、貴省のいずれかの部局において、関係業界(建材メーカー、ゼネコン、設計業者、施工業者、解体業者等)から何らかの意見・要請が寄せられたり、話し合いを行ったり、または働きかけていることがあれば、お聞かせいただきたい。
【住宅局建築指導課回答】 こういうかたちで要請を受けているが、その他関係業界からの働きかけ等は、ない。付け加えさせていただければ、厚生労働省によるアンケート調査等に際しては、当省の関係部署の方から全建総連等の皆様方に状況等の確認するなどさせていただいているところと聞いている。
D 現行のアスベスト含有建材対策が十分か、貴省のお考えをお聞かせいただきたい。
【住宅局建築指導課回答】 これも住宅局として回答させていただくが、過去の要請の場でも、そういったものの周知を図るという説明をさせていただいているが、…(危険性等について)…新たなクリソタイルの規制ということもあるので、機会をとらえてさらに周知を図ってまいりたい。あるいは管理の徹底を呼びかけていく等のことを考えている。
[以下は、最後までひととおりの回答を終えた後のやりとり]
【大内】 今後周知を図ったていきたいということだが、具体的にその準備に入られているかどうかということと、冊子等をつくるというお考えかと思うが、そういうことを行なう場合に内容について、パブリックコメントに類したかたちで意見を求めたり、協議を行なったりするようなことはお考えか。
【古谷】 ひとつには、歌舞伎町の火災事故を契機とした、すでに行なわれた建築基準法関係の改正事項の周知の中でやろうという話がひとつあった(1-G回答)。もうひとつは、安衛法施行令改正後に、おそらく建築基準法関係の告示等の見直しということになると思うが、その改正時も含めて二段階で考えているのか。
【住宅局建築指導課回答】 今の時点で確定的なことは言えないが、すでに行なった定期報告に関する制度改正の周知の機会はあり、それは近々に行なわれる予定だと思うが、そういった中でも周知し、政令(改正)がもう少し確定した段階で、私どもの方で必要な措置をとるときに再度周知を図るといった、機会があれば、あらゆる機会をとらえて周知したいと考えている。今ご指摘いただいた2回は必ずある。そのことだけで冊子をつくるとかは、今のところ考えていないが、定期報告制度というのは建物物の所有者に建物の適正な維持管理を促すものなので、包括的な中に入れていきたいと考えている。
【古谷】 今回の改正の趣旨は防火対策の徹底。
【大内】 今後周知を図ったていきたいということだが、具体的にその準備に入られているかどうかということと、冊子等をつくるというお考えかと思うが、そういうことを行なう場合に内容について、パブリックコメントに類したかたちで意見を求めたり、協議を行なったりするようなことはお考えか。
【住宅局建築指導課回答】 そうではあるが、建築物の適切な維持管理の徹底ということが定期報告制度のもともとの趣旨であり、現在、定期報告の業務基準という解説をつくっているのだが、そのような中で、例えば、防火被覆に使われているアスベストの管理状況についても注意するような記述を入れていきたいと考えているところ。
【大内】 今まで大量に使われていた物質が建材に使われなくなるという大きな流れがあるわけなので、そういう何かの政策に補足的につけて行なうような施策ではなく、単独でアスベストについての周知が必要ではないかと思うが、そのようなお考えはないか。
【名取】 基本的な認識というか、危機感をもっていただかないと。建築に使われてきたアスベストが国民の命にどれだけの影響を与えてきたのかということを考えなければいけない。(歌舞伎町の事件で)44人の尊い命が失われたので改正をするのならば、この間の30年間でおそらく10万人ではすまないくらいの人数が建築のアスベストによって命を落とすということがもう予想されている。一瞬にして44人の命が奪われるというのはたしかに衝撃的なことだが、じわりじわりと発生していくアスベスト被害を踏まえたうえで、厚生労働省は労働者の命や健康のために禁止するということだが、国土交通省でできることがいろいろあるだろう。それを考えようということで、私たちは要望をしている。先ほど、アスベストの危険性について認知した時期から注意したと言われたが(2-A回答)、では、いつから危険性がわかったのか。昭和10年代からものの本に書かれている。アスベストは危険だと。シックハウス対策に着手されていることは承知しているが、この建材が国民にとって安全なのかということを踏まえた施策をしていただきたい。
【永倉】 具体的な話で補強したいのだが、東京都練馬区で昨年暮れ当たりから、区の施設のアスベストがどうなっているのかということで同区の営繕課等とやりとりをしてきた。そうすると、保育園を含む区民施設が325件あるうちの調査を必要とした施設が144件、そのうち吹き付けがあってグレーな部分―つまりちゃんと現地調査とかしなければならないのが19、とか出てきている。小学校、中学校、幼稚園を全部含めると433の施設から、サンプリング調査が必要だという結果。その結果は8月に公表されるので、この場には間に合わなかったが、話を聞いてみると、かなり対策をとらなくてはならないものがありそうだ。練馬区だけでも調べてみるとそれだけ出てきてしまう。国のレベルでも最低国有施設についてだけでも、そういった調査を早急にやっていただきたい。国民は、そういう危険な施設については、そこに入りたくない、子供を入れたくないという気持ちを行使する権利をもっているはずだ。権利を行使するのに必要な情報を公表してもらいたい。また、国がやれば民間にも波及するので、主導的にやっていただきたい。
E 全アスベスト含有製品の製造と流通に関する調査を製造会社が行うこと、国が責任を持って実施するよう監督指導することに関して、貴省のお考えをお聞かせいただきたい。
【回答なし】
F アスベスト対策は、省庁が垣根を越えて協力する必要のある課題であるが、既存アスベスト対策に関して、省庁連絡会議を行う必要があるか、貴省のお考えをお聞かせいただきたい。
【住宅局建築指導課回答】 省庁間の連絡会議ということではないが、すでに情報交換、あるいは担当者が相互に説明等、私どもの方から厚生労働省の状況をお聞きする等の連携を図っているところである。
2. 建設行政におけるアスベスト問題
@ 厚生労働省の「 石綿の代替化等検討委員会報告書」に示されたように、「代替不可能な建材はない」との認識をもたれているか、お聞かせいただきたい。
【住宅局建築指導課回答】 コストや現実性を捨象して、とにかく代替できるのかということであれば、おそらく代替不可能な建材はないだろうと思う。あるいは危険性の少ないもので、代替不可能な建材はないということも書かれていると思うが、私どもの方で、報告書に書かれている業界等の状況を確認したとか、書かれている以上の情報を承知しているわけではない。代替可能な建材が増えているということは、もう承知している。
A 建材の多くは、古くより石綿含有でない製品も多く、一定の耐火性能を有していたと思われる。一例を挙げれば、瓦では既存の大和瓦や厚型スレートがあり、石綿含有の化粧スレート屋根材は、健康影響を考えれば開発当初から他の鉱物繊維含有でも可能な「不要の」製品だった、との意見もある。建材に多いアスベスト含有製品が、本当に必要な製品であったのか、貴省の認識をお聞かせいただきたい。
【住宅局建築指導課回答】 ある程度の危険性が認知されるまでは、アスベストのもっている不燃性等の性能が評価されていた建材なので、私どもが不燃材料としての性能を評価している間においては、アスベスト自体の危険性が明らかになるまでは、建材として有用なものであったと認識されていたと考えているところ。
B アスベスト含有建材―屋根材、押し出し成形板、波形・平形スレート、サイディング、建設塗料等のあらゆる建材のノンアス化の状況及び見込みについて、承知されていることを、お聞かせいただきたい。
【住宅局建築指導課回答】 先ほど申し上げたように、報告書にある以上の知見を残念ながらもっているわけではない。
C 全国の自治体の営繕関係課への通達を行って、各自治体の保育園、幼稚園、公立施設の吹き付けアスベスト及びアスベスト含有建材の実態調査を早急に行うべきである。公共施設のアスベストについて、国民は情報を得、回避する権利が保証されるべきと考える。アスベストの調査結果を公表し、適切かつ十分なリスクコミュニケーションがはかられるべきと考えるが、貴省の認識をお聞かせいただきたい。
【回答なし】
D 平成6年に建設省が定めた「環境政策大綱」は、国土交通省においてどのように位置付けられているか、まず、うかがいたい(http://www.hrr.mlit.go.jp/library/kankyou/a/02.html、http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/envi/epomoc.htm)。「環境政策大綱」において、大気環境の保全の見地から、建材の有害物質対策は、どのように進められているか、お考えをお聞かせいただきたい。
【総合政策局国土環境・調整課回答】 (同大綱の説明がなされたが、テープ聞き取れず。)
【大内】 有害物質対策というものが含まれていないということか。
【総合政策局国土環境・調整課回答】 含まれていない。
【大内】 今回のようにアスベスト問題が提起される背景には、国土交通省の全体の建築行政の中でアスベスト問題が抜け落ちてしまっていることが問題だと思う。せっかく「環境政策大綱」というかたちで、「環境基本計画」に先んじてつくったものだと思うが、そういうものを省をあげてつくっているのに、それに有害物質対策が全然取り込まれていないとは、私は思っていない。中の項目によってはそのように書いてあったところもあると記憶している。盛り込まれていないとしたら、それが大きな問題だ。平成6年時点のものを、国土交通省になってからもそのままにしていることも問題。その間に有害物質対策もどんどん進んでいるので、もう一度「環境政策大綱」を見直す考えはないか。
【総合政策局国土環境・調整課回答】 (よく聞き取れない回答だが、見直しの検討はされている?)
【大内】 改訂の過程もできるわけ私たちにわかるかたちで進めていただき、意見の交換もやっていただきたい。
E 建築基準法第1条は、「この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする」とある。発がん物質であるアスベストを含んだ建材の使用は、国民の生命と健康に影響を与えており、「保護を図る」法律の目的と反していることについて、国土交通省としてはどのようにお考えか、お聞かせいただきたい。
【住宅局建築指導課回答】 国民の生命、健康を保護する法律というのは建築基準法だけでなく、他の様々な法令も含めて国民の生命、健康が守られているものであり、建築基準法において、この問題についてどう規定するか、どう対処するかは、今後、厚生労働省の定める政令等と連携しながら、必要な措置を講じてまいりたいと考えている。
【大内】 いま現時点でのアスベストへの対応が、建築基準法第1条の目的に沿って十分に行なわれているとお考えか。
【住宅局建築指導課回答】 十分かということについては、今後、厚生労働省が新規輸入あるいは製造することを禁止するということを受けて、必要な措置を考えていきたいと思う。
【名取】 建材とかが健康に影響を与えるようなものではないようにつくるという点で、労働省がやるからではなく、考えなくてはならないのではないか。
【住宅局建築指導課回答】 材料段階での規制というものについては、今まで建築基準法というのは、扱ってきていなかった分野。昨年、ホルムアルデヒドに関する規制を入れたが、それがむしろ例外であって、その他の化学物質、有害物質の規制については、環境省あるいは厚生労働省の製品の製造段階での規制というものが中心であったのではないか。先ほど申し上げたのは…(一部聞き取れず)…役割分担をしながら、規制の間に落ちないようにしながら、それぞれの責任をきちんと果たすということで国民の健康を守るということ考えている。おっしゃるとおり、私どもの方で手落ちがないかという意味では、積極的に検証していく必要性というのは認識しているものと考えている。
やはり、一番危ないのはアスベストを使って作業される方あるいは解体作業をされる方、その次に、アスベストが使われている環境で曝露する方。そういう意味では、各国の事例をみても、労働行政の方からこの問題に取り組んでいる国が多いように感じられる。シックハウスの問題で建設行政サイドが先に出たのは、通常の住居、住宅のようなところで、シックハウス問題が生じているということで、労働環境とは本来言えないということで、あった。通常の住居でもアスベスト飛散が認められるような状況にあれば、その危険性と合わせて、そういった危険性が進めば、(建築)基準法でも積極的に取り組んできたい、取り組むべき課題であると思っているが。もうひとつ日本で労働環境まで建築サイドで材料までやるべきものか(どうか)。いずれにしても先ほど申し上げたように、情報交換、連携をして、規制の間に落ちないように。
【名取】 アスベストによる病気の恐ろしいところは、40年、50年後に被害が起きてくること。いま健康被害が出ていないということで放っておくととんでもないことになる。いまのうちにできることをやっておかないといけない。
【永倉】 先ほど話した練馬区の調査のきっかけになったのは、教育センターという施設。そこは、天井が吹き付けアスベストで、露出している。幼児室、プレー室という2つの子供が遊ぶ部屋については、吹き付けアスベストにボートが打ちつけてある。下からボールをぶつけると跡がつくから、子供たちが喜んでボコボコやる。そのときに子供たちはかなり吸っているはず。ただシックハウスのようにすぐ症状が出るわけではないが、何十年後かに病気になる可能性がある。そういう状況はもうなくしていかないといけない。
