1. 処理作業の標準について 別紙1「アスベスト成形板処理作業の標準(施工条件の明示事項)」による。 2. 設計図書への記載及び積算の取扱いについて(平成12年4月1日より適用) (施工条件の明示) (1) 上記1に基づき、アスベスト成形板の処理作業を伴う工事に対し、施工条件を設計図書に明示する。なお、これに加え、各自治体又は労働基準監督署の指導がある場合には、これを考慮に入れるものとする。 (当初設計における現況把握と施工調査の明示) (2) 処理作業を行うアスベスト成形板の仕様(厚さ及び寸法)及び使用部位を確認し、設計図書に明示する。また、請負者等が行う施工調査について、アスベスト成形板の仕様及び使用部位の把握を含むことを設計図書に明示する。 (設計変更) (3) 上記施工調査の結果が当初設計と異なる場合は、設計変更を行う。 (積算の取扱い) (4) 処理作業費に係る積算については、上記(1)を適切に反映するものとする。 3. 施工に係る配慮事項等 (1) 請負者等が作成する施工計画書において、処理作業が明確に区分され、施工条件を踏まえた適切な内容となるよう指導するとともに、施工計画書の確認に際し、アスベスト成形板の使用部位ごとに、処理作業の手順等について実地確認を行う。 (2) アスベスト成形板の産業廃棄物としての取扱いに関しては、従前どおり「建設副産物適正処理推進要項」(最終改正平成10年12月1日付建設省経建発第334号)によるものであるが、特に、廃棄物処理計画等において、アスベスト成形板の処理計画が明確に区分されるよう指導するとともに、適切な運搬及び処分がなされたことについて確認を行う。 <別紙1> アスベスト成形板処理作業の標準(施工条件の明示事項) 1. アスベスト成形板の撤去 (1) アスベスト成形板の撤去は、内装及び外部建具等の撤去にさきがけて行う。 (2) 建物内部で撤去作業を行う場合は、外部建具を閉鎖するとともに、ガラスの破損箇所又は換気扇枠等で粉じんが外部に飛散するおそれがある箇所をビニールシート等で塞ぐものとする。 (3) アスベスト成形板の撤去は、可能な限り撤去又は破断を伴わない方法で行うものとし、原則として「手ばらし」とする。なお、建物外部のアスベスト成形板を撤去する場合は、できる限り、原型のまま撤去する。 (4) 撤去作業中は、散水その他の方法により、アスベスト成形板を常に湿潤な状態として作業を行う。 (5) 撤去作業者には、防じんマスク、防護メガネ及び作業衣を着用させる。 (6) 撤去作業後、アスベスト成形板の破片、破断粉及び作業衣等に付着した粉じんが残存しないよう、真空掃除機等により、清掃及び後片付けを十分に行う。 2. アスベスト成形板の集積、運搬等 (1) 撤去したアスベスト成形板の集積及び積み込みに当たっては、高所より投下しないことの他、粉じんの飛散防止に努める。 (2) 細かく破砕されたアスベスト成形板は、湿潤化の上、丈夫なビニル袋に入れる等、飛散防止の措置を講じる。 (3) 撤去したアスベスト成形板を運搬するまでの間、現場内に保管する場合は、一定の保管場所を定め、一般の内装材と分別して保管するものとし、シートで覆う等、飛散防止の措置を講じる。また、保管場所には、アスベスト成形板の保管場所であることの表示を行う。 (4) アスベスト成形板の運搬に当たっては、運搬車両の荷台全体をシート等で覆い、飛散防止に努める。 (5) アスベスト成形板の撤去、集積、積込み及び保管等の処理が完了した場合は、速やかに監督員に報告し、確実に処理されたかの確認を受ける。 3. アスベスト成形板の処分等 (1) アスベスト成形板は、一般産業廃棄物として安定型処分場で処分する。なお、マニュフェストには、アスベスト整形板であることを明示する。 (2) 撤去されたアスベスト成形板の処分が完了した場合には、マニュフェストを監督職員に提出し、処分が確実に行われたかの確認を受ける。
建設省営計発第44号「非飛散性アスベスト含有建材の取扱いについて」(平成12年3月31日付け。以下「通達」という。)の「2. 設計図書への記載及び積算の取扱いについて」に関し、設計図書への具体的な記載事項等については、下記による。 記 1. 現場説明書記載事項 アスベスト成形板の処理作業については、通達別紙(アスベスト成形板処理作業の標準)の内容について、全ての改修工事又は取り壊しを伴う工事の現場説明事項書において、項目を設け、共通的に記載すること。 2. 特記仕様書記載事項等 アスベスト成形板の処理作業が必要となる工事については、特記仕様書「その他」の章(既存の章立てが、「○○及びその他工事」等となっている場合には、当該章において記載すればよい)において、別紙を標準とし、次に留意して適切に記載する。 a) 成形板の仕様等 ・ 実際の確認は施工調査により行うこととし、石綿を含有する可能性が高いと考えられるものについて、積極的に記載する。 ・ 単一材料の撤去量が大きい場合には、X線回折法等により、石綿含有の有無に関する詳細な調査を行うことが望ましい。それ以外の場合には、成形板の製造年等の確認により、疑わしいものは、施工調査に基づくアスベスト成形板と取扱い、処理作業の標準に基づくものとする。 b) 処理範囲の図示 ・ 処理範囲の図示は、平面図等によって行うが、部屋単位を目安として、天井、壁又は床毎に成形板の種別を記載する。 なお、設備改修工事によってのみ発生し、撤去範囲が小さく単一の材料である等、軽易な処理作業である場合には、「施工調査」に関する記載を省略してもよい。 別紙 [章] ○その他 [項目] ○アスベスト成形板の処理等 処理を行うアスベスト成形板の仕様 例: 化粧石膏ボード 厚さ9.5mm ビニル床タイル(茶) 厚さ2.0mm 処理を行う範囲は図示する。 施工調査 アスベスト成形板の撤去に当たり、あらかじめ事前の施工調査を次の事項について行う。調査結果は、図面により記録し、監督職員に提出する。 (1) アスベスト成形板使用部位の確認 記載上の成形板及びその使用範囲のみならず、広く確認を行わせる。 (2) アスベスト成形板の種別、厚さ等の確認 (3) アスベスト成形板使用数量の確認 (4) 施工範囲等の確認 |