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省庁交渉 省庁交渉の記録


2002年度

 ⇒環境省の回答と質疑はこちら(PDFファイル)

環 境 省
2003年7月23日(水)


アスベストの全面禁止の実現及び抜本的な既存アスベスト・健康影響対策の確立に向けた要請



環境省要請事項

1. 全省共通項目

@ 厚生労働省「石綿の代替化等検討委員会報告書」に関する、貴省の認識をお聞かせいただきたい。
A 厚生労働省の、労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令案に関する、貴省の認識をお聞かせいただきたい。
B 要請書まえがきで述べた、労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令案に対する石綿対策全国連絡会議絡会議の意見(別添)に関する、貴省の認識をお聞かせいただきたい。
C アスベスト禁止の導入に関して、貴省のいずれかの部局において、関係業界(建材メーカー、ゼネコン、設計業者、施工業者、解体業者等)から何らかの意見・要請が寄せられたり、話し合いを行ったり、または働きかけていることがあれば、お聞かせいただきたい。
D 現行のアスベスト含有建材対策が十分か、貴省のお考えをお聞かせいただきたい。
E 全アスベスト含有製品の製造と流通に関する調査を製造会社が行うこと、国が責任を持って実施するよう監督指導することに関して、貴省のお考えをお聞かせいただきたい。
F アスベスト対策は、省庁が垣根を越えて協力する必要のある課題であるが、既存アスベスト対策に関して、省庁連絡会議を行う必要があるか、貴省のお考えをお聞かせいただきたい。

2. 環境省の総合的施策

@ 厚生労働省の政令案は、既存アスベスト対策を含めた総合的対策の見直しと、確立を迫るものになると認識している。被害の将来予測の努力の継続、環境曝露の発生源の確認、とりわけ建築物解体及び廃棄物処分(廃掃法の対象・非対象のアスベスト含有廃棄物双方)に係るリスクの評価、将来予測、対策など、貴省に関係する施策の見直し、確立を図るとともに、総合的対策の確立に向けて、関係省庁との協議のイニシアティブを発揮されたい。
A 委託研究等に際し、アスベスト製品製造会社及び民間シンクタンクだけでなく、アスベストに詳しい環境リスクの学者等専門家及びNPOと委託研究を行う時期と考えるが、再度お考かをお聞かせいただきたい。
B 情報提供に関して、EICネット(国立環境研究所の環境情報案内・交流サイト、(財)環境情報普及センターが運用)の「環境Q&A」では、環境に関連するさまざまな質問に対する回答が掲載され、誰でも見ることができるようになっている。 回答は、登録された会員(無料で誰でも登録できる)が仮名で行っている。このサイトでの情報について、貴省はどのように関与しているか、お聞かせいただきたい。このサイトを通じて、間違った情報や不適切な情報が公の情報と混同されて流布する可能性がないかどうか、貴省のお考えをお聞かせいただきたい
C アスベスト製品の情報及び飛散しやすい製品に関する情報の周知を行うことに関するお考えをお聞かせいただきたい。特に吹き付けアスベストのある建築物の所有者使用者に対して、飛散防止対策に必要と思われる情報や注意点についてまとめたパンフレット等を製作する等、情報提供を行う必要があると考えるが、いかがかお考えかお聞かせいただきたい。

3. 大気汚染防止法に基づく建築物解体等に係るアスベスト飛散防止対策

@ 平成13年度以降の特定粉じん排出等作業を行う建設工事(特定工事)の届出件数及び「(推定)カバー率」、計画変更命令、作業基準適合・作業一時停止命令、報告・検査の各件数、及び、各々の違反に係る罰則提要件数を示されたい。
A 平成14年度の石綿飛散防止対策の計画について、お聞かせいただきたい。昨年の話し合いでは、「含有建材を使用した建物の解体に係る知見の収集とともに、飛散の実態調査を予定している」と答えられ、また、5月24日付けの政府答弁書によると、「吹き付け石綿以外の石綿含有建材については、大気汚染防止法の規制の対象となっていないが、現在その製造、使用実態等に係る調査を行っており、今後、当該建材に係る大気の汚染の防止対策の必要性を検討することとしている」とされているが、具体的な進展・成果等があればお聞かせいただきたい。
B 平成15年度の石綿飛散防止対策の計画についても、お聞かせいただきたい。
C 5-Aに記載したように、貴省では有害廃棄物対策として、今年度中を目処に、「石綿(アスベスト)含有スレート板」の適正処理ガイドラインを作成中と伝えられているが、この動きと石綿飛散防止対策が、どのような関わり合いをもつのかも、お聞かせいただきたい。
D 天井や照明器具の処理に際し、現行法令や「既存建築物の吹き付けアスベスト粉じん飛散防止処理技術指針・同解説」に述べられた「除去作業の手順」では、吹き付けアスベスト対策では不十分であることを示す報告がなされている。現状での見直しに関する検討に関して、いかがお考えかお聞かせいただきたい。
E 工業港湾地帯等石綿スレートの工場倉庫等が群立する地域で劣化の状況等の調査をする必要性があると考えるが、お考えをお聞かせいただきたい。