【大内】 今の説明で非常に問題があると思うのは、住宅環境で一般の人が被害を受けるのと労働環境で作業する人を被害を受けることは分けて考えている。でも、建材を使うということにおいては、私たちの生活の中で、労働作業で使うのも普通のところで使うのも日常生活の中では一体化して行なわれる。建築基準法の目的の生命が労働者の生命を除外しているわけではないと思う。一体的に全部の生活を総合的に考えた中で、どのように守るかという視点をとっていただかないと、労働サイドで守るのは自分の仕事ではない、厚生労働省の仕事と分担させるようなかたちで考えるのは、法律の趣旨から外れてしまうと思う。考え方をあらためて、自分たちの法律だということで、この法律の一部を厚生労働省に預けるようなかたちでの施行の仕方はしないようにしていただきたい。
【古川】 先ほどから話に出ているが、労働と一般の環境はもう区別がなくなってきてると思う。私は、大阪からきたが、主人が中皮腫で亡くなり、労働災害として認められたが、ある知り合いが、普通の居住空間の倉庫として使われているところに、アスベストが吹き付けられている。剥がれてきて空気中に飛散している。それでも、今の法律だと何もできないことになってしまう。そういうところで一般の人たちにも危険が一杯迫っている。うちの分担、どこの分担ではなく、対処していただきたい。
【住宅局建築指導課回答】 厚生労働省との関係で責任のなすりつけあいをやっているということではなく、明らかに現時点でアスベストは気中濃度が労働環境において高いということをもって、厚生労働省の関係法令の中で規定されているもの。これが気中濃度がかなり低くても相当の危険があるというような研究が進めば、やはり一般建築物においても当然規制すべきだと思っているが、現時点では気中濃度の高い労働作業環境のような状況で危険性が指摘されているということで、それに応じた対応ということで厚生労働省が先行しているものと理解している。
【古川】 それは、おかしい。対応が手遅れになる。
【名取】 実際に、どうみても労働環境(による曝露が原因)じゃないなという中皮腫の被災者が出はじめつつあるのが現実。住居の曝露のみによる発病だということが100%明らかな事例が出てからでないと動かないというような行政のあり方は問題だ。
F 劣化した吹き付けアスベストが使用されている建築物が、適切に管理されないままで使用されている状況があることについて、どのようにお考えか、再度お聞かせいただきたい。
【住宅局建築指導課回答】 冒頭申し上げたとおり、管理についての徹底化を繰り返し周知しているところだが、手段がだんだん定例化してきているところでもあるので、今回こういった新しい政令の動きをとらえて、何らかの周知の徹底を図るような取り組みを検討してまいりたい。
G 劣化した吹き付けアスベストが使用されている建築物について、所有者や利用者に注意を喚起することは、適切な建設行政の範囲に含まれると考えるが、貴省のお考えをお聞かせいただきたい。
【住宅局建築指導課回答】 過去、数年前の要請の時にも話したことだが、例えば、定期報告制度という制度が建築基準法の中にあるが、今回若干制度を改正したところであり、改正自体は歌舞伎町の火災をとらえて改正したものだが、その改正された手続を周知、普及していく機会が今後あるから、そういう機会をとらえて、言われているような建築物の所有者、利用者への注意喚起を図ってまいりたいと考えているところ。
3. 既存のアスベスト含有建材対策
昨年の日本産業衛生学会において、吹き付けアスベストのある部屋の天井や照明器具を処理する際に、アスベストが飛散することが報告された。「既存建築物の吹き付けアスベスト粉じん飛散防止処理技術指針・同解説」に述べられた「除去作業の手順」では、吹き付けアスベスト対策は不十分である。同様に、除去業者の聞き取り調査から、アスベスト含有建材の早急な対策が必要である。作業に従事する労働者の健康影響及びリフォーム時の環境への飛散の問題であるだけでなく、建築の改築や解体の工法としての適切な施行が行われるためには、施主と業者の関係、関連業種の指導や監督、産業廃棄物対策という点でも、国土交通省の積極的な関与や検討が必要と思われる。
@ 貴省は、既存のアスベスト建材の改築や解体について、アスベストの飛散に焦点を当てた実態把握、実現可能な工法の検討等を貴省独自で行う点のお考えを、お聞かせいただきたい。
【官庁営繕部建築課回答】 私どもが発注する環境営繕に当たっては、改修の仕様書に基づいて、飛散状況等の実態把握をしながら工事を進めることになっている。
【官庁営繕部建築課営繕技術管理室回答】 付け加えると、共通仕様書については、昨年ご説明しているが、これは私どもが発注する工事に対してということで作成しているが、その影響は、官民問わず広く影響があるということで、先導的立場ということに立って、そういう観点を踏まえながら行なっている。
A 貴省が平成12年3月31日付で発出された通達「非飛散性アスベスト含有建材の取り扱いについて」(営計第44号)に基づく、平成14年度の貴省発注工事の件数及び通達の実施状況についてお聞かせいただきたい。
【官庁営繕部建築課営繕技術管理室回答】 今回、直轄工事におけるアスベスト関連改修工事の実績ということで、昨(昭和14)年度分をまとめた。
吹き付けアスベスト…工事件数 14、撤去面積(m2) 12,901
非飛散性アスベスト…工事件数 44、撤去面積(m2) 13,717
傾向として、工事件数は結構年度ごとに差がある。必ずしも減ってるとか増えているとういうかたちではないが、平成14年度については、例年よりもかなり増加している。これは、新鋭の建物が新たにつくるときに解体や改修工事の需要があるというかたち。
【古谷】 非飛散性アスベストの件数については、平成14年度版の共通仕様書が出されたことによって増えたという面はあるか。
【官庁営繕部建築課営繕技術管理室回答】 そういう影響はないと思う。
【大内】 これは、どのような調査記録に基づいて集計されたものか。
【官庁営繕部建築課営繕技術管理室回答】 国土交通省の官庁営繕直轄工事の改修工事の集計数。
【大内】 都道府県等の営繕関係の公共工事などは取りまとめていないのか。調査はできないか。
【官庁営繕部建築課営繕技術管理室回答】 われわれの方は直接の関係はない。調査は、われわれとしては難しい。
【官庁営繕部建築課回答】 権限がない。もうひとつ別に…(一部聞き取れず)…国土交通省で工事を担当する?(交渉)?工事というのがあり、これまでアスベストがどれくらい残っているのか、私どもが工事をする国の施設については調査を行っている。
【永倉】 報告書にはなっているか。
【官庁営繕部建築課回答】 報告書というほどにはなっていないが、どれくらいの件数があるかとか…
【古谷】 提供していただけないか。
【官庁営繕部建築課回答】 最初は昭和62年度。調査は何回か行なわれていて、最終は昨年度。(提供については)出せるものと出せないものがあるので、検討させていただきたい。
【大内】 物件名についても公表できないのか。
【官庁営繕部建築課回答】 われわれがすべて管理しているわけではなく、管理官庁の判断もある。
【大内】 民間の建物でも大気汚染防止法で取り壊しの申請とかを出したものは、住所や所有者も含めて全部開示されている。場所、施設名、建築年度とか、吹き付けアスベストの種類とか含有率なども調査していたら…
【官庁営繕部建築課回答】 建物を管理している官庁の了解が得られないと、私どもとしてはできない。
…若干のやりとりの後、いずれにしろ、「検討させていただく」ということに…
【古谷】 吹き付け以外の成形板等についてはどうか。
【官庁営繕部建築課回答】 成形板については、そこにある分については危険ではないと理解していて、ただ改修・解体時に影響があるということで、その際には注意が必要という立場で仕様書を書いている。
【古谷】 環境省との議論のひとつなのだが、いざ工事のときになってアスベスト含有成形板かそうでないかということではなく、あらかじめあそこにアスベスト含有成形板があることはわかっているのだから工事の時にはこうしましょうと。あらかじめ確認されていると、事態はかなり変わってくるという問題意識をもっており、その点でも、営繕部が先導役を果たしてほしいと思っている。
【官庁営繕部建築課回答】 すべてを調査するということは、吹き付けよりももっと難しい。われわれは、改修工事をやる前に確認しろと指示しており、その中では漏れはないと思っているが、どう確認するかは「施行調査」という項目に書いているので、その手法をとってやっているという状況。
【古谷】 それと、営繕部の方では、溶融固化という処理方法はやられていないのか。仕様書ではふれられていないが。
【官庁営繕部建築課回答】 いや、まったくゼロというわけではない。できないもの―配管とか鉄にくっついているものはなかなか分離が難しいので、溶融という場合もある。
【古谷】 そこらへんの技術可能性等を整理できないか。
【官庁営繕部建築課回答】 それはなかなか難しく、受け入れ先の問題があるので、受け入れ先がきちんと受け入れてもらえるかどうか、処理施設の環境がよろしいかどうか、等々の問題があるので、これは個別に対応して対処するしかない。書いてしまうと、できるのかということになってしまう。
【古谷】 皆さんのところに話が来て、判断してやっているということ?
【官庁営繕部建築課回答】 われわれが全部やっているわけではなく、各地方地方の方で判断して。
B 同通達では、「処分等」について、「一般産業廃棄物として安定型処分場で処分する」とされ、「建設副産物適正処理推進要項の解説」では、非飛散性アスベストについて、できるだけ直接埋め立て処分することが望ましいとされている。「処分等」について、「特別管理産業廃棄物として管理型処分場で埋め立て処分する」とすべきと思われるが、再度いかがお考えか。
【官庁営繕部建築課営繕技術管理室回答】 アスベスト成形板については、安定型処分場というかたちで、共通仕様書の中で記載されているが、当省の考え方としては、非飛散性アスベストについては、廃棄物の飛散及び流出を防止する構造を有する安定型処分場で処理するということで問題ないであろうと。この件については、(社)日本石綿協会のホームページでも、安定型処分場でと記載されている。そういう観点から、安定型処分場ということにしている。ただわれわれ、官庁といっても発注官庁なので、そういうものを決定する権限はない。実態を申し上げると、地方自治体、こちらは受け入れ側なので、そちらの方が安定型処分場とそういったものを決定する権限があるのだが、そちらの中では、安定型がもちろん多いのだが、管理型というところもある。だから、仕様書を今年度改訂(作業を)している。そのへんの書きぶりをちょっと実態に合わせたかたちで見直したい。
【古谷】 今年度も改訂作業をしているのか。定例は4年ごとと聞いたが。
【官庁営繕部建築課営繕技術管理室回答】 各省庁の仕様書を、昨年、統一化というかたちをやった。その中で表面上は統一化したのだが、中味でいろいろなところで検討しなければいけないというところがあったので、そういうところを来年度くらいには見直しを考えている。
4. 建設リサイクル法(建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律)
@ 「建設リサイクル法基本方針」の「非飛散性アスベストについては、粉砕することによりアスベスト粉じんが飛散するおそれがあるため、解体工事の施工及び非飛散性アスベストの処理においては、粉じん飛散を起こさないような措置を講ずる必要がある」の部分の実効性の確保について、どのようにお考えか。非飛散性アスベストの取り扱いについて、わかりやすいパンフレット等作成するお考えはないかお聞かせいただきたい。
【総合政策局建設業課回答】 建設リサイクル法は、対象建設工事について、特定建設資材廃棄物を分別し、再資源化することを義務づけている法律であり、同法に基づいて、非飛散性アスベストの取り扱いに関するパンフレット等を作成する予定はない。なお、当該箇所は、解体工事に際しての非飛散性アスベストの取り扱いの留意事項として示したものであり、具体的には、労働安全衛生法等の法令に基づいて工事を行なうべき事項であると考える。
A @の実効性について、石綿対策全国連絡会議が行ったアスベスト除去業者へのアンケート調査及び聞き取り調査(添付資料参照)では、アスベスト含有建材で、アスベスト粉じんの発生しやすい天井板などの解体の際、バールなどでこなごなに破砕して撤去し、安定型処分場へ廃棄されるケースの実態が浮き彫りにされている。アスベスト除去業者においてさえ含有建材の取り扱いは十分とは言えないが、一般の解体業者においては、「建設リサイクル法基本方針」の「非飛散性アスベストについては、粉砕することによりアスベスト粉じんが飛散するおそれがあるため、解体工事の施工及び非飛散性アスベストの処理においては、粉じん飛散を起こさないような措置を講ずる必要がある」との認識が徹底されているとは言いがたいと思われる。アスベスト除去工事に関するライセンス制度の実施等、検討するお考えはないかお聞かせいただきたい。
【総合政策局建設業課回答】 これも先ほどと同じようなことになろうかと思うが、同法に基づいて、ライセンス制度等を実施する予定はない。
【古谷】 営繕の方は以前からアスベストの危険性について問題意識をもっておられ、厚生労働省が禁止に動き出してから建築指導の方もそういう流れになってきたということを実感しているのだが、その点でいうと、昨年、一昨年も言ったと思うが、建設リサイクルの方は、法律が動き出してやらなければならないことが一杯あるということはよくわかるのだが、解体業を「業」として位置づけたわけなので、その中でアスベスト処理にもう少し前向きになっていただけないかと切望している。
【永倉】 建設リサイクル法というのが、ひとつの大きな、解体現場でアスベストを飛散させないネットにならないと、その後が抑えられない。処分場でも野放しになって出てしまう。
【古谷】 建設リサイクル法によって公認された解体業者なら、きちんとしたアスベスト工事ができるという体系にはなっていない。
【総合政策局建設業課回答】 今後どうしていくかということについては、大変失礼なのですが、本日私代理で来ていまして、皆さんの要望は伝えます。
5. 国際海事機関・バーゼル条約におけるアスベスト対策の進展状況
@ 船舶設備規定・小型船舶安全規定・小型漁船安全規則の、石綿を含む材料の使用禁止例外3品目の国内使用実績に関してお聞かせいただきたい。
【海事局舶用工業課回答】 われわれが、日本舶用工業界という団体を使ってアンケート調査を行った結果で把握している限りでは、使用実績はなかった。
A 現存船にすでに設置されているアスベスト対策に係る、バーゼル条約・IMO等における昨年以降の動向、及び、国内的な対応の方針についてお聞かせいただきたい。また、国内対応について関係業界とも相談しながら検討していこうと考えるとのお話であったが、進捗状況をうかがいたい。
【海事局安全基準課回答】 IMOにおいては、(国際海上人命安全)条約改正により、アスベストは新規使用禁止となっている。また、(船上での保守・監視のためのガイドラインについては、関係団体に情報は流しているが、具体的には船主協会とか造船工業会等と情報を共有しているところ。聞いた範囲では、強制ではないのだが、各団体等においてガイドラインに従って管理等が行なわれているとうかがっている。
【古谷】 日本語訳はないか。
【海事局安全基準課回答】 ない。それ以外の動きがあるかというと、特段の動きはない。
【海事局造船課回答】 造船課は船舶の解撤の方から関係してくるが、船舶の解撤自身は、現在、国内ではほとんど行なわれていない。人件費の低い開発途上国で行なわれている。中国、インド、パキスタン、トルコが主要解撤国になっている。解撤場―解撤ヤードというが、そこの環境保全、労働安全衛生対策ということで、バーゼル条約―UNEPの方で解撤ガイドラインを、また、IMOも船全般の観点で解撤ガイドラインを検討している。昨年12月に、UNEPの方の解撤ヤードのガイドラインが採択され、これは非強制だが、アスベストもその中にこういうふうに取り扱いなさいと書かれているが、すべての化学物質の安全取り扱いのための指針のようなものが採択されていて、今やっているところ。IMOの方は先週MEPC49というのが行なわれ、そこでガイドラインが検討され、同じように船舶に装備されているアスベストを含めて、どこにどういうふうに配置されているかということを、解撤ヤードにもっていたときに先ほどの危険物質の取り扱いを踏まえて壊すにあたって必要な情報として、インベントリー・リストというものをつくっていきましょうということが。まだ決まったわけではなく、秋以降に開かれる総会で採択される予定である。あとILOのガイドラインが、労働安全衛生の観点から議論されており、本来5月当たりに会議が開かれて採択される方向になっていたのだが、SARSの影響で延期され、いつ開かれるかまだ決まっていない。ともかく、船舶の解撤ということで、アスベストを含む有害物質の取り扱いについては、そのような状況である。
【古谷】 昨年から「シップリサイクル検討会」が開かれているとのことだったが。
【海事局造船課回答】 いま申し上げたような動きに対する国際対応をどうしていくか。日本では実際には解撤は行なっていないので、船主責任。それから、どこに有害物質が使われているか、新しい船については当然アスベストはないのだが、既存船について、インベントリー・リストを、製造物責任というかそういう立場で関わっており、そのことの対応を決めるために「シップリサイクル検討会」を開いており、去年以降、4月25日に開き、先ほど申し上げたMEPC49におけるわが国の対応についても一応ここで検討した。
【古谷】 インベントリー・リストについては、IMOの次回の総会で決まると思うが、国内的にそれにどう対応していく方向か。
【海事局造船課回答】 IMOのガイドラインは非強制だが、そういう流れになっていく、採択されれば。今まだ結局、国際会議でのガイドラインの内容についての議論になっているので、決まってからの…。
IMOの総会後には、検討会を開こうと考えている。
【古谷】 この前に建築物に関する話をしていたのだが、アスベストがここにあるということがあらかじめわかっていれば、改修・解体等の時に非常に大事なことで、船舶の方が先行してやられることになると思う。強制か非強制かは別として。
【海事局造船課回答】 流れとしては、そういうこと。
【永倉】 非強制ということになると、インベストリー・リストについて、国土交通省の方で集約するということにはならないか。
【海事局造船課回答】 まだ実際どこでどうやるかということは。結局、ある程度の強制化をにらんだかたちになるので、まだ今のところ考えていない。造船課は、船を造る生産会社を所管する立場なので、船が解体されるまでそういうことを強制的にもたせるということは、造船所ということをを離れてしまうので、今のところ返答のしようがない。 |
文部省科学交渉
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2003年7月23日(水)13:30〜14:45
文部科学省10階第2会議室
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文部科学省側出席者
@ 高等教育局私学部私学行政課 法規係長 森下平
A高等教育局私学部私学助成課 助成第4係長 千々松範朗
B高等教育局私学部私学助成課 庶務・調査係長 山内勝
C高等教育局学生課 厚生係主任 森次郎
D高等教育局学生課 渡辺暢子
E高等教育局学生課調査係 文部科学事務官 黒田美穂
F初等中等教育局財務課給与係 主任 渡辺暢子
G初等中等教育局教育課程課教育課程係 教育課程総括係長 藤原志保
H初等中等教育局児童生徒課 就学奨励係長 竹井久幸
I初等中等教育局幼児教育課 振興係長 西哲郎
J初等中等教育局施設助成課 法規係長 水畑順作
K初等中等教育局施設助成課技術係 文部科学事務官 栗本和良
L大臣官房文教施設部計画課 (国立学校担当) にし
M大臣官房文教施設部施設課 ?
N大臣官房総務課法令審議室 文部科学事務官 池田桂周
(窓口: 大臣官房総務課法令審議室 三宅隆悟、TEL 3580-1045/FAX 3591-8072)
全国連側出席者
11名: 古谷杉郎、永倉冬史、名取雄司、大内加寿子、林充孝、宇野林蔵、外山尚紀、古川和子、大森華恵子、大森美華子、宗像正男
【文部科学省要請前文】
旧文部省においては、学校の吹き付けアスベストの問題が社会問題化した1987〜1989年当時に、以下のような通知等を発して、対策や注意喚起を促しました。
1987.5.11 文部省教育助成局施設助成課技術係長「公立学校建築仕上調査について」
1987.9.24 文部省初等中等教育局幼稚園課振興係「私立幼稚園園舎仕上調査について」
1987.11.11 文部大臣官房文教施設部指導課長(国施指第4号)「アスベスト(石綿)による大気汚染の未然防止等について」
1988.7.9 文部省大臣官房文教施設部指導課長「吹付けアスベスト(石綿)粉じん飛散防止処理技術等に関する参考資料の送付について」
1989.5.31 文部大臣裁定(文高助第63号)「私立学校施設整備費補助金(私立高等学校等緊急建物環境整備費)交付要綱」(1989〜1992年度の時限措置)
これらによって、幼稚園、小中高等学校、大学等の教育関連施設のアスベスト使用状況についての確認が行なわれたものと承知しています。しかし当時の調査は、調査の指示自体が、
@昭和51年度以前に建設された建物、A天井の仕上げのうち吹き付け石綿が使用されているもの、に限定されていました(1987.5.11事務連絡)。
吹き付け石綿の商標の例としては、トムレックス、ブロベスト、コーベックスの3商品のみがあげられ、「次の製品は吹き付け石綿でないので注意すること」として15商品が示されました。しかし、広く参考書として利用されている(財)日本建築センター『既存建築物の吹付けアスベスト粉じん飛散防止処理技術指針・同解説』(1988)では、吹き付けアスベストの商品名は8つあげられ、上述の「吹き付け石綿でない」としてあげられた15商品のうち、オパベストは吹き付けアスベストの商品名として、他の10商品は「アスベストを含有する吹き付けロックウールの商品名」としてあげられているのです。しかも、同書の商品名リストが不完全なものであるという石綿対策全国連絡会議の指摘を受けて、1992年の改訂版から、「例示」であることを明記したうえ、吹き付けアスベスト1商品、アスベスト含有ロックウール4商品の名称が追加されて、以降の環境省や東京都のマニュアル等で踏襲されるようになりました。アスベストを含有する吹き付けひる石(バーミキュライト)、パーライト吹き付け、発泡けい酸ソーダ吹き付け石綿等もあること、吹き付け石綿が使用されなくなったとされる昭和51年以降も昭和55年以前の施工では吹き付けロックウールにアスベストが含有されている場合があること、も明記されるようになっています。
また、当時の調査指示では、吹き付け石綿工法では「石膏ボード等による天井は張っていない」とわざわざことわり書きしてありますが、現実には天井が張られている事例は多々あり、天井裏の確認が不可欠です。別添の「『アスベスト除去に関する緊急アンケート』調査及び聞き取り調査結果」[省略]にあるように、そのような場合、天井裏の吹き付け石綿除去の前の天井に取り付けられた照明器具等や天井板等の撤去時のアスベスト飛散防止対策が問題となります。
当時の実態調査は、吹き付けアスベストに限った使用実態調査としても、不十分なものであったと指摘せざるを得ません。
さらに、例えば1998年に川崎市の保育園で鉄製のひさし屋根に張られたアスベスト・フェルト材が問題となり、同市では、1987年当時の実態調査は吹き付けしか対象としていなかったことから、あらためて市の関連施設のアスベスト使用実態調査を実施したうえで、「川崎市アスベスト(石綿)対策推進方針」を策定し直しました。その後、横浜市、神奈川県でも同様の実態調査の見直しが行なわれるなど、吹き付け以外のアスベスト含有建材の実態調査・対策を見直す動きも見られますが、全国的にひろがっているとは言えない状況です。
行政が建築工事を発注する場合の手引きとして用いられている国土交通省の「建築改修工事共通仕様書」の平成14年版では、「9章
環境配慮(グリーン工事)」という章を新たに立てて、法規制の不十分なアスベスト成形板等の「非飛散性アスベスト含有建材」の処理工事においても、吹き付けアスベスト除去工事と同様の対策をとるべきことが明示されました。
アスベストに対する法規制自体も1987年当時と比べると様変わりしているといえ、なかでも1992年の廃棄物処理及び清掃に関する法律の改正、1995年の労働安全衛生法令の改正、1996年の大気汚染防止法令の改正などは、教育施設のアスベスト管理にも大いに関連するものであったと考えられます。
一方で、教育関連施設からアスベストがなくなったわけではないうえに、アスベストの存在の確認不十分、対策(対処方針)の未確立・未周知、アスベストの存在や対策(対処方針)の関係者への未周知、さらには、関係法令や自治体条例等に違反した不法工事がまかり通るといった事態さえ、決して稀とは言えない状況が続いています。その一端は、2000年に東京都文京区さしがや保育園で起きたアスベスト飛散事件にあらわれていますし、この事件に関連して昨年、NHKが東京都23区に調査を行なった結果、自治体でのアスベスト対策にきわめてバラツキが見られると報じられました。
残念ながら、法令等を遵守すべきことを一般的に確認するだけでは、児童・生徒等関係者の発がん物質・アスベストの曝露を予防するうえで不十分と言わざるを得ないと考えています。とくに幼年・若年時にアスベストの存在する環境で過ごすことや、違法工事等による曝露を受けることによる、児童・生徒等の健康に与える長期的リスクは、それ自体一層の解明を必要とする課題であるとともに、成人の場合以上にリスクを高める可能性があることから、予防対策の確保を厳重のうえにも厳重に確保すべきです。
厚生労働省がアスベストの使用等の原則全面禁止を実行しようとしている今こそ、全国の幼稚園、小学校、中学校、高等学校、大学等の教育関連施設におけるアスベスト対策をもう一度見直す絶好の機会なのではないかと考え、以下のとおり要請する次第です。
@ 1987年当時の吹き付けアスベストに係る実態調査で確認された吹き付けアスベストのその後の処理状況のフォローアップ、及び1990年以降の旧文部省・文部科学省の教育関連施設のアスベスト対策に係る施策について示(資料・文書は提供)していただきたい。
【大臣官房文教施設部計画課回答】 国立学校を担当している。国立大学と国立学校の吹き付けアスベストについては、昭和62年度の実態調査に基づき、その当時30万m2が発見されている。その後、平成12年度までに、さらに発見されたものも含めて約32万m2の処理をした。これにより、昭和62年度実態調査に伴う国立学校施設のアスベスト対策については、おおむね完了したのではないかと考えている。
【初等中等教育局施設助成課回答】 吹き付けアスベストの実態調査については、昭和62年に、全国の公立学校約4万校を対象にして、実態調査を実施した。その結果、1,337校について、使用状況が確認されている。その後、平成10年に再度調査を行い、1,318校で吹き付けアスベスト対策工事が完了していることが確認できた。これによって、公立学校施設のアスベスト対策については、おおむね完了したと考えているが、国庫補助の面については、62年に調査したときに、「公立学校の大規模改造事業」という補助事業があって、その中でアスベスト対策について国庫補助の対象とし、補助を行っているところ。この補助については、まだ今日まで続けて補助をしている状況である。
【古谷】 事業実績もあるのか。現在も利用されているということか。
【初等中等教育局施設助成課回答】 はい。
【回答】 私立学校については、平成元年と平成2年の2年間だが、「私立高等学校等緊急建物環境整備費補助」ということで、アスベスト対策の補助をさせていただいている。この当時調査をしていて、2年で事業を終了しているので、基本的には、当時、工事をやるべきところについては、われわれのこの補助を使っていただき、ほとんどの学校がやっていただいていると思ってはいるが、文書保存年限の問題等もあり、当時の詳細な資料は残っていない。当時、3年の計画でやっていたものを2年に短縮ということでやっているので、ほとんどの学校は終えているものと思う。