4. 化学物質管理促進法(特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律)

@ 2001年度の石綿の輸入量8万トン弱(2001年度)に対して、公表された排出量・移動量が約4千トンという数字についてどう評価されているか、お聞かせいただきたい。また、届出事業者数が111という数字についてどう評価されているかについても、お聞かせいただきたい。
A 私たちは、全体の届出排出量が3,240kgは少なすぎるのではないか、その理由として、排出量の届出が31事業所のみであったことなどから、排出量を算定するのに経済産業省・環境省の「PRTR排出量等算定マニュアル」や日本石綿協会の「PRTR排出推計マニュアル」が十分周知されてないことがあるのではないかと考えている。排出量を0としている事業所に再度推計方法を周知徹底させた上で、データを修正していく必要があるのではないか、お考えをお聞かせいただきたい。
B また、マニュアルで十分に推計方法が示されていない、「特定粉じん発生施設設置工場」以外の事業所の石綿の排出量についての推計方法を別途を示して指導していくべきではないか。例えば、今回の届出で相模鉄道かしわ台工機所が電車の磨耗したブレーキシューの石綿が年間3.1トンあったと届け出ているが、磨耗したブレーキシューの石綿が大気に排出する推計方法を十分に科学的にも検討した上で、他の鉄道関係事業所等に対しても届出をさせていくべきではないか、お考えをうかがいたい。
C 全体の届出外排出量の597kgも、きわめて少ない数字と考えている。推計の根拠となる具体的データを示すとともに、今回のデータ集計結果を踏まえて、昨年も要請した、建設業(建築物の解体・改修等)や、車両の道路走行、自然界に存在する非点源等から環境中への石綿排出量についてのデータ把握についての考え方を再度うかがいたい。

5. 廃棄物の処理及び清掃に関する法律


@ 昨年の話し合いでは、廃棄物処分場の実態の把握とアスベスト飛散のモニタリングについて要請させていただいたところ、現行廃掃法上で「非飛散性」とされているアスベスト含有廃棄物に関して、廃棄物処分場におけるアスベスト飛散の実態を調べてみたい、という旨の発言があったものと理解している。具体的に調査等を行なわれたのかどうか、お聞かせいただきたい。
A 貴省では有害廃棄物対策として、今年度中を目処に、「石綿(アスベスト)含有スレート板」の適正処理ガイドラインを作成中と伝えられている。「特別管理廃棄物に指定するなど、法的な規制の必要性についても検討する」等とされているが、「石綿含有スレート板」についての「適正処理ガイドライン」の作成状況と見通し、作成過程での私たちの意見の反映について、詳しく説明をしていただきたい。 特別管理産業廃棄物に追加することを含めた、「石綿含有スレート板」に対する法的規制の必要性と現在の検討状況をご説明いただきたい。また、「石綿含有スレート板」以外の「非飛散性」アスベスト含有廃棄物についての検討状況についても、お聞かせいただきたい。
B 建設省、通商産業省で検討されてきた「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)」では、アスベスト含有建材は「再資源化」に適さないが、現行廃掃法ではアスベスト含有建材を廃石綿と規定していないために、中間処理施設に流入し、分別の際にアスベスト粉じんの飛散を防ぐことができない状況が予想される。これを防ぐには、建設解体現場での事前のアスベスト含有建材の調査、分別、事前除去を徹底する以外にないと考えるが、特化則に規定されている事前調査さえ実際には多くの解体現場で遵守されていないのが実状である。労働者のアスベスト曝露以外にも、一般環境汚染防止の立場から、建設解体現場での事前のアスベスト含有建材の調査、分別、事前除去を義務付けていくお考えはないか、お聞かせいただきたい。
C 昨年の話し合いで、廃石綿等を受け入れている処分場の数、年度別・都道府県別の処分量等に関するデータについておうかがいしたところ、処分量等を把握することは必ずしも必要であるとは考えていないとのお答えであったが、実際には横浜市で不渡り手形を出して倒産し、その後市が管理している中間処分場に、相当量のアスベストを含む容量を超える廃棄物が持ち込まれている例や、旭川市で市営の廃棄物処分場で廃石綿が地上に露出し破れた袋から飛散性アスベストが露出していた例などの実態から、貴省として実態を把握すべきであると考えるが、検討されていることがあればお聞かせいただきたい。
D 旧厚生省が推進してきた、地方自治法改正、産廃法改正を伴う「ごみ処理広域化計画」について概要をお聞かせいただきたい。同計画によって行政による廃棄物処分場の実態把握ができなくなること、処分場の実態について国民が情報を得る手段がなくなることについて強い懸念が指摘されているところであるが、この点についてお聞かせいただきたい。
E 昨年うかがった、旭川市の処分場で特別管理廃棄物の廃石綿が地上に露出し、袋が破れていた件で再調査をお願いしたが、再調査結果についてお聞かせいただきたい。また、再発防止策についてお聞かせいただきたい。





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