【回答】 公立と私立の幼稚園について説明させていただく。まず、公立の方だが、昭和62年当時、アスベストの使用施設は39園あり、それ以降追加調査を行った時点では、39園の内36園が国庫補助金等によって改修済み。また、専門業者等により、アスベストが表出していない等によって、工事が必要ないとされた施設が2園あったので、追加調査当時は工事が必要となるのは1園となっていた。私立幼稚園についても、アスベストを使用する施設は、62年当時では202園、その内国庫補助により改修された施設が121園、公立同様、業者等により改修工事が必要ないとされた施設が74園あり、追加調査時には7園が工事が必要となっていて、現在も、公立・私立ともに、補助制度は残っており、随時、改修の方は補助対象としているが、近年については、補助実績は特にない。
【名取】 追加調査を行った年限は。
【回答】 平成5年。
【古谷】 (資料が残っていないとした)私立学校以外は、いまお話しいただいたことの資料を提供していただけないか。
【回答】 公表ペーパーは、今のところない。
【古谷】 公表用につくったものでなくとも、午前中国土交通省とも話し合ったのだが、営繕課で管理している施設について過去3回行っている調査の資料を、公表を前提とした資料ではないが、どのようなかたちで提供できるか検討してもらっている。検討いただけないか。
【大臣官房文教施設部施設課回答】 要望事項1の後段と2、3、4、5まとめて文部科学省全体のことということで話させていただく。
学校施設等におけるアスベスト対策については、「アスベストによる大気汚染の未然防止等について」(1987.11.11)という通知を発出しており、これにより、関係法令、それから関係省庁の通知なども出ているので、それらを遵守して、地方公共団体の関係部局―学校を所轄している関係部局と他の関係部局もあるので―そちらと十分調整していただいて、適切な作業が行われるよう指導してきたところである。また、「吹き付けアスベスト粉じん飛散防止等に関する参考書の送付について」という通知を翌年発出しているが、この通知により、ご承知の『既存建築物の吹付けアスベスト粉じん飛散防止処理技術指針・同解説』(1988、日本建築センター)や、これらの資料を参考にして適切な作業が行なわれるよう指導をしてきたところである。
これらをもとに、アスベスト対策については予算措置をしてきた。それらについて、お手元に参考資料として、配布させていただいた(以下に掲載)。
アスベスト対策に係る予算措置について
【国立学校】
国立学校における吹き付けアスベスト対策工事については、国立学校において既存施設の改修計画を策定し、その一環として対策が進められてきたところである。
【公立学校】
公立学校の吹き付けアスベスト対策工事については、昭和62年度(高等学校及び特殊教育諸学校の高等部は平成元年度)から公立学校施設整備費国庫補助制度における大規模改造事業の補助対象工事に加え、設置者から申請があれば、優先的に採択している。
【私立学校】
私立学校については、改修・改築のための日本私立学校振興・共済事業団の融資については、通常よりも有利な条件で融資するとともに、平成元年度から2年度まで、私立高等学校等に使用されていた吹き付けアスベストの撤去・改修工事に対する時限的な緊急対策として、私立高等学校等緊急建物環境整備費補助を実施し、当該工事に要する経費の一部補助を行なった。 |
先ほど各国公私立ごとに、処理状況ということで、その中でも少しふれさせていただいているが、国立学校については、既存施設の改修計画ということで策定し、その一環として対策が進められてきたところ。公立学校については、昭和62年度、一部平成元年度ということだが、公立学校施設整備費国庫補助制度というのがあり、そちらの中の大規模改造事業の対象として加え、設置者から申請があったところに、優先的に採択してきたところ。私立学校についても、融資等について、通常よりも有利な条件で融資するなどの対策をとって、吹き付けアスベストの撤去・改修工事に対する時限的な緊急対策として、私立高等学校等緊急建物環境整備費補助を実施して、対策の推進を図ってきたところ。
こういう対策をとってきたところであるが、関係法令、関係省庁の通知等を遵守することを、先ほどの通知で言っているが、これらをあらためて周知するということから、諸会議―教育委員会とか、学校管理者を集めた会議等があるので、こういった会議等を通じて、地方公共団体等の学校の設置者に対して、適切な作業が進められるように指導を図ってきたところである。
【古谷】 それ以降は、アスベスト対策に特化した通知等はだされていないということでよいか。
【大臣官房文教施設部施設課回答】 はい。
A 吹き付けアスベスト以外のアスベスト含有建材を含めた、教育関連施設におけるアスベストの使用実態調査をあらためて実施されたい。
【大臣官房文教施設部施設課回答】 吹き付けアスベストについては、先ほど、実態調査、処理状況等について、説明させていただいたが、当時、剥落等により、児童・生徒への健康への影響というのが非常に問題になり、そうしたものに早急に対策をとる必要があるという観点から、その実態を調査して、先ほど述べた予算措置等を講じてきた。
吹き付けアスベスト以外のアスベスト含有建材、いま非飛散性アスベスト建材とか言われているが、それについては、セメント等によって固定されているということで、旧厚生省、通産省などから通達が出ているが、その中で、良好な状態にある材料については、加工等の??を行なわない限りは、飛散のおそれはないと言われている。また、学校教育法というのがあり、この法律の中で、学校の設置者により、それと、設置者が設置する学校を管理する者、というのが法律上うたわれている。アスベストの実態把握についても、当該学校の施設の管理の一環ということなので、当該学校の設置者が適切に判断されるものとして考えており、国として一律に調査するということは、現在のところ、考えていない。
アスベスト含有建材が使用されているということで、そういったものを建築物の解体とか、改修する場合には、対策が必要だということで、まず事前に、設計図などによって、使用されている建材の処理等を確認することが大切だと思っている。アスベストを含む建材が使用されていることが確認された場合については、関係法令とか、関係省庁の通知等を遵守し、適切な作業を行い、大気汚染等の問題を起こさないよう、先ほども申し上げたが、諸会議等を通じて、各教育委員会等に周知を図っているところである。
B 法令の改正等も踏まえた、現時点における、教育関連施設におけるアスベストの対処方針の原則、及び、改修・解体・除去等工事、廃棄物処理に係る対策を示していただきたい。
【大臣官房文教施設部施設課回答】 改築・増築・改修等の工事を行う場合においては、工事に伴う??、健康、安全、学習、それから生活に支障の生ずることがないよう十分注意することが、当然重要であると考えている。学校におけるアスベストの処理については、大気汚染防止法とか廃棄物の処理及び清掃に関する法律などの規定に基づき、適切に実施されるべきものと考えている。これまでも、 @のところ
でも話しているが、「アスベストによる大気汚染の未然防止等について」という通知も発出しており、関係法令、関係省庁の通知を遵守して、適切な作業が行なわれるよう、地方公共団体等の学校の設置者に対して、指導を行なってきたところである。
また、関連法令等の改訂については、諸会議等を開催しているので、それら会議を通じて、地方公共団体等の学校の設置者に対して、関連の周知をしてきたところである。今後とも、諸会議等を通じて、地方公共団体等の学校の設置者に対して、アスベストの適切な処理については、これからも指導を図っていきたいと考えている。
C アスベスト飛散の可能性のある改修・解体・除去等工事は、夏休み等の児童・生徒その他の者が施設に立ち入らない状況のもとで行なうという原則を確立するとともに、施設の再利用(児童・生徒その他の者の再入場)を許可する基準を策定していただきたい。
【大臣官房文教施設部施設課回答】 増築、一部改築、改修などの工事を実施する場合においては、児童・生徒などの工事関係者以外の者が、工事範囲にやっているときに立ち入らない状況のもとで行なうということは、当然、守るべき事項であると考えている。施設の再利用に関しては、関連法令に基づいた適切な作業が行なわれた後で開始されるものと認識しているが、アスベストの処理の実施については、先ほどから申し上げているように、関連法令を遵守し、『既存建築物の吹付けアスベスト粉じん飛散防止処理技術指針・同解説』といった指針等に基づいて適切な作業が行なわれるよう、地方公共団体等の学校の設置者に対して、指導を行なってきたところである。
D 教育関連施設に存在するアスベストに関する情報を、児童・生徒及び父兄、教職員等に公表し、対策(対処方針)の策定及びフォローアップに参加させることを含めた、適切かつ十分なリスクコミュニケーションをはかる方針を確立していただきたい。
【大臣官房文教施設部施設課回答】 一般的ではあるが、学校施設の整備に関しては、学校、家庭、地域等の参画により、総合的に計画することというのが、条例であると考えている。また、より効果的、効率的な施設運営を行なっていくためにも、施設の関係者において、継続的に施設使用者と情報交換等を行っていくことについては、非常に有効であるとも考えている。これらのことを踏まえて、児童・生徒、教職員などとの適切な情報交換の重要性については、今後とも、諸会議等において、呼びかけてまいりたいと考えている。なお、これらの学校、家庭、地域などの参画だとか、情報交換の方法などの紹介については、各地方公共団体等の学校の設置者において、個々の学校の状況とか地域の状況等、いろいろな状況があるので、それらの状況を踏まえて適切に判断されて進められるべきものと考えている。
【名取】 私も数年前までは、皆さんと同じように、吹き付けアスベスト関連の諸対策は、10数年前の対策で十分でうまくできているのかと思っていたのだが、実際にある自治体で、設計図をもとに建物を調査しただけではなく、実際に現場に行って天井の点検口を開けてみると、中に吹いてあることがすぐわかる。確認させていただいたところ、残念ながら小学校も含めて、設計図面では記載のないところに吹き付けがある、逆に吹き付けがあるとされたところにはない、というように設計図面だけでは不十分なところがだいぶあるということを経験して、どうも10数年前の調査の仕方ではだいぶだめなところがあるとわかった。実際に、吹き付けされていることを知らずに、リフォーム工事が実施されてしまう。それから、当時文部省で出された吹き付けアスベストは、3つの商品しか指定していないので、残りの商品はチェックしていなかった、と実際の担当者も言っている。さらに、吹き付けアスベスト以外のロックウール、岩綿吹き付けとかひる石吹き付けにも、1975年から1980年くらいまでアスベストが混入していたということも、例えば環境省でもあとで認めた。そうすると、1980年代の終わりに文部省が行った調査をもとにして、どうこうということではなく、そこで落ちている比率が―正確にはわからないが―どうも2割、3割ありそうだということが、この数年のうちにわかってきたので、再度今年は、もう一度新たな気持ちで調査をしないと落ちてしまうということで要望させていただいた。そういう意味で、もう一度調査をし直されたらどうかということなのだが、そのへんをどのようにお考えか。
【大臣官房文教施設部施設課回答】 昭和62年の調査の時点で、吹き付けアスベストの商品名が限定されていたということで、緊急性がある、早急に調べる必要があるということで、考えていた。その後、3商品以外のものも認められた、ロックウール(吹き付け)等についてもあるという話は、先ほどの『指針』等の中にも入っている。62年の調査の時には、そういったものを点検・調査して、飛散防止等を確保するという観点でやった。その後の対策については、通知等を出して、『指針』の中にも3種類以外のものも入っているので、この通知においては3種類以外のもの、それからロックウールについても対象になっている。
【古谷】 そういうことではなく、私たちが指摘して、5年ほど前に変わった(アスベスト対策情報No.24(1998.7.1)及びNo.26(1999.8.1)20頁参照)。新しいものではさらに増えている。
【大臣官房文教施設部施設課回答】 (日本)建築センターの方に、これ(『指針』)の改訂版が出ているかどうか尋ねたのだが、改訂版まではまだ出ていないということだった。
【古谷】 正誤表というかたちではさまれるようになっているはず。
【大臣官房文教施設部施設課回答】 正誤表も取り寄せようとしたのだが、建築センターの方で、ないと言われて…
【古谷】 環境庁の『建築物解体等に係るアスベスト飛散防止対策マニュアル』(1999、ぎょうせい)には、変わった、追加された商品名のリストが掲載されている。
【名取】 そういう前の調査だったので、見過ごしていたということが、実際に出てきている。
【永倉】 3種類の商品名だけだっただけではなく、「次の商品名については吹き付け石綿ではないので注意すること」として15品目あげてあるうちに吹き付け石綿があった。緊急性ということはもちろんあったにしろ、最初の調査から事実漏れてしまったものがあったことは確か。東京都の練馬区での話だが、区にアスベストの調査票を教えてほしいと申し入れたところ、昭和62年の調査については「ない」と。それでは除去工事はどうやっているのかと聞いたところ、当時の調査に基づいたアスベスト除去を行なっているという回答があったのだが、それについていろいろ調べてもらったところ、練馬区の小中学校の施設が全部で103あるのだが、その中で少なくとも成分分析調査を行なわなければいけないような吹き付け材がある学校が47校出てきている。それらについてはサンプリング調査をしてもらい、早急に手当をしなければいけない学校も出てきているようだ。正式な回答は8月にもらうことになっているのだが、練馬区だけでもそういう実態。昭和62年に調査を行ったからアスベスト問題は終わったという認識は、たぶん全国の教育委員会等でももっているだろう。実際にそういう話を聞く。それでは当時の調査記録を見せてほしいときくと、保存年限が切れていると。そういう実態だ。
【名取】 私の場合は文京区だが、実際に現場に行ってみると、例えば、小学校の体育館の器具庫工事の上に吹き付けてあって、ボールが当たった跡がへこんでいる。吹き付けアスベストの処理は終わったと思っていたのだが、どうも実態は違うぞということを、現場で増えてきているので、踏まえて考えていただきたい。
【古谷】 1986年当時のことを否定しているのではなく、その後にいろいろ新しい知見も出ているし、法規制も大きく変わっている。とくに国土交通省の共通仕様書が、去年変わっているし、午前中話をしてきたら、来年も変わるということだ。アスベスト処理が大きく変わってきている。法令の規制の対象になっている吹き付けだけでなく、アスベスト成形板等もそれに準じてやりなさいということになってきている。そういう新しい状況に対応できているのかということ。今もいくつか出されたが、川崎市の保育園から出てきた話から、神奈川県でも調べたら高等学校の施設等で(1986年当時の調査漏れが)どんどん出てきている。自治体レベルでは、(1986年当時の)方針を変更しているところが出てきている。文京区の事件は今ちょうど最中だが、不法工事による子供たちへの健康影響を踏まえた報告書が近々まとまる予定。新しい流れと今の状況を踏まえた検討をお願いしたいのだ。
【大内】 アスベスト問題は、学校の吹き付けアスベスト問題からひろがっていったと思う。国会でも問題となったと思うが、それの結果の報告が国民に対してなされていないことが大きな問題だ。10何年も年月が経って、いま説明されたような、処理がこれだけ進められたということが、事実として伝わっていないということも問題。どのように、いつ、どんなかたちでやってきたかということを、もう少しきちんと示していただきたいと思うが、そういうことをホームページなりで出して示す必要がある。
【永倉】 去年、信州大学附属の松本小学校の工事改修の時に、父兄の方から連絡があった。どうもアスベストの工事をやるようなのだが、校長先生も教頭先生もどうもアスベストのことを全然知らないようだ。どうしたら、誰に相談したら、子供たちを守れるのですかという相談だった。そういう話が他からも来ます。そういうことをきちんとやっていただきたい。危険なところに子供を置かないという権利を保証していただきたい。
【大内】 当時の調査では、(調査を)やっていない部分もあったと伝えられているが、実際にどの程度の調査が行われたのか。調査方法なども、詳しくどういうところを調査したのかということも教えていただきたい。処理も行なわれたということだが、すべて除去になっているのか。
【大臣官房文教施設部計画課回答】 国立学校については、当時あった、除去、封じ込め、囲い込みとかいったそういう対応をしている。
【大内】 ということは、封じ込めや囲い込みで、アスベストがまだ残っているところもあるということか。
【大臣官房文教施設部計画課回答】 おっしゃるとおり。
【大内】 では、32万m2のうち、どのくらい残っているのか。
【大臣官房文教施設部計画課回答】 そこのところについては確認されていないが、当然今後、そういった施設については、改修とか改築等を進めているわけで、その中で当然、封じ込めされているものについては、除去していくという手法をとっている。
【大内】 32万m2処理されたといっても、封じ込めだったらまだ実際に残っているし、薬剤が剥がれたりする場合もあるのだから、処理されたことにはならないのではないか。
【大臣官房文教施設部計画課回答】 当時、対策については、そういう処理をすると(いうことになっていた)。そういう処理をすることによって、安定された状態になる。安定された状態になるということは、厚生省の通知等においては、健康上の被害はないとされていることから。そのままにしておくことが、将来ともに安全だということは誰も言えないことだ。そういう面から、改修・改築等の学校の計画に伴って、その一環で処理を考えている。
【古谷】 今回、要望させていただいたもうひとつの理由は、お聞きおよびと思うが、厚生労働省がいよいよアスベスト含有建材等を禁止しようという作業を進めているということ。そうすると、残るのは、すでに使われてしまっている建材等をどのように処理していくのかという問題だ。その中で教育施設についてどうしていくのか。したがって、もう一度アスベスト問題が脚光を浴びる可能性も含めて…
【名取】 たぶんそういう中で、10年前のものが少し古かったなと。吹き付けアスベストでも違ったし、建材もきちんとやらなければいけない。この1、2年に、そこを充実しなければいけない時期だ。
【古谷】 当時の処理方針に従っていてもまだ残っている、当時みていないアスベスト建材や含有物があって、その問題は終わっていないということ。川崎市の再調査のきっかけはアスベスト・フェルト材で、これも(1986年)当時の調査からは漏れていた。指摘されたように、当時の指示に従っていても、設計図書をみただけでは把握できないものもある。天井を開けてみればわかる。本当に現場で見てほしい。
【名取】 小中学校で30か所の現場を見てまわれば、必ず、あれっと思いますよ。
【永倉】 現場の人は本当に知らない。何かも知らないし、危険性も知らない。知って、それからパニックになる。
【古谷】 久しぶりの機会で、また同じかたちで再度ということにはルールもあるのでしょうが、この場限りでまた来年ということではなくて、それぞれの部署で早急に考えていただきたいと思うので、よろしくお願いしたい。
※ この交渉(7月23日)の後に、以下の通達が出された。15年の空白をこの一片の文書だけをもって埋めることは困難と思われます。
学校におけるアスベスト(石綿)対策について
平成15年10月1日付け各都道府県教育委員会施設主管課宛て
文部科学省大臣官房文教施設部施設企画課及び
文部科学省初等中等教育局施設助成課連名の事務連絡
学校の室内環境は安全で快適なものとする必要があることから、従来より、アスベスト(石綿)対策については、「アスベスト(石綿)による大気汚染の未然防止について(通知)」(昭和62年11月11日付け62国施指第4号)、及び「吹き付けアスベスト(石綿)粉塵飛散防止処理技術等に関する参考資料の送付について(通知)」(昭和63年7月9日付け63国施指第4号)等により適切な対応をお願いしてきているところであります。
このたび、各学校等における最近の対策状況等を踏まえ、別紙のとおり、学校におけるアスベスト対策に関連する留意事項を取りまとめましたので、より一層のご配慮をお願いします。また、アスベスト対策工事に係る国庫補助制度を活用してアスベスト対策が推進されるようお願いします。
さらに、このことについて、域内の市区町村教育委員会に対しても周知されるよう併せてお願いします。
間合わせ先
[施設の整備に関すること] 大臣官房文教施設部施設企画課指導第三係 電話 03-5253-4111(内線2292)
[国庫補助制度に関すること] 初等中等教育局施設助成課技術係 電話 03-5253-4111(内線 2078、2051)
(別 紙)
1. アスベスト対策の留意事項について
(1) 「特定化学物質等障害予防規則」(昭和47年9月30日労働省令第39号)が平成7年1月26日に改正され、石綿を1%を超えて含有する「吹付けロックウール」、「吹付けひる石」、「パーライト吹付け」、「発泡けい酸ソーダ吹付け石綿」等についても「労働安全衛生法」等の規制の対象とされていること。
(2) 経年変化で劣化したり、ひっかくなどにより損傷のある吹き付け材の場合、建築物内のアスベスト繊維の濃度が周辺環境大気中の濃度より高くなっている可能性があり、その際は、適切な処置を検討する必要があること。
(3) 除去工事等の実施にあたっては、アスベストの環境大気中への排出抑制等について配慮するとともに、関係法令及び関係省庁の通知等を遵守し、地方公共団体の大気保全部(局)等関係部局と十分連絡調整のうえ、適切な作業を行うこと。
また、既存建築物へ施工された吹付けアスベストに関する調査・診断方法及び粉じんの飛散防止の処理方法については、「既存建築物の吹付けアスベスト粉じん飛散防止処理技術指針・同解説」(日本建築センター)や「建築物解体等に伴う石綿飛散防止対策について」(環境省)等を参考として適切に行うこと。
2. アスベスト対策工事に係る国庫補助制度について
(1) 大規模改造事業(法令等に適合させるための内部改造工事)
アスベスト対策工事(除去、封じ込め、囲い込み)について補助対象としている。
(2) 大規模改造事業(老朽施設改造工事)
大規模な老朽改修工事等を実施する際のアスベスト対策工事(除去、封じ込め、囲い込み)について補助対象としている。
(3) 改築事業
改築の際のアスベスト撤去工事費について補助対象としている。
(主な関連法令)
労働安全衛生法(昭和47年6月8日法律第57号平成15年7月2日改正)
労働安全衛生法施行令(昭和47年8月19日 政令第318号平成13年3月28日改正)
特定化学物質等障害予防規則(昭和47年9月30日労働省令第39号 平成13年7月16日改正)
大気汚染防止法(昭和43年法律第97号 平成15年6月18日改正)
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号 平成15年6月18日改正)
(主な参考文献等)
既存建築物の吹付けアスベスト粉じん飛散防止処理技術指針・同解説
日本建築センター 平成4年7月
建築物解体等に伴う石綿飛散防止対策について
環境省環境管理局大気環境課 平成13年3月
既存公立小中学校施設の適切な維持管理
及び環境保全について
平成l5年9月19日付け15教学義第793号
各区市町村教育委員会施設主管課長宛て東京都教育庁学務部義務教育心身障害教育課長通知
貴教育委員会におかれましては、小中学校の維持管理等について、日頃から建物修繕や校内環境保全などにご努力されていることと思います。
最近、建物解体時等に公共施設や学校施設等において、アスベスト含有材の存在が判明した等の情報もありますので、各設置者及び学校におかれましては、この点につきましても、適切な維持管理・環境保全に努められますようお願い致します。
大規模改造事業の「アスベスト対策工事等に対する補助」につきましては平浅10年度をもって終了しており、公立学校施設整備事務ハンドブック(平成15年度版)及び平成15年4月1日付け「平成15年度大規模改造事業に当たっての留意事項(15文科初第12号別添)」
には補助項目として明記されておりませんが、アスベスト含有材への対策工事については、大規模改造事業の「法令等に適合させるための改造工事」により補助対象とすることが可能である旨、文部科学省に確認いたしました。
なお、上記の補助につきましては、個別対応とされておりますので、既存施設にアスベスト含有材の使用が判明し、対策工事を必要とされる区市町村につきましては、早急に当課にご相談下さいますよう重ねてお願い致します。
[別添]
第2節 補助事業の概要
8 大規模改造事業
1 趣 旨
経年により、通常発生する学校建物の損耗、機能低下に対する復旧措置及び建物の用途変更に伴う改装等の大規模工事を促進する(国が補助を行う)ことにより、教育環境の改善を図り、もって学校教育の円滑な実施に資するとともに、あわせて建物の耐久性の確保を確保を図る。
2 補助率
一般地―1/3
財政力指数1.00超の地方公共団体―2/7
3 補助対象校
公立幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特殊教育諸学校、中等教育学校
4 補助基本額
原則として7,000万円〜2億円
5 補助対象事業
[ア、イ、省略]
ウ 法令等に適合させるための改造工事(昭和63〜)
@ 補助対象工事
a. 消防法、水道法等の法令に適合させるための改造工事
※防火扉、火災報知機、下水道への接続工事など
b. PCBを使用した照明器具の交換工事等
A 補助対象工事費: 400万円〜2億円
[エ以下、省略]
※ これは、練馬区の問題がテレビで報じられた直後に、東京都が文部科学省に問い合わせた後、発した通知である。 |
環境省交渉
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2003年7月23日(水)14:30〜15:30 環境省1階共用第2会議室 |
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環境省側出席者
@大臣官房廃棄物・リサイクル対策部廃棄物対策課 課長補佐 烏山
A大臣官房廃棄物・リサイクル対策部適正処理推進室特別廃棄物調査係 係長 宮野尾
B大臣官房廃棄物・リサイクル対策部リサイクル推進室包装リサイクル企画係 係長 森本
C総合環境政策局環境保健部環境安全課 課長補佐 福島
D環境管理局大気環境課排出規制係 係長 古川一美
E環境管理局大気環境課排出規制係 係員 服部麻友子
(窓口: 大臣官房政策評価広報課環境対策調査室相談係 岩本宏幸、TEL 5521-8214/FAX 3591-5939)
全国連側出席者
11名: 古谷杉郎、永倉冬史、名取雄司、大内加寿子、林充孝、宇野林蔵、外山尚紀、古川和子、大森華恵子、大森美華子、宗像正男
1. 全省共通項目
@ 厚生労働省「石綿の代替化等検討委員会報告書」に関する、貴省の認識をお聞かせいただきたい。
【製造産業局住宅産業窯業建材課回答】報告書はすでに今年4月に、厚生労働省の方から発表されている。報告書のいきさつを簡単にご説明すると、平成14年8月に厚生労働省は、石綿を取り扱う労働者の健康障害防止の観点から、使用者等の禁止について検討してきた。石綿メーカーやその団体等にアンケート調査を行うとともに、昨年11月に「石綿の代替化等検討委員会」が開催され、数回の審議の跡に報告書が発表された。この報告書には、押出成形板、住宅屋根用化粧スレート、繊維強化セメント板、窯業系サイディング、石綿セメント円筒、断熱材用接着剤あるいは摩擦材―これはブレーキとかクラッチだが、これらについては国民の安全確保の観点から、石綿の使用が不可欠なものではなく、かつ、技術的に代替化が可能であるという結論が出されている。そういうような結論を結論を、当方としては委員会にもオブザーバーとして出させていただいているので尊重している。
A 厚生労働省の、労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令案に関する、貴省の認識をお聞かせいただきたい。
【環境管理局大気環境課回答】 皆さん方には毎年ご意見をいただいているところであり、私も3年目になる。他省庁の関係も多々含まれているので、なかなか明快にお答えできない部分もあろうかと思うが、よろしくお願いしたい。まず、私の方から、1、2、3についてお答えさせていただく。
1の@とAについては、合わせてお答えさせていただく。
内容的には厚生労働省の管轄するところだが、押出成形セメント板か住宅屋根用化粧スレート、繊維強化セメント板等について、石綿の使用を不可欠なものではない等から技術的に代替化は可能であるということで、これらの製品についてアスベストの使用を禁止する方向で、法令の改正手続を行なっていることは承知している。これは、厚生労働大臣のご発言に基づくものだと思うが、作業中だということは聞いている。今回の厚労省の取り組みだが、主には労働者の方の曝露防止という観点からのものであると思っているが、こうした元々の禁止をするということは、環境上からみても、今後の後年度負担というか、そういうものを減らすという意味では、意義あるものなのかなと考えている。
いずれにしろ環境省の所管としては、以前使われたものをどうするのかという、こういった動きに大きく左右されるかというと、あまり影響はなくて、それはもうきちんとやらなければいけないと思っている。環境省としてできること、石綿の環境への排出であるとか移動量の監視、一般環境への飛散―粉じん発生施設や解体作業等々、いろいろ発生源はあろうかと思うが―そこに対してきちんと措置を講じてまいりたいと考えている。
B 要請書まえがきで述べた、労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令案に対する石綿対策全国連絡会議絡会議の意見(別添)に関する、貴省の認識をお聞かせいただきたい。
【環境管理局大気環境課回答】 これについては要望が4つほど出されているものと思っているが、環境省としてどうかと言われると所管の問題が出てきて答えずらい問題だが、先ほど言ったが、やはり環境省としてできること、いま取り組んでいること、これをしっかりやっていくことだろうと思っていて。一部、石綿の含有率とか定義上の問題があり、環境省でははっきりいってこういうパーセンテージの定義はしていない。ただ、どちらかというと高濃度の曝露、作業環境を司っている法律に横並びをとっているというようなかたちで、マニュアル等々を作成させていだいているので、当然のことながら、含有率が下がるということは悪いことではないと思っているし、ここは例えば、労働安全衛生法令の何らかの改正があって変わった場合には、少なくとも歩調を合わせていくというふうには思っている。これくらいで勘弁願いたい。
C アスベスト禁止の導入に関して、貴省のいずれかの部局において、関係業界(建材メーカー、ゼネコン、設計業者、施工業者、解体業者等)から何らかの意見・要請が寄せられたり、話し合いを行ったり、または働きかけていることがあれば、お聞かせいただきたい。
【環境管理局大気環境課回答】 いずれの部局においても、そのような話とかはない。圧力とかもない、と聞いている。
D 現行のアスベスト含有建材対策が十分か、貴省のお考えをお聞かせいただきたい。
【環境管理局大気環境課回答】 この要請については、いろいろ取り方があるかと思うが、アスベスト含有建材の対策については、まさに吹き付け以外の部分だと思うが、大気の立場としても、皆様方からのご指摘等々も受けて、手を付け始めてデータをいま収集しているところで、きちっとしたデータを取りまとめたうえで、判断させていただきたい。
E 全アスベスト含有製品の製造と流通に関する調査を製造会社が行うこと、国が責任を持って実施するよう監督指導することに関して、貴省のお考えをお聞かせいただきたい。
【環境管理局大気環境課回答】 ここは通商制度を所管する省庁の守備範囲だろうと思っていて、調査の必要性等について、果たして何ができるのかわからず、当省の立場としては、いまのところコメントすべきことがない。
F アスベスト対策は、省庁が垣根を越えて協力する必要のある課題であるが、既存アスベスト対策に関して、省庁連絡会議を行う必要があるか、貴省のお考えをお聞かせいただきたい。
【環境管理局大気環境課回答】 以前、阪神大震災の直後に一時連絡会議をもったという事実がある。…(一部聞き取れず)…ただ会議を行なうことが必要かどうかということは別にして、アスベスト問題については幅広い省庁が関わっていて、いろいろな関係する法令の動きであるとか、いろいろな省庁が持っている情報等については、収集をお互いにしていくことは重要なことだと思っている。
いずれにしろ、繰り返しになってしまうが、当省でできること、取り組んでいること―例えば、建築物解体に係る飛散防止対策とか環境法上の廃棄物の処理の問題等々、実態の把握に努めて、情報収集について今後ともをきちんとやっていきたい。
2. 環境省の総合的施策
@ 厚生労働省の政令案は、既存アスベスト対策を含めた総合的対策の見直しと、確立を迫るものになると認識している。被害の将来予測の努力の継続、環境曝露の発生源の確認、とりわけ建築物解体及び廃棄物処分(廃掃法の対象・非対象のアスベスト含有廃棄物双方)に係るリスクの評価、将来予測、対策など、貴省に関係する施策の見直し、確立を図るとともに、総合的対策の確立に向けて、関係省庁との協議のイニシアティブを発揮されたい。
【環境管理局大気環境課回答】 当省としては、アスベストの原則使用禁止という動きは厚労省の中であるわけだが、先ほど言ったとおり、すでに使用されたものがあるわけであって、それに対しての対応が重要と思う。当省としては、建築物の解体・改修に係る飛散防止対策とか、その後出てくる廃棄物の処理等々について、必要に応じて実態を把握して、データ収集していくことだろうと思う。
A 委託研究等に際し、アスベスト製品製造会社及び民間シンクタンクだけでなく、アスベストに詳しい環境リスクの学者等専門家及びNPOと委託研究を行う時期と考えるが、再度お考かをお聞かせいただきたい。
【環境管理局大気環境課回答】 昨年度もたしか要請のあった内容だが、当省でアスベストに関わる委託調査なりを実施しているが、これまでも必要に応じていろいろな団体の方々、専門家の方々等を含めて、調査の際に、情報を提供していただいたり、ご協力していただいたりしている。調査方針とか調査の具体的内容等については当省でやっているわけだが、業界寄りでもなく、中立的な立場で委託調査を実施してきたつもりでいる。また、今後ともそうしていくつもりでいるが、アスベストの調査の委託先に限って言えば、知見、知識をお持ちの機関や団体を選定するのが妥当だろうと思っていて、今後においても、例えば今年度も予定しているが、実際に分析をするとなると、そのための特殊な機材がきちんとできる方を要しているところが適当かと思っている。そういった考えのもとに委託先を決めていきたい。
なお、昨年度、実際に解体現場の調査をやろうということで企画していて、その際に皆さん方から情報やご指摘をいただいたところで、調査の開始の前にお話をいただいたので、内容に盛り込ませていただいて調査を行なったところ。残念ながら、なかなか件数が、天井裏とか、特化したものになっていくと少なくて、情報が非常に少なかったということだったが、今年度も引き続き、作業手順―現行の規制でもちょっと灰色になっている部分なので―調査を進めていきたいと思っている。
B 情報提供に関して、EICネット(国立環境研究所の環境情報案内・交流サイト、(財)環境情報普及センターが運用)の「環境Q&A」では、環境に関連するさまざまな質問に対する回答が掲載され、誰でも見ることができるようになっている。 回答は、登録された会員(無料で誰でも登録できる)が仮名で行っている。このサイトでの情報について、貴省はどのように関与しているか、お聞かせいただきたい。このサイトを通じて、間違った情報や不適切な情報が公の情報と混同されて流布する可能性がないかどうか、貴省のお考えをお聞かせいただきたい
【環境管理局大気環境課回答】 これは、いま現在独立行政法人になっている国立環境研究所が独自に運営しているものであり、当省として、ホームページの作成なりに関与しているということは、ない。ご参考までに、一応、民間の方とか企業の方が自由に参加できるようなサイトとして運用されているようで、やはり明らかに不適切なものはセンターの方で削除する仕組みになっているようだ。インターネットを開けると事業規約というものが出ているが、規約に沿ったかたちでの利用を原則としているということ。
【大内】 環境省として直接ホームページの内容に関与していることはないとのことだが、実際環境省のホームページの一番下のところには、EICネットのリンク先のアイコンがあるし、EICネットと言えば環境省と関係のある公益的な団体の情報みたいなイメージでとらえられている。実際はそうじゃないかもしれないが、Q&Aの内容は、誰が書いているかわからない、匿名の回答だ。匿名で質問し、匿名の人が回答している。中には、アスベストが禁止になったら、今使っているアスベストも全部使えなくなりますという回答をしている人がいたり、アスベストでも室内に使われている吹き付けられているくらいはたいしたことないので気にしなくていいですとか、そういったことが回答の中に出てきてしまう。それをどうチェックしているかもわからないが、誰でも読めるし、環境情報として流れている。環境情報も、アスベスト情報も非常に少ないが、たくさんあればよいということではなく、やはり正確な情報がきちんと伝わるということが非常に必要だと思う。今までアスベスト対策が遅れてしまっているのも、ひとえにアスベストはもう使われていないと思い込んでしまってきたことにあると思う。ちゃんとした情報がきちんと伝えられることによって、防ぐべき被害を防いでいくことが一番大切なわけなので、公的な―そういうふうに思われるサイトに不適切な、正確でない情報がどんどん流れてしまうことは、環境省としてもきちんと対応してほしいと思う。匿名でなく流すとか、EICとしての回答として流すとか、責任の所在がはっきりするようなかたちで流していただきたい。
【環境管理局大気環境課回答】 …(一部省略)…国とまったく関係ないかと言えば、つい少し前まで国の研究所としていて、それが独立行政法人というかたちの中でおそらく独自性を出していったりとか、法人の使命があるのでその中で一般の方が自由に掲載したりすることができるサイトとして開設したものだと思うので、それが変な誤解を与えるということであれば、こういうご意見があるということで、伝えたいと思う。
C アスベスト製品の情報及び飛散しやすい製品に関する情報の周知を行うことに関するお考えをお聞かせいただきたい。特に吹き付けアスベストのある建築物の所有者使用者に対して、飛散防止対策に必要と思われる情報や注意点についてまとめたパンフレット等を製作する等、情報提供を行う必要があると考えるが、いかがお考えかお聞かせいただきたい。
【環境管理局大気環境課回答】 アスベスト含有製品の情報については、通商制度を所管する経済産業省だと思うが、PRTR法なり労働安全衛生法に基づいて、製品安全データシーとなるものがあるやに聞いている。また、石綿含有製品に特化して言うと、「a」マークということで、含有されているという表示をするようにという指導も行なっていると聞いている。それ以上のものが必要かどうかということについて、「(中村敦夫参議院議員の質問)趣意書」でもふれられていたのではないかと思うが、いいことだとは思うが、いい悪いということをなかなか言う立場にないというのがちょっと歯がゆいところだが、いま言ったようなものがあるということは承知している。環境省においては、環境中への飛散の問題が出てくるので、前にご紹介させていただいていると思うが、3年ほど前になると思うが、アスベストの危険性や飛散防止についての一般向けの啓発用のパンフレットとか、石綿排出作業に伴う法的な届出や対策を打つ手順等々について、建物の所有者や施工事業者向けに手引きなどを作成して、自治体も含めて配布してきているところ。なにぶん予算もないので部数が整っていないこともあり、また、皆さんからのご指摘もあって、ホームページへの掲載も行なっているところ。それでも自治体から資料としてほしいという要望もあり、実は平成2年くらいから自治体の職員向けにアスベストの測定の研修を行なっており、その中の教材としても使用している。少しでも毎年できるだけ多く自治体に配布して、活用していただくということで、限られた予算の中での対応ということになるが、今後も努力していきたい。
【大内】 リスクコミュニケーションについては、円卓会議というのがあり、ボランティアで集まってきた方々と職員の方が何回も継続して、リスクコミュニケーションについての今後の方向を議論している。アスベストについても、その実践活動のひとつとして、もう少し常時こういう場で情報交換を進めていくかたちでやっていただきたい。
3. 大気汚染防止法に基づく建築物解体等に係るアスベスト飛散防止対策
@ 平成13年度以降の特定粉じん排出等作業を行う建設工事(特定工事)の届出件数及び「(推定)カバー率」、計画変更命令、作業基準適合・作業一時停止命令、報告・検査の各件数、及び、各々の違反に係る罰則適用件数を示されたい。
【環境管理局大気環境課回答】 大防法の届出件数と労安衛法との比較でのカバー率ということだが、平成13年度の大気汚染防止法に基づく特定粉じん排出等作業届出件数は1,076件あった。大防法においては、規模要件を設けていて、建物の延べ面積が500m2以上、吹き付け石綿の面積が50m2以上という工事を対象としており、一方、労働安全衛生法の届出の方はこういった規模の要件がなく、厚労省に問い合わして、労働安全衛生法上の届出は1,370件、13年度にあったということである。したがって、単純に計算してカバー率として約8割程度。14年度についてはただいま集計中なので、もう少し時間をいただきたい。また、平成13年度に大防法の規制事業として、立入検査については221件。特定粉じん排出等作業について無届とか不適切であるということで、自治体が行なったもの。計画変更命令、監督、その他の行政指導については、実績としてはあがってきていない。罰則の関係については、司法判決までにかなり時間がかかるので、調査項目にしていない。
A 平成14年度の石綿飛散防止対策の計画について、お聞かせいただきたい。昨年の話し合いでは、「含有建材を使用した建物の解体に係る知見の収集とともに、飛散の実態調査を予定している」と答えられ、また、5月24日付けの政府答弁書によると、「吹き付け石綿以外の石綿含有建材については、大気汚染防止法の規制の対象となっていないが、現在その製造、使用実態等に係る調査を行っており、今後、当該建材に係る大気の汚染の防止対策の必要性を検討することとしている」とされているが、具体的な進展・成果等があればお聞かせいただきたい。
【環境管理局大気環境課回答】 14年度の大気環境課でやった政策ということだが、先ほど少しふれたように、石綿含有建材を使用した建築物の解体・改修工事に伴って出てくるであろう石綿の飛散濃度の測定と、石綿飛散防止対策技術調査というかたちで実施している。報告書は現在取りまとめ中で、もうしばらく時間をいただければ完成する。 その石綿濃度の測定の部分だが、実際の建築解体工事現場を対象として、石綿含有建材を使用した建築物の解体等に伴う周辺環境、作業環境における飛散濃度の測定・分析を行なった。対策技術の方については、現場でどのような対策をして工事をしているのかという実態調査と、それから文献に基づいて解体の工法別、手順別に石綿飛散防止対策技術の特徴について整理している。先ほど少しふれたが、天井裏等々についても14年度から取り組んでいるが、残念ながら件数は少ない。
B 平成15年度の石綿飛散防止対策の計画についても、お聞かせいただきたい。
【環境管理局大気環境課回答】 今年度の調査は、昨年度に引き続き、実際の解体工事等の現場を対象として、石綿飛散濃度測定を進めていきたい。昨年度は、スレート板とか石綿ボードとかを中心にみてきたが、今年度は、石綿保温材や天井裏に使われているものを調査を行なっていきたいと考えている。
【名取】 非常に大事な基礎的な調査を行ないつつあるということを聞いて非常に嬉しく思っているが、まず基本的な点の確認だが、平成13年の調査は、内部的なものなのでまとめとしてはだされていないと昨年うかがったのだが
【環境管理局大気環境課回答】 一般的、積極的な公開は行なっていないが、図書館に納めて皆さんが見れるようなかたちはとっている。
【名取】 昨年うかがった以降にできたわけだ。
【環境管理局大気環境課回答】 処理は遅れたが、出来上がった。
【名取】 それは提供していただきたい。平成14年、いろいろ実態を調査に行かれたとうかがっていたが、その段階ではまだ濃度測定はされていなかったですよね。
【環境管理局大気環境課回答】 昨年のこういう場の時には、まだ前だった。昨年度は6件、工事現場で測定を行なった。
【名取】 最近は文献調査もされているとか。
【環境管理局大気環境課回答】 昨年度は、測定と飛散防止対策技術でいろいろ文献調査を行った。今年度は、その延長線上で、昨年度はどちらかというと石綿成形板中心だったが、もうひとついろいろ言われている保温材や屋根裏の吹き付けの問題をやっていきたい。
【名取】 問題は、調査をすると言って行くと、その日だけきれいにするというようなことがある。私たちが作業をする人から話を聞いていると、どうもこの作業が一番ひどそうだ、これはあまりそうでもないかなと、実測したわけではないが、そのような話はうかがう。一番大事なのは、測定をされる基礎的なものの聞き取りがされたうえで、様々な状態に応じたものが反映された測定であるかどうか。実態把握がされずに、ある作業の測定がされてしまった場合に、どういう値か評価できなくなってしまう。そういう実験計画的なところに私たちの指摘のような意見を反映しておかないと、一生懸命調査されても、後からみてこれは実態からかけ離れたものを測っているんじゃないかとなる。そこらへんをどのように進めてきたのか。建物の改築・解体を手ばらしでやっているような現場は、実際にはほとんどないので、外さなくちゃいけない。
【環境管理局大気環境課回答】 …(一部聞き取れず)…実際に測った場所は、手ばらしでやっていた。
【名取】 今回の要請に参考資料をつけているが、実態は手ばらし解体はきわめてまれで、バール解体でやられている。そういうところで、手ばらしのところで測って、たいしたことはなかったというデータを出されても、現実の状況を測ったことにはならない。理想的なものを測ってそれをもとに推計されても、PRTR上も意味がない。ちゃんとやるなら、最悪状態ではこうなっていて、最良状態ではこうで、現実の平均値はこうだと。こういうかたちで啓蒙をしたら、最良状態がこれだけ増えたというようなことをやらなければいけないのではないか。
【環境管理局大気環境課回答】 おっしゃる趣旨はわかるが、少なくとも国の委託で調査するということになると、構えてしまうところがあって、なかなか実際にバリバリッやっているところを測るということは難しいと思うが、そういう意味で文献なりで補完をしていくほかない。実際には、国土交通省の営繕から情報をいただきながら、入れる現場、タイミングのあった現場、でいかざるを得ない。短期間の作業になるし。手ばらしのところと条件を付けた覚えはない。
【名取】 ないけれど、測ったところはそうだったと。他の濃度測定と補っていただかないと、実態とずれる。
【環境管理局大気環境課回答】 そこのところは、皆さんから以前から言われているが、現場がないというのも事実で、苦しいところもある。
C 5-Aに記載したように、貴省では有害廃棄物対策として、今年度中を目処に、「石綿(アスベスト)含有スレート板」の適正処理ガイドラインを作成中と伝えられているが、この動きと石綿飛散防止対策が、どのような関わり合いをもつのかも、お聞かせいただきたい。
【環境管理局大気環境課回答】 大気環境課、大防法の方では作業に伴って出てくる飛散防止、作業が終わった後の剥がされたものが廃棄物としてでてきたものは廃棄物の方の関係になる廃棄物の方からも話は聞いていて、非飛散性アスベストの廃棄物の処理条件について、中間処分場とか最終処分場各々について数箇所程度調査中だと聞いている。取りまとめについては、もうしばらく時間をということである。
D 天井や照明器具の処理に際し、現行法令や「既存建築物の吹き付けアスベスト粉じん飛散防止処理技術指針・同解説」に述べられた「除去作業の手順」では、吹き付けアスベスト対策では不十分であることを示す報告がなされている。現状での見直しに関する検討に関して、いかがお考えかお聞かせいただきたい。
【環境管理局大気環境課回答】 こちらは調査の内容と密接に関係してくるものだが、こうした報告なり、ご指摘があるということは皆さんからお聞きして承知している。昨年度、今年度行っている調査を通じて、そのへんをきちっとみたうえで、グレーの部分を白にするのか黒にするのか、そういった意味合いも含めて検討していくこととしている。いずれにしても、きちんとしたデータを集めて現状を把握することが大事だと考えている。また、作業手順というと、労安衛法の特化則の方の作業基準とかなり密接に関係してくるかと思うので、厚労省の方の動きにも注意をしながら、高濃度曝露のおそれもある労働者の方々の基準をにらみつつ、検討していきたい。
E 工業港湾地帯等石綿スレートの工場倉庫等が群立する地域で劣化の状況等の調査をする必要性があると考えるが、お考えをお聞かせいただきたい。
【環境管理局大気環境課回答】 これも大変悩ましい要請であるが、どこの所管かという問題もあろうと思う。もうひとつ、現実的に可能なのかどうかということ。それから、所有者の方も含めて、誰が、何を、どれくらいするのかなど、様々な問題があって、なかなか答えにくい部分だと思っている。ただやはり、個々の建築物について調べていって、何を指標に置くのかということもあるが、個々に調べていって整理しているというのは、膨大な費用と時間がかかるものじゃないかと思っていて、現実的かどうかと。必要かどうかと言われると、個人的にはした方がいいかもしれないかとも思うが、組織の取り組みとしてどうかというといろいろな壁がありそうだ。
4. 化学物質管理促進法(特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律)
@ 2001年度の石綿の輸入量8万トン弱(2001年度)に対して、公表された排出量・移動量が約4千トンという数字についてどう評価されているか、お聞かせいただきたい。また、届出事業者数が111という数字についてどう評価されているかについても、お聞かせいただきたい。
【総合環境政策局環境保健部環境安全課回答】 化学物質の種類とか用途、業種、工程などによって、化学物質の使用や排出の形態は多種多様であって、製造量あるいは輸入量と排出量あるいは排出事業者数の評価を行なうことはなかなか難しい。石綿の場合だと、2001年度の輸入量79,463トンに対して、届出排出・移動量が4,160トン、5.2%。他の物質の製造・輸入量等の確立された統計がないので難しいが、いくつか公表されている国の統計ではない統計でみると、排出・移動量がトルエンで11.7%、キシレンだと1.5%という水準だが、この比率をもって、トルエンとキシレンと比べてどうかとか、あるいは石綿と比較して議論することは難しい。やはり、個々の場面場面でみていかなければいけないのではと思っている。届出事業所数の111についても、物質の種類ですと用途、業種等々によって、1事業所あたりの取扱量が変わってくるだろうし、それによってその事業所に届出義務があるかどうかも変わってくるので、この数字だけをもって何らかの評価を行なうことは難しいと考えている。
A 私たちは、全体の届出排出量が3,240kgは少なすぎるのではないか、その理由として、排出量の届出が31事業所のみであったことなどから、排出量を算定するのに経済産業省・環境省の「PRTR排出量等算定マニュアル」や日本石綿協会の「PRTR排出推計マニュアル」が十分周知されてないことがあるのではないかと考えている。排出量を0としている事業所に再度推計方法を周知徹底させた上で、データを修正していく必要があるのではないか、お考えをお聞かせいただきたい。
【総合環境政策局環境保健部環境安全課回答】 まず、マニュアルについてだが、環境省と経済産業省でつくっている「PRTR排出量等推計マニュアル」は、都道府県経由あるいは業界団体経由で事業者に届くように、活用していただくように周知・徹底を引き続き行なっていきたいと考えている。また、今のマニュアルは第二版だが、第三版を準備中で、マニュアルの改良ということは行なっている。
実際に排出量を0としている事業所に関しては、繰り返しになって恐縮だが、物質の種類ですと用途、業種等々によって、化学物質の使われ方、排出のされ方は様々であり、0として届けていることをもって、直ちに届出排出量が少ないとか、届出事業所数が少ないという評価はできないだろう。また、石綿に限らず、0として届け出たことをもって、直ちに??が必要だという判断もできないのではないかと判断している。
B また、マニュアルで十分に推計方法が示されていない、「特定粉じん発生施設設置工場」以外の事業所の石綿の排出量についての推計方法を別途を示して指導していくべきではないか。例えば、今回の届出で相模鉄道かしわ台工機所が電車の磨耗したブレーキシューの石綿が年間3.1トンあったと届け出ているが、磨耗したブレーキシューの石綿が大気に排出する推計方法を十分に科学的にも検討した上で、他の鉄道関係事業所等に対しても届出をさせていくべきではないか、お考えをうかがいたい。
【総合環境政策局環境保健部環境安全課回答】 マニュアルについては先ほど申し上げたとおり、経産省と一緒につくって、都道府県経由あるいは業界団体経由で事業者に配っているが、これはすべての業種に共通する基本的な考え方とか、いろいろな業種で使われている代表的な工程での算出方法を示したものであって、特定の物質や特定の業種あるいは特定のプロセスについてのマニュアルについては、業界団体などが業種別のマニュアルをつくってある場合にはその中で、その入手方法、取り扱いなどを示している。お尋ねの鉄道業はどうかというと、相模鉄道については私どもも調べた。まず、そもそも論として、鉄道の線路はPRTRのなかでは事業所に該当しない、と整理される。例えば、道路公団が持っている高速道路が、道路公団の事業所に該当しないのと同じように、鉄道会社がもっている線路は、事業所には該当しない。それで、事業所外でブレーキが摩り減って出るとかいったような場合には、届出の対象外であり、国が事業発生源からの届出外の排出量として、事業者に代わって国が推計すべきすじのものである。詳細な事実関係は確認中だが、この相模鉄道に関しては、神奈川県から第一報があって。これはどういうことかと言うと、ご指摘にもあるように、車両用のブレーキパッドに石綿製品を使用していて、それが摩り減る。その摩り減った分を、大気への排出として、車両の検査・修理などを実施しているかしわ台工機所からの排出として届け出たということ。
【古谷】 推計の根拠は、実測か?
【総合環境政策局環境保健部環境安全課回答】 実際にブレーキパッドが摩り減った、摩り減った中に(石綿が)何パーセントくらい入っているか、一生懸命積み上げて、出した。ただし、法律の解釈で事業所に該当しない、違ったということで、相模鉄道の方に知らせた。
【古谷】 計算方法としては、信頼できそうな気配か。
【総合環境政策局環境保健部環境安全課回答】 信頼おけそうな気配ですね。ただ、計算ミスがあって、もう何パーセントか下方修正されそう。ごみとして出てきているものと大気へ排出されているものと。
【古谷】 そういうやりとりの(結果は)訂正されることになる?
【総合環境政策局環境保健部環境安全課回答】 まず、相模鉄道から、神奈川県に昨年届け出た大気への排出量は0とする変更の手続を行なっているところ…(一部聞き取れず)…。今年の4月から、平成15年度から、石綿を含むブレーキパッドの使用を取りやめたと聞いている。昨年届出があった3.1トンに関しては、届出としては0になるが、届出外にしなくてはならない。今後変更手続が残っているが、環境省としては、経産省や鉄道業を担当している国土交通省、神奈川県と連携しながら、鉄道会社やブレーキ会社などから情報を収集して、鉄道車両からの石綿の排出を、届出外排出量として国が推計して公表するということを検討中である。
C 全体の届出外排出量の597kgも、きわめて少ない数字と考えている。推計の根拠となる具体的データを示すとともに、今回のデータ集計結果を踏まえて、昨年も要請した、建設業(建築物の解体・改修等)や、車両の道路走行、自然界に存在する非点源等から環境中への石綿排出量についてのデータ把握についての考え方を再度うかがいたい。
【総合環境政策局環境保健部環境安全課回答】 今回の597kgという平成13年度の数字は、ご存知かと思うが、まずは対象業種―製造業でなくても常用雇用者が20人以下あるいは取扱量が0.5トン未満といったような小規模あるいは少量取扱業者―裾切りと言うが―裾切り以下の事業者からの排出量と、パイロット調査からデータが得られた建築工事用と土木工事用塗料に含まれている石綿の排出量について、推計を行なっているものである。推計の根拠とした具体的なデータについては、ホームページにすべて載っているので、そちらの方をまずはご覧いただきたい。ご覧いただいたうえで、わからないこと等あれば問い合わせていただきたい。その他の排出源については、現時点では、推計に利用可能な信頼できる情報が見いだせていないので、推計対象とは残念ながらしていない。推計に必要な技術的な情報については、随時受け付けているので、皆様に置かれても、具体的な研究論文とか統計などで、こういうものが使えるのじゃないかというものがあったら、情報提供にご協力をお願いしたい。
個別このことについては、まず建設業だが、昨年も申し上げたとおり、塗料を除いて、信頼できる情報がないので推計していない。昨年6月から9月にパブリックコメントを行い、その際に東京都における条例に基づくデータがあるじゃないか、これを使って推計したらどうかという提案があったのだが、東京都の方に出かけていろいろどのような情報をお持ちか聞いたのだが、意見提出者の方に感違いがあったようでパブリックコメントで提案があった方法では推計できない、ということで残念ながらまだできていない。
自動車のブレーキライニングなどについては、日本自動車工業界の取り組みでかなり代替化が進んでいると思うのだが、それ以外のアウトサイダーの分について、なかなか利用可能な信頼できるような数値がまだ見いだせていないという状況なので、これも推計の対象とはしていない。鉄道については、去年まで気がつかなかったのだが、幸いというか相模鉄道の方からこのような事例があるということがわかったので、関係省庁や自治体から連携しながら情報を集めて、鉄道車両から大気への排出について検討していきたいと思っている。
【古谷】 現時点では、他所の鉄道会社でもアスベスト含有ブレーキパッドが使われているかどうかという状況は把握されているか。
【総合環境政策局環境保健部環境安全課回答】 まだ網羅的にはできていなくて、たまたまわかったところに数社の担当者に電話をして聞いてみたところでは、石綿を使わない製品への代替化が相当進んでいるようだ。相模鉄道については、先ほど申し上げたように、もう使っていない。相模鉄道の石綿の入っていたものは、どうも話を聞いていると、他の鉄道会社でも使っているというものではなくて、相模鉄道独自のもののようだ。
【古谷】 JRはどうか。
【総合環境政策局環境保健部環境安全課回答】 JRについては、今回、廃棄物としての移動量を届け出てきたところが1社あった。そこのところに、お宅で届け出てきたアスベストは何ですかと聞いたところ、古い車両を解体したときに、古い車両の中に入っていたアスベストをきちんと処理した。それを廃棄物として届け出たということだった。そこのJRでは、ブレーキにはアスベストが入っているものは使っていないから、大気への排出はないということ。まだ限られた数だが、ブレーキ関係については、相当例外的なのかなという気もしているが、そのへんは国土交通省やブレーキ業界にもお手伝いいただきながら、もう少し幅広く話を聞いたうえで、情報が得られた時点で推計しようと。相模鉄道については、確実に推計されているので。
自然由来の化学物質については、昨年も申し上げたが、今のところ省令で推計の対象となっていない。自然由来のアスベストについても、利用可能な推計可能な信頼できるデータが、今のところ承知していないので、そういう点でも難しい。
5. 廃棄物の処理及び清掃に関する法律
@ 昨年の話し合いでは、廃棄物処分場の実態の把握とアスベスト飛散のモニタリングについて要請させていただいたところ、現行廃掃法上で「非飛散性」とされているアスベスト含有廃棄物に関して、廃棄物処分場におけるアスベスト飛散の実態を調べてみたい、という旨の発言があったものと理解している。具体的に調査等を行なわれたのかどうか、お聞かせいただきたい。
【大臣官房廃棄物・リサイクル対策部適正処理推進室回答】 これについては、現在、調査は実施している。中間処理業者と最終処分場それぞれ数箇所だが、廃棄物の処理の過程で、非飛散性アスベスト製品がどのような挙動を示すとかいうことについて、現在まさに調査中ということで、今しばらく時間がかかるということでご了解いただきたい。
A 貴省では有害廃棄物対策として、今年度中を目処に、「石綿(アスベスト)含有スレート板」の適正処理ガイドラインを作成中と伝えられている。「特別管理廃棄物に指定するなど、法的な規制の必要性についても検討する」等とされているが、「石綿含有スレート板」についての「適正処理ガイドライン」の作成状況と見通し、作成過程での私たちの意見の反映について、詳しく説明をしていただきたい。 特別管理産業廃棄物に追加することを含めた、「石綿含有スレート板」に対する法的規制の必要性と現在の検討状況をご説明いただきたい。また、「石綿含有スレート板」以外の「非飛散性」アスベスト含有廃棄物についての検討状況についても、お聞かせいただきたい。
【大臣官房廃棄物・リサイクル対策部適正処理推進室回答】 現在実施中の調査がどのような結果になるかによって、今後どのような対策をとればよいのかということが決まってくる。その結果を待って、廃棄物処理法の中でどのような新基準を定めたり、見直したりするかというような、必要性を含めて、今後検討していきたい。
【古谷】 スレート板だけについて考えているのか。
【大臣官房廃棄物・リサイクル対策部適正処理推進室回答】 一番多いのと考えているのは、やはり建築廃材なので、建築廃材に含まれる製品ということで、そこらへんの製品の知見もこちらにないものだから、そこらへんも含めて整理をしつつ、どこらへんが廃棄物処理事業者の方でどのようなかたちで処理されているのか、その中で廃棄物がどのような挙動を示しているのか、という調査を実施しているところ。
【古谷】 今の話は、法令の改正も射程に入れて、検討されていると聞いてよいのか。
【大臣官房廃棄物・リサイクル対策部適正処理推進室回答】 これについてはガイドラインを作成中ということであるので、どういう対策をとればよいのかということを検討しているので、対策にはいろいろとレベルがあると思うが、まず今は現状把握している段階であるので、法令を改正するかどうかというのは、その結果をもって。
【古谷】 例えば、(廃棄物処理法上の)フライアブル(飛散性)アスベスト含有廃棄物の範囲の見直しにつながる可能性もゼロではない?
【大臣官房廃棄物・リサイクル対策部適正処理推進室回答】 今お話できるのは、総合的に判断するということになるということ。
【古谷】 目途はいつくらい?
【大臣官房廃棄物・リサイクル対策部適正処理推進室回答】 具体的な時期について、とくに定めてはいない。
【古谷】 中間処分場や最終処分場で測定するということは、結果的にスレートだけを測っているだけではないですよね。
【大臣官房廃棄物・リサイクル対策部適正処理推進室回答】 建築廃材の中で、実態として石綿含有スレート板がどの程度出ているかということはわからないが、埋立するようなものが出てきた現場をみつけて、その現場でどのような状態になっているかということを調査している。
【古谷】 私たちの要望としては、たんにガイドラインにおさまらずに、特別管理産業廃棄物の対象範囲の見直しも含めた検討にしていただきたいということと、その際には何もあらかじめ検討の対象をスレート板に限定する必要はないと思う。例えば国土交通省の共通仕様書だと「成形板」というくくり方で、廃掃法の対象になっていないアスベスト含有建材をしているので、そういう他の省庁の取り扱いとも斉一的なものにしていただきたい。それは、この場で即答できそうもないから、要望としておきたい。そうすると、そのことと連動して、大防法の方も、双方で実施している調査のデータも合わせて、より広く網を張る方向でそろえて検討していただきたい。
【環境管理局大気環境課回答】 …(聞き取りにくい回答だが)…(規制対象範囲の見直しも念頭には置いて調査している旨の回答?)
【古谷】 合わせて、大防法の方でやられている調査と、リサイクルの方でやられている調査を、ぜひPRTRの(国による推計)基礎資料にぜひ活かしていただきたい。廃棄物処分場については、現在も一部推計されていると思うが、大防法の方のデータは、建築物からの推計に使えるかもしれない。
【総合環境政策局環境保健部環境安全課回答】 個別の法令部会で、大気とか廃棄物がやっているデータは、(もらっている?)。省内連絡会議とか関係省庁の打ち合わせとかもあるので。
B 建設省、通商産業省で検討されてきた「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)」では、アスベスト含有建材は「再資源化」に適さないが、現行廃掃法ではアスベスト含有建材を廃石綿と規定していないために、中間処理施設に流入し、分別の際にアスベスト粉じんの飛散を防ぐことができない状況が予想される。これを防ぐには、建設解体現場での事前のアスベスト含有建材の調査、分別、事前除去を徹底する以外にないと考えるが、特化則に規定されている事前調査さえ実際には多くの解体現場で遵守されていないのが実状である。労働者のアスベスト曝露以外にも、一般環境汚染防止の立場から、建設解体現場での事前のアスベスト含有建材の調査、分別、事前除去を義務付けていくお考えはないか、お聞かせいただきたい。
【大臣官房廃棄物・リサイクル対策部リサイクル推進室回答】 建設リサイクル法というのは、建設工事から発生したアスファルト・コンクリートとか、廃木材等を分別解体して、それを再資源化して資源の有効利用に資するということを目的とした法律であり、この中で分別解体について基準があり、まず家を解体するときにおいて、例えば吹き付けアスベストとかが吹いてあるものについては必ず事前調査の中で、こういうものがあるぞという認識のもと、工事にかかりなさいというかたちのものがある。例えば、スレート板等については、直接法律の中には書いてないが、法の第3条に基本方針というのがあり、基本方針の中で、要は粉じんが発生すれば、アスベストとか、例えばスレートとかでも、破砕とか切断するときには、発生するおそれがあるということで、基本方針の中で、そういうことにならないように十分粉じんの発生を防止しなければならないというふうなかたちで、方針を謳っている。強制的に、法律の中で、例えば吹き付けアスベストについて、こういう基準であるとか、こういう害があるとか、あるいはスレートについても、そういうことは法律の中では設定されていないが、あくまで当然のことということで、要するに粉じんが発生するといろいろ問題が出てくる可能性があるので、それについて基本方針で示しているというのが現状である。調査と分別とか、事前除去の義務づけ等々については、建設リサイクル法の枠組みを含めて、全体的な流れの中で考えていく必要があると思っているので、また機会があったら、廃棄物を担当している産業廃棄物室や適正処理推進室もしかりだし、国土交通省も含めて、考えていきたい。
C 昨年の話し合いで、廃石綿等を受け入れている処分場の数、年度別・都道府県別の処分量等に関するデータについておうかがいしたところ、処分量等を把握することは必ずしも必要であるとは考えていないとのお答えであったが、実際には横浜市で不渡り手形を出して倒産し、その後市が管理している中間処分場に、相当量のアスベストを含む容量を超える廃棄物が持ち込まれている例や、旭川市で市営の廃棄物処分場で廃石綿が地上に露出し破れた袋から飛散性アスベストが露出していた例などの実態から、貴省として実態を把握すべきであると考えるが、検討されていることがあればお聞かせいただきたい。
【大臣官房廃棄物・リサイクル対策部適正処理推進室回答】 アスベストについては、廃棄物処理法の中で、飛散性のあるものについては、それぞれこういう基準に則って処理しなさいということが決められ、それに則って行なわれている。具体的な例として、横浜市の例が記載されているが、これは廃石綿に特異な例ではなく、どちらかというと基本的な処理基準に違反した行為が行われたものであるので、こういう基準があった場合には、都道府県等において行政命令等の廃棄物処理法に基づく規制の対応が厳正に行なわれているところであるので、個々の事例については廃棄物処理法に基づく対応で十分な対応ができるのかなと考えていて、とくに現在のところ、法改正などをする予定はない。
D 旧厚生省が推進してきた、地方自治法改正、産廃法改正を伴う「ごみ処理広域化計画」について概要をお聞かせいただきたい。同計画によって行政による廃棄物処分場の実態把握ができなくなること、処分場の実態について国民が情報を得る手段がなくなることについて強い懸念が指摘されているところであるが、この点についてお聞かせいただきたい。
【大臣官房廃棄物・リサイクル対策部回答】 この計画は、ごみ処理に係るダイオキシン類等発生防止ガイドラインに基づき、一般廃棄物処理施設からのダイオキシン類の排出の管理、市町村に設置されている一般廃棄物処理施設の集約を図る計画を作成するよう、旧厚生省が、平成9年5月に、各都道府県に指示しているもの。内容としては、ダイオキシン類削減対策、あるいはマテリアル・リサイクルの推進、サーマル・リサイクルの推進等を示している。このような計画なので、地方自治法改正あるいは産廃法の改正を念頭に置いたものではなく、処分場の実態把握ができなくなるといったようなものではない。少なくとも現状において、廃棄物最終処分場については、埋め立てた廃棄物の各月毎の種類及び数量、記録などを備えており、求められれば閲覧できるよう、廃棄物処理法上なっている。
E 昨年うかがった、旭川市の処分場で特別管理廃棄物の廃石綿が地上に露出し、袋が破れていた件で再調査をお願いしたが、再調査結果についてお聞かせいただきたい。また、再発防止策についてお聞かせいただきたい。
【大臣官房廃棄物・リサイクル対策部適正処理推進室回答】 旭川市の方に再度電話で聞き取りを行なったところ、次のような回答だった。まず発生の原因だが、埋立がいつ行なわれたかを聞いたところ、平成13年3月26日という答えがあった。まだ雪の季節ではあるが、4月になって、最終処分場なので、覆土材と言って土をかけるのだが、覆土材を敷いたためにそれが目隠しとなって、廃石綿を入れた露出しているかは不明だというである。結果的に7月になってから多少問題になったかに聞いているので、最小でも約4か月というふうに考えられている。再発防止対策についていかがかと聞いたところ、その後、廃石綿の埋立場所には囲いを設け、表示板を設置して、??できないようにという対策をとっているとのこと。その後の状況だが、当該処分場については、平成14年3月31日まで廃石綿を受け入れていたが、別の処分場ができたということで、 4月1日以降は受け入れていないとのことである。またさらに、この最終処分場は平成15年1月30日?に埋立を終了したとのことであるので、今後は閉鎖の手続をとるというふうに聞いている。 |
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